仔犬物語・愛美
斐芝嘉和
一
私は仔犬です。名前は愛美です。
一番最初の記憶は、寒さと空腹でした。湿った薄暗い場所に、私は手足を縛られて転がされていました。口には何かを押し込まれ、タオルか何かで猿轡をかけられていました。そこは固い場所で、無理な姿勢で長時間横たわっていたためか、体中がギシギシ痛みました。私は声を上げて泣きたかったのですが、猿轡の所為でシクシクとしか泣けませんでした。傍には私の他に気配はなく、このまま誰にも知られずに死んでしまうのかと思うと涙が止まりませんでした。
どれくらいそうしていたでしょうか。ふと気づくと、辺りが明るくなっていました。白く明るくなった頭上に、黒い大きな影が見えました。その影が、今の御主人様でした。
御主人様は私を抱き上げると、お家に連れ帰ってくれました。そして縄を解き、猿轡を外してお風呂に入れてくれました。冷たい身体に、少しぬるめのシャワーがとても気持ち良かったです。御主人様は良い匂いのする石鹸をたっぷりと泡立てて、私の汚れた身体を綺麗にしてくれました。
御主人様はお風呂のあとで、私に首輪を掛けてくれました。鋲がいくつもついた、丈夫そうな赤い首輪です。それから、首輪に太い鎖をかけてもらいました。御主人様は鎖を引いて、私に這うように命じました。そのお声がとても低くて恐かったので、私は怯えながら従いました。
「よしよし、良い仔だ」
たったそれだけのことで、御主人様は褒めて下さいました。大きな手で私の頭を撫でてくれました。まだ幼かった私は、それだけで胸の奥にぽっと火がついたように、暖かな気持ちになりました。御主人様に笑顔を向けると、
「良い顔だな」
そう言って、キスをしてくれました。
御主人様は太い腕で私を抱き上げ、居間に運びました。そしてソファの上に座り、私の髪を撫でながらビデオを見始めました。裸の女の人が縛り上げられ、男の人に叩かれたりオシッコをかけられたりする恐いビデオです。女の人はボロボロと涙をこぼしながら、喉が涸れそうなほど大きな声で「許して、ごめんなさい」と叫んでいます。でも男の人は何も聞こえていないように、ニコニコしながら女の人を叩いています。私は震えて、御主人様の腕に縋りつきながら訊ねました。
「どうしてこの女の人は虐められているの?」
「虐められているんじゃないよ。お仕置きされているんだ。悪い仔だからな」
そして私の瞳を覗き込み、愛美も悪い仔だったらお仕置きするぞ、と言いました。私はもう痛いことをされたように、涙がでてきました。
「なんだ、泣いているのか?」
御主人様は優しく笑い、私を膝の上に座らせて涙を舐めてくれました。
「良い仔にしていれば痛いことはしないよ。さあ、笑って。よしよし、その顔だ」
ぎゅうっと抱き締められると、私は何だかホッとしました。そして良い仔になろうと思いました。
***
良い仔になるのは大変です。
朝、御主人様が起きるよりも前に起きて、御主人様を起こさないといけません。布団の中にそっと潜り込んで、大きくなっているオチンチンをペロペロと舐めるのです。そしてお口の中に頬張って、朝一番の濃いオシッコを飲ませていただくのです。男の人のオシッコは、濃くなると白くなります。そしてドロドロとして、苦しょっぱい変な味がします。でも栄養がたくさんあるので、御主人様は愛美に飲ませてくれるのです。すっごくたくさん出てくるので息が詰まりそうになりますが、私は涙を流しながらも飲み込みます。そうすると、良い仔だな、と頭を撫でてもらえるのです。
それから、散歩に行きます。散歩の前に浣腸をしてもらいます。そしてウンチが出ないように、お尻の穴に太い栓を挿します。栓は長い尻尾のついた可愛いモノで、御主人様が前に飼っていた仔犬の髪の毛で作ったモノだそうです。真っ黒で艶々していて、とても綺麗です。でも長いので、地面に擦らないようにお尻を高く持ち上げないといけません。膝を一生懸命伸ばして這うと、どうしてもお尻が揺れてしまいます。ちょっと恥ずかしいのだけれど、内腿に尻尾がサラサラ当たると気持ち良いし、何より御主人様が褒めてくれるので、お散歩するのは大好きです。
お家を出て公園に向かうのですが、途中で浣腸が効いてきてもの凄くお腹が痛くなります。でも、御主人様が辛抱強く待ってくれるので、私は遅れないように歯を喰い縛ってついていきます。途中で、私よりも年上の、セーラー服を着たお姉さんが我慢できずにウンチをしている所を見ました。電柱の影に蹲って、ブリブリブリッともの凄い音を立ててたくさんたくさんウンチを出していました。そのお姉さんの御主人様はもうカンカンで、ウンチの終わったお姉さんを鞭でビシビシ叩いていました。お姉さんは泣いて謝っていましたが、もちろん許されるはずがありません。綺麗なセーラー服は、すぐにボロボロになってしまいました。白い布地に血が染み出し、同じ仔犬としても恥ずかしいほど汚くなりました。私はあんな風になりたくないので、公園まで我慢します。
ウンチはダメですが、オシッコは電柱でしないといけません。いつしても良いので、御主人様は電柱が来るたびに立ち止まってくれます。でも、我慢するといっぱい気持ち良くなるので私はできるだけ我慢します。我慢して我慢して、目が眩みそうになるほど我慢したあとでするオシッコは、ふわふわ浮き上がってしまいそうなほど気持ち良いです。御主人様も分かってくれていて、オシッコをすると褒めてくれます。足をぐいっと高く上げていると、もっともっと褒めてくれます。だから私はオシッコするのが大好きです。
