チロの探検犬物語 

チロの飼い主(チロM)

 

私の飼い主様のドド様は探検家です。

今まで、秘境に何度も挑まれ、その度に成功を収めていらっしゃいます。部屋の壁に

は数多くの探検の記念写真が飾られています。

その中に、南極を犬ゾリで横断なされたお写真も含まれています。雪原の中でソリ犬

を抱き、笑っていらっしゃいます。

お写真の犬は私です。私はドド様を心から尊敬し、お慕いしています。

私の前にシロ号と言う冒険犬が居られました。シロ号は今、展示室に置かれています

獲物に戦いを挑むかのように、歯を剥き出し、四つ足を突っ張った格好でケースの中

に剥製にされています。ま◯このピアスに下げられたメダルには、「アマゾンに死す

と書かれています。アマゾンの探検が済んでから、剥製になさったそうです。生きた

まま固定液を注入されているので、この姿勢と肌がいつまでも維持できるのです。ド

ド様はきっとアマゾンの思い出をそのまま保存したかったに違いありません。アマゾ

ンを思い出して、ドド様がときどきま◯こをお使いになりますので、シロ号も喜んで

いることと思います。いつか私もシロ号の隣りに剥製として並ぶことが出来るでしょ

うか。探検犬の最高の栄誉です。

 

「チロ!」ドド様がお呼びになりました。

食堂へ入っていくと、ドド様はお食事をなさっていらっしゃいました。お皿から兎の

肉を引きちぎると、私の前に放って下さいました。私が食べようとすると「マテ!」

の音符です。探検の最中以外は餌の前に、芸をさせられます。シド様は「タテ!」と

音符なさいました。私は驚いてしまいました。「立て!」などと。ご命令ですからし

ないわけにはまいりません。仕方なく、2本足で立ち上がりました。身も世もなく恥

ずかしい格好で、穴があったら入ってしまいたい心持ちです。昔、遥か昔のことのよ

うに感じられますが、人間の女として、2本足で服を着て歩いていたことがありまし

た。今思えば、なんと破廉恥な事だったのでしょうか。思い出しただけで鳥肌が立ち

ます。

今は裸で四つん這いになり、シド様から頂いた首輪をしています。犬であればこそ、

イグアナ様方に認めていただけるし、ドド様にもこんなに可愛がっていただけるので

す。

2本足で立つ私をドド様は「良く似合うぞ、イグアナみたいだ」とおっしゃり、豪快

に「ワハハハ」とお笑いになりました。畏れ多くも、イグアナ様みたいだなどとんで

もない。恥ずかしさで全身真赤になっていまいました。

 

ドド様は次の探検の準備をなさっておいでです。

今度の冒険は元東京の単独横断です。しかも、迷彩スーツも着ず、人類が使用してい

た銃を装備して行かれるのだそうです。ドド様のご友人は、皆、お止めになりました

元東京は廃墟になり、洗浄作戦から逃れた人類が、まだ生息しているのです。

年輩のイグアナ様のお話では、まだ、地球に人類が無数に生息していた頃。単独で地

球に降り、密かに趣味としての人類狩りが行われていました。その時、1匹のイグア

ナ様が密林で人類に倒されるという、衝撃的な事件がありました。迷彩スーツを着て

レザー銃を装備していたにも係わらずです。

私はドド様の足元でそれを聞いて、人間だった頃、「アーノルド・シュワルツ・ネッ

ガー」主演の映画で見た事を思い出しました。あの映画は真実だったのです。あの事

件がきっかけで、イグアナ様達の地球洗浄作戦が行われました。

 

ドド様はあくまで探検を決行なさるようです。私も、またドド様のお役に立てるかと武

者身震いがします。

 

 

浦安から上陸したドド様と私は、銀座、市ヶ谷、新宿、中野を通って三鷹までの危険

な探検です。

探検の最中はドド様がリードを持たれることはありません。私はドド様にリードを引

かれて歩くのが好きです。このリードで結ばれているかと思うと、ドド様の支配下に

いるのだと強く感じられるからです。濡れてしまうぐらいに。

もちろん、冒険の時にリードを引いて貰うわけには参りません。

ビルの多くは崩れ、道路の中央部分を除き、雑草が無秩序に茂っています。私はドド

様の前を歩き、周囲に気を配ります。危険を感じるようなこともありませんでした。

途中、遠方に人類を見かけました、ぼろぼろの衣服ですが、煤けてちぎれ欠けたネクタ

イをしているオスが幾体か居りました。ネクタイは一部の種族への帰属意識の哀れな

象徴です。

皇居の森では、野生化した兎を狩りました。猟場の兎を自然保護団体の「イエローピ

ス」が逃がしたに違いありません。胸と腰回りに白い綿毛、尻尾は丸く、長く白い耳

がある女兎です。女兎は夢中になって草を食べています。私は風下から、フセの姿勢

で静かに草むらを前進します。ドド様は後方の木の陰でその様子をご覧になっていら

しゃるはずです。巧くやらなければ。兎のすぐ後ろまで近寄りました。尻の間から

「イエローピース」が、ま◯このピアスに付けた個体認識メダルが揺れています。兎

の耳がピクッと動きました。感づいたのでしょう。少し遅すぎます。私は後ろ足を思

い切り蹴り、飛びかかりました。

 