公園に着くと、真っ先にウンチをします。仔犬のトイレは大きな砂場です。他にもたくさん仔犬がいて、シクシク泣きながらウンチしています。私もその間に混じって、御主人様に尻尾を抜いていただいてからウンチします。ブリブリブリッと排泄すると、すうっとお腹が楽になります。嬉しくて自然に涙がでてきます。
ウンチを出したお尻の穴は、公園の水道で綺麗にしてもらいます。冷たい水を、ウンチを出したばかりでヒリヒリしている肛門に当てていただくと、肌が粟立つほど気持ち良いです。御主人様は御自分の指を使って肛門の奥まで洗ってくれます。さらにアナルビーズで奥の方のウンチの滓も掻き出してくれます。
お散歩の帰りは、御主人様のオチンチンを肛門に入れていただき、抱っこで帰ります。御主人様の一歩ごとに、私の身体が揺れてオチンチンが暴れます。その度にお尻の穴が、裂けてしまったのではないかと思うほど痛みますが、唇を噛んで我慢します。御主人様のオチンチンを入れていただいているのに、痛いなんて言えません。私はそんな悪い仔ではありません。でも、気が遠くなるのは許して下さい。私はまだ、お尻の穴で気持ち良くなるほど大人ではないのです。
ようやくお家に帰ったあとは、朝のお食事です。御主人様の足元で、私は大人しくおすわりして待ちます。本当はいけないことなのだそうですが、時々御主人様はおかずを分けてくれます。竹輪や卵焼き、煮物やお肉などです。それらは床に落とされます。私はそれを、手を使わずにお口だけで食べます。食事のあとで床が汚れていると御主人様に叱られてしまうので、飛び散った汁も舌でペロペロ舐めて綺麗にします。
御主人様は御自分のお食事を終えられると、私に餌をくれます。半生のドッグフードに野菜のシリアルを混ぜてくれます。牛乳は腐り易いので少ししかいただけません。ですから、匂いもなくなるほど丁寧にお皿を舐めます。
私が食事をしている間に、御主人様はお仕事に出掛けられます。私は一人でお留守番します。本当はいけないことですが、オナニーもします。でも勝手にオナニーしたことがばれるともの凄く怒られるので、床に垂れた愛液はちゃんと舐めて綺麗にしないといけません。気持ち良くなってイッたあとで床をぺちゃぺちゃ舐めていると、何だかとてもいけないことをしているような気分になって胸がキュンとします。御主人様の優しい手が懐かしくなって、半日も経っていないのに気が狂いそうなほど寂しくなります。だから、なるべくオナニーをしないように、毎日我慢しています。
夜、御主人様が帰ってくると、私は玄関まで行っておすわりしてお迎えします。御主人様は私の頭を撫でて、抱き上げて居間へ連れていってくれます。時にはおみやげをくれることがあります。そんなとき、御主人様は口移しで食べさせてくれます。ただでさえ美味しいおみやげが、もっとずっと美味しくなります。私はお尻を振ってお礼を述べます。
晩のお食事は、御主人様はお摂りになりません。いつも外で食べられているようです。私が餌のドッグフードを食べている間、御主人様は着替えをなされます。それから、お風呂に入ります。私も一緒に入れてもらえます。御主人様は私を丁寧に洗ってくれるので、私も御主人様を綺麗に洗います。オチンチンは特に綺麗に洗います。石鹸の泡を流したあとは、お口に入れてもらって綺麗にします。濃いドロドロの白いオシッコがいただけるまで洗い続けます。夜のオシッコは朝ほど栄養はないそうですが、それでもいただけるのは嬉しいことです。たくさんたくさんいただけるよう、私は一生懸命おしゃぶりします。
オチンチンをしゃぶると、御主人様は気持ち良くなられるそうです。私の髪を撫でながら、気持ち良い、気持ち良いと何度も言います。私は嬉しくなって、身体全体を動かすようにしておしゃぶりします。これを口奉仕と言うそうです。他のお家では、朝起きたときや夜のお風呂だけでなく、食事の時や寝る前のお遊戯の時におしゃぶりを命じられることもあるそうです。そんなとき、仔犬は御主人様に「御奉仕させて下さい」とお願いするそうです。
お風呂のあとは、御主人様と一緒にビデオでお勉強です。お尻の穴にオチンチンを入れていただき、膝の上に抱かれてビデオを見るのです。御主人様は私のいやらしい割れ目を優しく弄ってくれます。穴の中を掻き回されたりクリトリスを抓まれたりすると、ビデオの内容に集中できなくて、頭の悪い仔になりそうです。でもとっても気持ち良いので、止めて下さいなんて言えません。それに、お尻の穴に入っているオチンチンも太くて熱くて、そこから熔けてしまいそうです。ひょっとして、私は変な仔なのでしょうか?こんなに気持ち良くって、それなのにちゃんとお勉強できる仔がいるのでしょうか?ひょっとしてこんな気分になるのは私だけなのでしょうか?時々不安になります。
ビデオはいつも、悪い仔がお仕置きされている内容です。フェラチオできなかったり、首輪もつけずに立って歩いていたり、御主人様の命令にイヤだと言ったりする悪い仔です。どうしてそんないけない仔犬がいるのでしょうか?褒めてもらえば嬉しいし、お仕置きされたら痛いし恐いし哀しいのに。仔犬なのにわざと怒られるようなことをするなんて、頭がおかしいのでしょうか?私には信じられません。御主人様にそう言ったら、愛美は良い仔だから分からないのだよ、と言われました。お前は頭の悪い仔だよ、と言われたみたいで哀しくなりましたが、嫌われたわけではないようなのでホッとしました。そして、ビデオの中のような悪い仔には絶対にならないぞ、と思いました。
お勉強の最後は、私のお尻の穴で御主人様に気持ち良くなっていただきます。床に蹲った私に御主人様が覆い被さり、もの凄い力で腰を打ち付けて来ます。腕は万歳の格好に押さえ付けられ、少しも動くことができません。お尻の穴を出入りするオチンチンはとても固くてゴリゴリしていて、お腹の中で動くたび、お尻が壊れちゃうんじゃないかと恐くなります。私の首の辺りに御主人様が顔を寄せ、はあはあと荒い息をしているのも、本当を言うと恐いです。でも、
「気持ち良いよ、愛美。お前のお尻の穴は凄く気持ち良いよ」
と囁かれると、嬉しくなってしまいます。涙がボロボロとこぼれますが、痛くて恐くて泣いているのか、御主人様に褒めてもらって嬉しくて泣いているのか、自分でも分かりません。そして、御主人様の熱くてドロドロした白いオシッコをお尻の穴の中に出していただきます。
お口から入れた食べ物は、お尻の穴からウンチになってでてきます。お口と肛門は一続きの管のようになっていて、だからお尻の穴から入れていただく白いオシッコも私の栄養になるのだそうです。本当はお尻の穴から入れる方が身体のためには良いそうですが、私がまだ幼いために仕方なくお口から飲ませてくれるのだそうです。ごめんなさい、御主人様。早く大きくなって、お尻の穴で全ていただけるようになりたいです。
お尻の中に白いオシッコを出した御主人様は、ゆっくりとオチンチンを引き抜きます。すると、私のお尻の穴から内側の粘膜が掻き出されてしまいます。乾くとひび割れてとても痛くなるそうなので、私はうんうんとお腹に力を込めて、飛び出した粘膜を戻します。その間に御主人様はもう一度お風呂に入り、私のお尻の穴で汚れたオチンチンを綺麗にします。お風呂のあと、御主人様はすぐに寝てしまいます。私はもっともっと御主人様に可愛がってもらいたいのですが、御主人様はお仕事があるので夜更かしできないのです。だから私は、お尻の穴を元に戻したあと、一人で御主人様のベッドの傍に行き、丸くなって寝ます。哀しくて寂しくてオナニーしたいけれど、御主人様を起こしてしまうかも知れないので我慢します。世の中にはバイブレーターという気持ち良くなる玩具があるそうですが、私がまだ幼いために買ってもらえません。早く大きくなって、バイブレーターをもらいたいです。
二
御主人様に拾われてから一年が経ちました。伸ばし続けていた髪は立ち上がると膝裏まで届くほど長くなっていました。御主人様がその髪で新しい尻尾を作ってくれました。
「誕生日おめでとう」
新しいプラグは前のモノより一回り大きくて、挿したり抜いたりするたびにお尻の穴が壊れそうです。でも、これに馴れたら御主人様のオチンチンが気持ち良く感じられるようになると思うと、我慢できます。でも痛いのは本当なので、お散歩の時は涙が止まりません。お口も自然に開いて、涎がダラダラ垂れてきます。
「愛美ちゃんも犬らしい顔になってきたね」
公園に行くと、そう言って頭を撫でてくれるオジサンがいました。オジサンの仔犬は髪の毛が金色で、肌は透き通るように白く、瞳の色が宝石のように青い綺麗な仔犬です。お乳も大きくて、桜色の乳首には金色のピアスがついています。お股を見せてもらったら、何だかビロビロして気持ち悪かったです。でも、クリトリスにも金色の小さなリングピアスがついていて、ちょっと羨ましくなりました。
私の身体が大きくなったので、御主人様は公園でスワッピングというお勉強をさせていただけることになりました。他の仔犬と私を交換し、御主人様以外の人のドロドロした白いオシッコを身体の中へ入れるのです。私の最初の交換相手は、私を褒めてくれたオジサンの金髪の仔犬でした。名前はベスと言うそうです。ベスは変な仔で、泣いてばかりいます。私の御主人様のオチンチンをオマンコに入れられても、ヒイヒイと泣くのです。なんて悪い仔なのでしょう。御主人様にお仕置きされれば良いのに。
でも、ベスのオジサンのオチンチンをお尻の穴に入れられて、ちょっとだけベスの気持ちが分かりました。オジサンのオチンチンは御主人様のオチンチンと形が違うようで、お腹の中で変なところに当たります。ぐいぐい腰を動かされると、お腹の中がグチャグチャになりそうです。でも、ベスみたいに悪い仔ではないので、唇を噛んで耐えました。涙はこぼれてしまいましたが、声は出しませんでした。本当に、本当に私は頑張ったのです。
それなのに、白いオシッコを出したオジサンは、私の頭をポカリと叩きました。
「せっかく入れてやったのに、声も出さないとは。可愛気のない犬だ」
そう言って、ぷりぷりしているのです。せっかく頑張ったのに。哀しくなりましたが、別にオジサンの仔犬ではないので知らんぷりをしていました。
そうしたら、ベスに白いオシッコをあげた御主人様が、
「お仕置きだぞ」
そう言って私の鎖を公園の隅の鉄棒に結びつけました。ほとんど怒られたことのない私は、恐くてオシッコをもらしてしまいました。御主人様は恐い顔で押し黙ったまま、私の足をM字に開いて、縄でギッチリ縛り上げました。そのあとで、無理矢理俯せにされました。
お尻を上げた恥ずかしい格好をさせられて、私は泣いて許しを請いました。ですが御主人様はムスッとして、少しも許してくれそうにありません。
「他の人にも良い仔にしなければ、ダメだ」
そう言って、御主人様は鞭を振り下ろしました。
バシッ!
お尻に火がついたような痛みに、私は悲鳴を上げました。涙で濡れた頬が地面に擦れて痛いです。口の中に砂が入ってきて、ジャリジャリします。
「もう大きいのだから、それくらい分かるだろう」
ビシリっ!
お尻の骨が砕けたような、重い一撃でした。一瞬目の前が暗くなります。御主人様の恐い声が、ずっと遠くの方から響いてきます。
「今日はここに置いておく。仕事が終わったら迎えに来るから、それまでに良い仔になっているんだぞ。もし悪い仔のままだったら、ここに捨てて行くからな」
ビシリっ!