前方に大きなビルが立ち並ぶ、新宿が見えてきました。上部が崩れた高いビル群に夕

日が沈もうとしています。

もっとも危険地域とされる新宿を夜通るのは避ける事にしました。崩れたビルの一角

で野営です。

狩った獲物で簡単な食事をしました。探検犬ですからご主人様のために、それなりの

装備があります。おっぱいを絞ればいつでも乳が搾れます。尻の穴の中には乾燥サラ

ミが入り、二つ有る膀胱の1つには真水が蓄えられています。

早めにドド様は横になられました。見張りをするは、冒険犬の勤めです。

暫くして、ドド様が起き上がられました。探検の緊張と興奮で寝付け難くなっている

のです。よくあることです。見張りをしている私の後ろに静かに来ると、そっとチン

チンを私のま◯こに挿入なさいました。ご主人様の緊張をといて差し上げるのも、探

検犬の大切なお勤めです。

私はいつでもドド様がご使用になれるよう、常にま◯こは濡らしています。ドド様は

私が見張りの注意を怠らないように、ゆっくりと出し入れなさいます。後ろ半身はド

ド様にご使用いただき、前半身は前足を突っ張り、頭を上げて四方に気を配ります。

私としては、ドド様のお心遣いに感謝しながらも、ゆっくり、ゆっくり出し入れされ

るおチンチンのじっれたさに何時もより身悶えしてしまうのです。

 

目端を何かが横切りました。ドド様のおチンチンに気を取られた私の不注意です。私

はサッと戦闘体勢に入りました。ドド様は私のま◯こからおチンチンをズボッとお抜

きになると、銃を構えました。人類達が襲ってきました。乱戦です。私はドド様に襲

いかかろうとしている人類の股間にある汚い物を喰い契ってやりました。人類のオス

は「ギャー」と股間を抑えて蹲りました。途中で見かけた、ネクタイ族です。戦闘は

長引き、私とドド様は離ぐれてしまいました。戦闘した場所には、人類の死体が幾つ

もありました。ネクタイ族は体力がないのです。首にタオルを巻いた、タオル族でし

たら危なかったかもしれません。ドド様はいらっしゃいませんでした。一晩、戦闘の

あった付近で待機しましたが、ドド様は現れません。ドド様は先をお進みなさった、

と判断して、私も出発する事にしました。はじめて単独行動です。指示していただけ

る方の居ない犬の侘びしさをしみじみ感じます。ふと「面倒を持ち込む方の居ない寂

しさ」とかいう短歌を思い出しました。きっと、三鷹でドド様は私を待っていて下さ

るでしょう。待って居て下さるご主人様が居る、そう思うと犬は一番勇気が湧きます

 

 

新宿は避けて通ることにしました。危険地帯の側ですから、注意深くゆっくり進みま

す。崩れかけた地下鉄のホームで一晩泊まることにしました。改札所の脇で丸くなっ

て、うとうとしていると、カサッと音がしました。用心深く音の出所を探ると、音の

主は人類の子供です。三つぐらいでしょうか。メスです。頭は鳥の巣のように乱れ、

全身煤と泥だらけで、僅かな切れを腰に巻いています。他に人類の気配はありません

捨てられたのでしょう。よく聞くことです。

危険はないと判断して私はまた、横になりました。薄目で子供を監視していると、子

供は恐れる風もなく、私の四本の足の間に入ってきて座りました。そして、そーっと

小さな手を出し、私のおっぱいを不器用に触り始めました。私のおっぱいしか目に入

らないようです。子供がおっぱいに触っている内に、乳首から乳がたれてきました。

通常その様なことは無いので驚きました。子供は乳首に吸い付いて来ました。野生の

人類など早く滅べばいいと常々思っているのですが、私は寝たふりを続けました。飼

い主様が側に居ない寂しさがそうさせたのでしょうか。

翌日、私は目が覚めると、子供を起こさないように、そっと起き上がり出発しようと

しました。が、子供の手が私の尻尾を掴んでいるのです。

四つ足の人類犬とその尻尾を掴んで歩く野生の人類の子供の奇妙な旅が始まりました

人類の居そうな、町部は出来るだけ避けて遠回りをしました。

ところ所、子供を私に跨がせ乗せて歩きました。子供は「ドウドウ」などと無邪気に

はしゃいでいます。

 

 

(A)ドド様は酔狂なお方です。ドド様は私が拾ってきた子供に何処から探してきた

のか人類の子供服を着せて、人類のまま可愛がっていらっしゃいます。

赤い靴を履き、ピンクのフリルの沢山付いたドレスを着て、子供は犬小屋の前でお座

りをする私の首に抱きつきます。顔を舐めてやるとキャッキャッと笑います。

私はこの子が好きです。いつの日にか、この子にリードを引かれ冒険に出かける日が

楽しみです。

 

(B)ドド様は酔狂なお方です。ドド様は私が拾ってきた子供に何処から探してきた

のか人類の子供服を着せて、人類のまま可愛がろうとなさいました。

でも子供は、私の回りを裸で四つ足になって、ワンワンと鳴きながら走り回るのが好

きです。この子の躾は私がしましょう。ドド様をお守りする立派な冒険犬になるように。

 


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