感覚が戻りつつあったお尻に、また鋭い一撃が加えられました。私はガクガク震えるだけで、声も出せませんでした。
お尻に何か小さくて固いモノが押し付けられました。ぎゅっぎゅっ、ぐりぐり、と動かされたそれは、何だか分かりませんでしたが、傷に触れるとビリビリと痺れて、私はまた呻きました。私は無意識のうちに逃れようと身を捩らせたのでしょうか、ぐいっと押さえ付けられて、もう片方のお尻をグリグリされました。
近くにいた、知らないオジサンが、ニヤニヤしながら言いました。
「私はいけない仔です。お尻の穴にオチンチンを入れて下さい。お仕置きかね?こんな可愛い仔犬に」
「ええ、良いんですよ。少し甘やかせすぎました。もし良かったら入れてやって下さい」
どうやらお尻に「お願い」が書かれたようです。その知らないオジサンは、自分の仔犬を御主人様に渡し、お尻の穴にオチンチンを入れてきました。
「はうっ!」
細くて長くて固い、知らないオチンチンです。それがズコズコと、激しく肛門を出入りしています。お腹の奥まで届いているのか、痛いような苦しいような変な感じがします。
「おほっ!これは良い。まるでアナルセックスのために生まれてきたような仔犬ですな」
そう言って、オジサンはドロドロのオシッコを私の中に出しました。それから、
「どうです、貴方も試してみては」
傍にいた別の人に声を掛けました。気がつけば、私の周りにはたくさんの人が集まっていました。みんなニヤニヤしながら、私を見下ろしています。恐くなった私は、目だけをキョロキョロ動かして御主人様を捜しました。しかしもう、御主人様はいなくなっていました。
「お尻の穴がダメな仔ですかね?」
「いや、最高に具合良いよ」
「じゃあなんでお仕置きされているのかな?」
「飽きられたんじゃないの?頭悪そうだし」
周りの人は口々に勝手なことを言って、クスクスと笑っています。私は胸が苦しくなりました。本当に捨てられてしまったと思ったのです。
知らないオジサンたちは代わる代わる私のお尻にオチンチンを入れました。そして乱暴に腰を振って、白いオシッコを中に出しました。六人目くらいまでは数えていましたが、次第に頭がぼんやりとして、分からなくなってしまいました。お尻の穴も痺れたように感覚がなくなり、入っているのかいないのか、分からなくなりました。
オジサンたちは入れ替わり立ち替わり現れて、次々に私のお尻の中にオシッコを注ぎました。あんまりたくさん入れられたので、私はお尻を上げた格好のままブリブリとウンチをしてしまいました。それでも、まだまだオジサンたちはやってきて、私の中にオシッコします。そのうちに、本当に意識を失ってしまいました。
気がつくと、辺りは暗くなっていて、公園には誰もいませんでした。夜風が身体に冷たく、私はぶるりと震えました。おしっこのところがキュン、となって、ちょっとだけおもらししてしまいました。
「ただいま、愛美」
不意に御主人様の優しい声が聞こえました。私はギシギシ痛む首を曲げて、声のする方を見ました。シルエットしか分かりませんでしたが、御主人様であることだけはハッキリと分かりました。たった半日しか経っていないのに、すごく懐かしいような気がして、私はくぅんと鼻を鳴らしました。嬉しくて嬉しくて涙が止まりませんでした。
御主人様はすぐに縄を解いてくれて、私の砂に汚れた髪を撫でてくれました。
「随分たくさんの人に可愛がってもらったみたいだな。お尻は大丈夫か?」
そう言って、御主人様は私のお尻の穴に指を入れました。馴れた感覚に、思わずキュンと絞めてしまいました。でも、お尻の穴はごわごわと強張って、あんまり強く絞められなかったみたいです。御主人様は指を鈎にして、お尻の穴の中をぐりぐりしました。どろっとした何かが、内腿を伝って落ちていくのが分かります。知らないオジサンたちの白いオシッコです。
「まだたっぷり入っているようだな。ウンチしていくか?」
御主人様は元の優しい御主人様に戻っていました。私は嬉しくなって、お尻を力一杯振りました。変な格好で縛られていたので体中が痛くて、思うように動けませんでしたが、御主人様に嫌われないよう、自分一人でウンチしました。白いオシッコがボタボタと、砂の上に落ちていきます。栄養はちゃんと摂れたのでしょうか?ちょっと勿体ないような気もしました。
***
翌日からしばらくの間は、お尻の穴が真っ赤に腫れ上がって、お外に出られませんでした。獣医の先生が私のお尻を診てくれました。しばらくは使ってはいけないとのことで、私は哀しくなりました。お仕置きの成果を御主人様に早く見ていただきたかったのに。
お尻が使えない間は、口奉仕を頑張りました。お口から飲むと栄養があまり摂れないので、いつもの倍はおしゃぶりしました。御主人様も喜んでくれました。
「巧くなったな、愛美。そうそう、その調子だ。良いぞ……」
そう言われながら髪を撫でられると、心臓が熔けてしまいそうになります。オマンコがジュンジュンと熱くなってきて、エッチな汁がこぼれてきます。お礼に、私は御主人様のオチンチンをよりいっそう丁寧にナメナメします。御主人様は優しく笑って、また褒めて下さいます。
お尻の穴が腫れ上がっている間、ウンチするのがとても大変でした。ほんのちょっと息むだけで、ビリビリと電気が走ったみたいに痛むのです。ウンチが出てくると、今度はジンジン染みてきます。めくれた粘膜が乾いてひび割れているのだろう、と御主人様は言いました。お仕置きの間に気を失った私は、オチンチンに掻き出された粘膜を戻すことを忘れていたのです。
私があんまり痛がるので、御主人様が自由にオナニーすることを許可してくれました。オナニーで痛みを忘れろ、ということです。御主人様がお仕事に出掛けている間、私はずっとオナニーして過ごしました。でも、三日目くらいに今度はオマンコの方が赤く腫れてヒリヒリしてきたので、少し我慢するようにしました。お尻の穴が痛くて痛くて堪らないときだけ、オナニーするのです。自分の指でくちゅくちゅしていると、本当に痛みを忘れられます。でも、愛液がたくさん漏れておもらししたみたいになるので、ちょっと恥ずかしかったです。
毎日肛門にお薬を塗って我慢していると、痛みが引き、楽にウンチができるようになりました。そして久しぶりに朝のお散歩へ出掛けたとき、またあのベスのオジサンと合いました。ベスは既に他のオジサンにオチンチンを入れてもらっていましたが、御主人様は私をベスのオジサンに渡しました。御主人様はベスの前の穴に入れるそうです。
「久しぶりだね、愛美ちゃん。少しは良い仔になったかな?」
早速オジサンがオチンチンを入れてきました。あの、変な風に曲がったオチンチンが、お腹の中を掻き回します。私は我慢せずに声を出しました。自分でも恥ずかしくなるくらい、エッチな声が出てしまいました。
「あぅぅ……んん……くぅぅん……」
「お、少しは反省したみたいだな。よし、御褒美だ。オッパイも揉んでやろう」
オジサンはそういって、私の胸に掌を当てました。でもまだペッタンコなので、乳首だけぎゅうっと抓られました。
「いぎぃぃぃっっっ!」
あまりの痛さに顔を歪めると、オジサンは大喜びでした。そしてお尻の穴の中へ白いオシッコを出したあと、オチンチンを舐めさせてくれました。
「良い声で鳴くなあ。どうだい、オジサンとこの仔にならないか?」
私のウンチの味がするオチンチンを舐めていると、オジサンが私の髪を撫でながら言いました。どう答えて良いか分からないので、おしゃぶりに専念しました。冗談だったらしく、私の御主人様が戻ってくると、ベスを連れてすぐに帰ってしまいました。
あとでベスのオジサンに言われたことを御主人様に話したら、笑われました。
「あの人は金髪の仔犬しか飼わないんだよ。それに、そういうときは哀しそうな顔をしてシクシク泣いた方が良い」
「でも……」
「御主人様と別れろと言われて泣くのは悪い仔じゃない。御主人様以外のオチンチンを入れられて泣くのも悪い仔じゃない。それだけ、御主人様を想っていることになるからな」
ようやく、あの時御主人様が凄く怒った理由が分かりました。私は御主人に嫌われたくなくて泣かなかったつもりでしたが、本当は酷いことをされて泣かない自分が誇らしく、我慢しているのが気持ち良かっただけなのです。
「私、悪い仔でした……お仕置きして下さい、御主人様」
「分かれば良いんだ。大丈夫、愛美は良い仔だよ。ちょっと頭が悪いだけだ」
頭を撫でられて、私は嬉しくなりました。こんなバカな私を、御主人様は可愛がってくれます。ますます御主人様のことが大好きになりました。
三
御主人様に飼われるようになってから、三年が経ちました。身体も大きくなり、胸も少しだけ膨らんできました。三歳の誕生日に、乳首にピアスをつけてもらいました。ピアスをするときはピリッと痛かったですが、鏡に映すと可愛かったので嬉しくなりました。
そして初めてオマンコを使っていただきました。
オマンコにオチンチンを入れていただくのは初めてでしたが、公園で見ているお姉さんたちがとても気持ちよさそうにしているので、きっとお尻に入れられるよりもずっとずっと気持ち良いのだろうな、と思っていました。お尻の穴が使えないお姉さんも、前の穴だと楽に入って、あんあんと可愛い声を上げていました。それに、本当を言えばお尻の穴にオチンチンを入れていただくより、オナニーの方がずっとずっと気持ち良かったのです。ですから、オマンコにオチンチンを入れていただけたらずっとずっと気持ち良くなれると思っていました。
それなのに、、初めて御主人様のオチンチンを入れていただいたとき、あまりの痛さにビックリしてしまいました。
「ひぎぃぃぃっっ!い、痛い、痛い痛いですうぅぅっっ!」
御主人様に使っていただいているのに、思わずそう叫んでしまったほどです。
「大丈夫だ、すぐに済む」
御主人様はぐいぐいとオチンチンをねじこんできました。
オマンコで感じるオチンチンは、お尻の穴よりも大きく感じられました。同じモノなのに、どうしてなんでしょうか?それに太くて固くて、ゴツゴツしています。くびれていたり曲がっていたりする様子が良く分かります。それが、ビリビリと痛むオマンコの中で、ゆっくりと前後に動き始めました。
「ひぐぅぅぅっっっ!あ、あ、あぁぁっっ!」
あんまり私が大声を上げるので、御主人様に頬を叩かれてしまいました。ぱんっ、という衝撃で一瞬だけ我に返りましたが、オマンコから突き上げてくる痛みの方が大きかったです。まるで五寸釘を打ち込まれているみたいです。
「ぐぅぅ……あぐぅぅぅ……」
そのうちに、何だか頭がくらくらしてきました。痛みの所為で目が回っているのかと思いましたが、違っていたようです。
「あ、ああぁ……?あぅあ……」
御主人様の動きが、大きく、力強く感じられます。オチンチンはますます太く固く熱くなり、オマンコの中をごりごりと動いています。でも、もう痛みは感じません。いや、これは痛みなのでしょうか?熱くて力強い何かが、御主人様の動きに合わせてオマンコの中に充満します。それは次第に大きくなって、私の感覚を熔かしていきます。熱い何かに飲み込まれて、お尻が、腰が、なくなってしまったようです。打ち寄せる波が砂浜を削るように、それは何度も何度も込み上げてきて、私の意識を侵食します。心臓が破れそうなほどドキドキしています。喉が勝手に鳴って、言葉が勝手にこぼれ出ていきます。瞼の裏に白い閃光が走りました。ピカリ、ピカリ、と御主人様の動きに合わせて光ります。ああ、御主人様が入ってきたんだ、と思いました。身体の中だけでなく、私の心の中に、暖かくて優しい御主人様が溶け込んできたのだと。白い閃光は次第に輝きを増し、そして明滅の間隔を次第に早めてきました。御主人様の動きが激しくなったようです。
「あぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅああああぁぁぁぁぁああぁぁぁあああぁぁっっっ!」
バシャン!
もの凄い音と共に、世界が爆発しました。真っ白になって、何も見えません。御主人様の白いオシッコの中でしょうか?ふわふわしてぽかぽかして、浮いているのか落ちているのか分からないです。私はすごく満たされていました。皮膚が熔けて、中身が流れ出てしまったみたいです。
(これが……御主人様なんだな……)
ぼんやりと、そんなことを思いました。
***
誕生日プレゼントは乳首ピアスだけではありませんでした。
「少し早いかも知れないけれど」
そう言って渡されたのは、セーラー服でした。仔犬が十分に大きくなった証です。私は驚いてしまいました。自分ではまだまだ幼い仔のつもりだったからです。
「愛美は拾ってきた仔だからな。正確に何歳か分からない。身体だけを見ているとまだ早いような気もするけれど、良い仔だからおまけしてやろう」
「あ……ありがとうございます……」
私は嬉しくなって、その場で袖を通しました。ちょっと大きかったけれど、新品の良い匂いがして、ちょっとだけ涙が出ました。
「ああ、よく似合っているね。抱っこして上げよう」
御主人様は私のお尻の穴にオチンチンを入れて、背中から抱き上げてくれました。
「お。随分と重くなったな」
そんなことを言いながら、膝の上に座らせてくれます。私は股を開いて、御主人様の手をオマンコに導きました。御主人様がクスクス笑いながら、エッチなビラビラを擦ったり抓んだりしてくれます。
「大きくなったのに、甘えんぼさんだな、愛美は」
「ご、ごめんなさい……んぅっ!」
「謝らなくて良い。褒めているんだよ。可愛いな愛美。ほら、お尻に力を込めて」
「は、はい……んん……!」
私のお尻の穴は柔らかくなりすぎていて、力を込めないと気持ち良くないそうです。ウンチを出すときみたいに息むと、御主人様が良し、と言いました。私はできるだけ長い間息を止めて、御主人様のオチンチンを締め付けました。
「……っは、はぁ、はぁ、はぁ……」
「ようし、今のは良かったぞ」
そう言いながら、御主人様の手がセーラー服の下に伸びてきました。まだまだ小さな私のオッパイを、下からモミモミします。ピアスに指を掛けて引っ張られると、ピリッとした痛みが走りました。
「あぅんっ!」
「お、良いな。ほら、どうだ?」
「ひぅっ!」
私が痛がると、お尻が丁度良い具合に締まるみたいです。御主人様は喜んで、私のピアスを引っ張ったり捻ったりしました。痛くて涙が出てきましたが、御主人様に喜んでいただけるので、顔は自然に弛んできます。
「っく……ん……あぅっ……」
そのうちに、痛いのが気持ち良くなってきました。でも、御主人様は飽きてしまわれたのか、オッパイから手を離して、私を床の上に降ろしました。私はすぐに向き直り、私のウンチの味がするオチンチンをくわえました。御主人様はうっとりとした顔で目を瞑り、私の頭を優しく撫でてくれます。
私はこのひとときが大好きです。お尻の穴にも御主人様のオチンチンの余韻があり、オマンコは弄られて熱くなっています。オッパイには御主人様の手の感触。そしてお口の中には御主人様のオチンチンがいっぱいになっています。頭を撫でてもらえるのはもちろん嬉しいのですが、たとえそれがなくても、胸に広がる暖かさは少しも減らないでしょう。全身で御主人様を感じているのです。御主人様の仔犬で良かったなあと、心の底から思います。
***
セーラー服を着て、初めてのお散歩に行きました。セーラー服に限らず、服を着ている仔犬は御主人様に可愛がられている仔犬です。でも、もしその仔犬ができの悪い仔犬だと、御主人様がバカにされてしまうので、喜んでばかりはいられません。私はお尻を高く持ち上げ、尻尾を大きく振って這いました。浣腸をたくさんしていただいたのでいつもよりお腹が痛かったのですが、歯を喰い縛って我慢しました。その所為で、公園までオシッコできませんでした。
砂場に着いたら、御主人様に尻尾を抜いていただいて、ブリブリとウンチをしました。いつもよりたくさんの、匂いのきついウンチが出ました。一緒にオシッコもしました。ずうっと我慢していたので、いっぱいいっぱい出ました。砂場で良かったです。もし他の場所だったら、凄く大きな水たまりができていたでしょう。
ウンチが済むと、すぐにスワッピングです。今日のお相手は、沙織ちゃんのオジサンです。沙織ちゃんは私よりもずっと小さくて、まだお口でしかできません。ですからオジサンはすごく溜まっていて、いつもお尻の穴だけでなくお口にも入れてくれます。
「もう処女でないですから、前の穴も使って下さい」
御主人様は沙織ちゃんを抱っこして、そう言いました。沙織ちゃんのオジサンはニコニコしながら、それならサンドイッチにしましょう、と言いました。沙織ちゃんは傍の鉄棒に万歳の格好で吊されました。爪先でどうにか立っていますが、とても辛そうです。見ている私の方まで痛くなってきました。
私はベンチに仰向けに寝かせられ、股を開いてオジサンのオチンチンを入れていただきました。オジサンのオチンチンは太くて短くて、私のオマンコにはキツキツでした。お尻の穴にはすんなり入るのに、とても痛くてびっくりしました。
「おやおや、泣いているのかい?良い仔だね、もう少しの我慢だよ。パパにお尻の穴を埋めてもらおうな」
そう言いながら私の背に手を当てて、抱き起こしてくれます。背中の方から御主人様が近づいてきて、いきなりお尻に入れてくれました。
「はうっ!」
「お、前の穴に入れられていると、締まりが良いな」
お尻の中に御主人様のオチンチンが入ってきます。馴れているはずなのに、まるで違うオチンチンみたいに感じました。いつもより大きくて固い感じです。肛門の中へズブズブ沈んでいくのが、ハッキリと分かります。
「さあ、全部入りましたよ。どうしましょうか」
「ちょっと跳ねてみますか。せぇのっ」
「はぐっ!」
「せぇのっ」
「ひぎっ!」
ふわっと浮いて、どん、と落ちると、オマンコと肛門に爆発が起きたみたいでした。それが少しずれて起きるので、私はガクガク震えました。オジサンも御主人様もとても喜んで、何度も何度も小さくジャンプしました。私はそのたびにヒンヒンと泣きました。我慢のできない悪い仔みたいに、お許し下さい、お許し下さいと何度も言いました。
先に射精を終えたオジサンが、オマンコからぬらぬら光るオチンチンを引き抜き、私を四つん這いにさせてお口に入れてくれました。私の汁の味がするそれを、私は丁寧に舐めて綺麗にしました。オジサンのオチンチンが、また大きくなってきました。
「お、いつもながら、巧いな」
オジサンが私の頭をがっちりと掴み、固定してバンバンと腰を打ち付けてきました。短いオチンチンと言っても、喉の奥まで届きます。苦しくて苦しくて何度も口を閉じそうになりましたが、必死に我慢して耐えました。
オジサンは、白いオシッコを直接飲ませてはくれません。イきそうになるとすっと抜き出して、顔に掛けてくれるのです。
「!」
ドプドプと、生臭くて熱い白いオシッコがおでこに掛けられました。それはどろりと垂れて、瞼の上に乗ってきます。目にはいるととても染みるので、私はぎゅうっと瞼を閉じました。仔犬がこういう顔をするのが、オジサンは大好きなのです。
御主人様がようやく白いオシッコを出してくれました。今度はオジサンが私のお尻の穴を使う番です。御主人様と入れ替わり、ぐいっと入ってきました。しかし、前の穴には何も入ってきません。セーラー服の上から胸を掴んだオジサンが、ぐいっと立ち上がりました。そして二歩、三歩と歩きます。一歩ごとにお尻に衝撃があり、私はまた泣いてしまいました。
不意に、顔に生暖かなモノが触れました。
「ひっ!」
思わず顔を背けると、こめかみを両側から挟むようにして押さえられました。
「せっかく沙織ちゃんが綺麗にしてくれるんだ。じっとしていなさい」
御主人様の声が聞こえました。では、このヌルヌルした気持ち悪いモノは、沙織ちゃんの舌でしょうか。確かに、顔に生暖かい息が吹き掛かります。やがて、白いオシッコは綺麗に舐め取られて、目が開けられるようになりました。恐る恐る目を開けると、目の前に苦しそうな顔をした沙織ちゃんの顔がありました。その向こうには御主人様が優しく微笑んで立っていました。ふと下を見ると、御主人様の手が沙織ちゃんのオマンコに指を引っかけるようにして支えていました。お尻の穴にも入れて持ち上げているのでしょうか、沙織ちゃんは鉄棒を頭の後ろにして、辛そうに顔を顰めています。
オジサンが白いオシッコを出して、ようやく私を解放してくれました。御主人様と一緒に沙織ちゃんを降ろし、小さなお口でオチンチンを綺麗にさせます。沙織ちゃんにはちゃんとオシッコを飲ませました。そのあとで、御主人様も沙織ちゃんにオチンチンをあげました。
私はオジサンのオチンチンしか入れてもらえなかったオマンコが寂しくて、知らず知らずオナニーしていました。
「あ、コラ!何をしているっ!」
御主人様に叱られて、ようやく気づきました。
「せっかくセーラー服を着せてやったのに、なんてざまだ!お仕置きだぞ!」
私はブルブル震えながら背中を向け、鞭を受けました。綺麗だったセーラー服はすぐにずたずたになり、哀しくなって泣いてしまいました。皮膚が裂け、蚯蚓腫れがいくつもできたでしょう。でもそれ以上に、御主人様の御期待に応えられなかった自分が恥ずかしくて情けなくて、涙が止まりませんでした。
その日はとうとうお尻に入れてもらえませんでした。ボロボロのセーラー服を着て、いかにもできの悪い仔のように項垂れて、とぼとぼとお家に帰りました。御主人様の怒りはすぐには解けず、お仕事から帰ってきても構ってもらえませんでした。御主人様がベッドに入ったあと、私はベッドの傍におすわりして、眠らずに夜を過ごしました。反省していることを認めてもらいたかったのです。夜は長く、途中で何度も首が落ちそうになりました。でも眠ることはできません。御主人様にお許しいただけるまで、何かしていないと落ち着かないのです。
翌朝、目を覚ました御主人様は、ベッド脇に控えている私を見て、呆れた顔をされました。
「ずっとそうしていたのか?バカだなあ。足が痺れたろう」
そう言って、御主人様は私をベッドに上げてくれました。そして痺れる足をそっと撫でてくれました。ポロポロと涙が出てきましたが、痛くて泣いたのではありません。失神しそうなほど痛かったけれど、御主人様に構っていただけたことの方が嬉しくて、それで涙が出てきたのです。
「よしよし、良い仔だ。今日は新しい服を買ってきてやろう」
なんて優しい御主人様なのでしょう。私は本当に幸せ者です。
四
御主人様に拾っていただいてから、五年が経ちました。胸も大きくなり、セーラー服も一つ大きなサイズにしていただきました。去年の誕生日にはクリトリスにピアスをしていただきました。今年は、そのピアスに、ネームタグをつけていただきました。ちなみに、乳首ピアスには可愛い鈴をつけていただきました。
御主人様は誕生日の御褒美に、私を旅行に連れていってくれました。自動車やバス、電車や飛行機を乗り継いで、随分と遠くに行きました。途中でたくさんの仔犬とスワッピングしていただきました。いろんなオジサンがいて、とても勉強になりました。
そして、北海道という場所で、御主人様は私の首輪から鎖を外しました。そこは青々とした草の生い茂る広い原っぱで、傍に小さな茂みがありました。小川でもあるのか、微かにせせらぎの音も聞こえます。空気は冷え冷えと澄んでいて、セーラー服を着せていただいていたので大丈夫でしたが、裸だとちょっと寒いかもしれません。
御主人様はポケットからオチンチンの形をした玩具を取り出して、ぽーんと遠くに投げました。そして私に、取ってこい、と命じました。
私は尻尾を振り立てて草むらの中へ飛び込みました。草は思ったより深く、玩具はなかなか見つかりませんでした。ようやく見つけたそれを、オマンコに挿し込んで、私は御主人様の元へ駆けていきました。
でも……
そこに御主人様はいませんでした。
草むらの中で方角を誤ったのかと思い、あちこちと行ってみましたが、御主人様は見つかりませんでした。
すうっと目の前が暗くなりました。
御主人様に捨てられてしまったのでしょうか?
あんなに優しかった御主人様が、何故……?
いえ、きっと私が何かいけないことをしたので、お仕置きをされているのでしょう。一体何に腹を立てられたのでしょうか。タクシーのオジサンのオチンチンがあまりに臭くておしゃぶりするときに泣いてしまったことでしょうか。オシッコのつもりで足を上げたのになかなか出てこなかったせいでしょうか。ウンチがシャビシャビだったのがいけないのでしょうか。いや、そもそも私は、御主人様に飼っていただけるほど良い仔ではなかったのでしょうか。
考えれば考えるほど、分からなくなります。
それよりも、傍に御主人様の姿が見えないことが私を不安にさせます。こんなに心細いのは、初めてのスワッピングで粗相をして、お仕置きされたとき依頼です。でもあの時は、御主人様はちゃんと迎えに来ると言ってくれました。
今は違います。
何も言わずに、御主人様は姿を消してしまわれたのです。
恐くて哀しくて、オシッコがもれてしまいそうです。このままでは気が狂ってしまうかも知れません。私は叱られることを覚悟して、そろそろと立ち上がってみました。視界が広がり、原っぱが遠くまで見渡せるようになりましたが、どこにも御主人様の姿はありませんでした。不意に涙が込み上げてきて、風景が滲みました。
膝がガクガクと揺れて、立っていられなくなりました。
私はその場にぺたりと座り込んで、幼い仔犬のようにわんわんと泣きました。こんな風に泣くのは悪い仔です。セーラー服を着ている仔犬のすることではありません。でも良いのです。悪い私に、お仕置きして下さい。どんな罰でもお受けします。ですから御主人様、どうか私を叱りにきて下さい。お願いします、お願いですから……
***
随分長い間、私は泣き続けました。
やがて涙が涸れ、声が出なくなりました。
泣き疲れて何も考えられなくなり、私はその場にごろんと横になりました。
気がつくと、オマンコに挟んだ玩具を掴んで、くちゅくちゅ動かしてオナニーをしていました。御主人様が投げてくれた玩具です。御主人様の匂いがするような気がして、それを抜き出して鼻に近づけてみました。でも、私のいやらしい汁の匂いしかしません。私は哀しくなって、それを投げ捨てました。
冷たい草の間に横たわり、私はぼんやりしました。もう何も考えられません。
このままここで、死んでしまうのでしょうか。
御主人様がいないのでは、私はどうして良いか分かりません。
お腹も空きません。
ただただぐったりとして、呆然と青い空を見上げていました。
夜が来ました。
北海道の夜は、とても寒いです。
身体が冷えて、あちこち痛んできました。
黒い空には星がいっぱいありました。
本当にいっぱいいっぱいありました。
とても綺麗で、涙がでてきました。
あんなに泣いたのに、まだこぼれる涙があるなんて、不思議です。
だから、しばらく上を向いたまま、滲んだ星を見ていました。
そうやってじっと見つめていると、星が動いているのが分かります。
思ったより早く動いています。どんどん動いています。
以前、御主人様に聞いたことがあります。太陽も月も星も、東から上って西に沈んでいくのだそうです。とすると、星が流れていく先が西なのでしょう。
西……
そう、西です!
私はがばっと跳ね起きました。
北海道はどこにあるのか分かりませんが、御主人様のお家から見れば確か東になるはずです。だったら、西へ向かっていけば、お家に帰ることができるのではないでしょうか?
お家に帰れる。
御主人様のいるお家に、帰ることができる……!
その思いに、私は文字通り躍り上がってしまいました。
寝ている場合ではありません。西に行かなければ……!
気がつけば駆け出していました。
二本足で駆けています。
冷たい草が剥き出しの足をパチパチと叩きます。痛いけど、気にしてなんかいられません。お家に帰るのです。御主人様の元へ帰るのです!
私は走って走って、走り続けました。
***
馴れない二本足で一生懸命駆けた所為でしょうか。
すぐに息が切れて、足がもつれて転んでしまいました。
哀しくて情けなくて涙が出てきましたが、倒れている場合ではありません。私は腕で身を引きずるようにして、前に進みました。
不意に草むらが途切れました。嗅ぎ馴れたアスファルトの匂いがします。恐る恐る手を伸ばして地面に触れると、固い感触がありました。暗くて良く分かりませんが、道に出たことは確かです。
昨日、御主人様と一緒にタクシーでやってきた道でしょうか。
だとしたら、左手の方へ行けば、御主人様と一緒に泊まったホテルがあるはずです。私はよろよろと道路に這い出て、ホテルがあると思われる方へ向かいました。
足は鉛にでもなったように重くて、お尻を持ち上げることができませんでした。尻尾をもらう前の仔犬のように、膝をついて這わないと動けません。尻尾の先が擦れてしまいますが、仕方ありません。私は歯を喰い縛って、少しずつ前に進みました。
やがて朝になりました。
ホテルは全然見えてきません。方角を間違えたのでしょうか?
でも、道はどちらかの端が、街へ届いているはずです。街に行けば、御主人様のことを訊くことができるかも知れません。今はとにかく、前に進むしかありません。
夜気に冷えたアスファルトは、とても固くて痛いです。掌も膝も、擦り剥けてヒリヒリしてきました。今になってお腹が空き、身体が思うように動きません。首が上げていられなくて、どうしても下を向いてしまいます。尻尾だけでなく髪の毛も引き擦って、毛先がボロボロになっていくのが分かります。
それでも、前へ。
前へ這い進むしかありません。
日が昇り、気温が上がってきました。
暖められたアスファルトはとても暖かくて、ちょっと柔らかくなったような感じがします。横になったら気持ち良いだろうな……そんなことを考えてしまいます。
それでも私は、前に向かって這い続けました。
這い続けるしかないのです。
一歩一歩、御主人様に近づいている。
そう思えば、動かない身体も動かせます。
右手を前へ。
左足を引き付けます。
左手を前へ。
右足を引き付けます。
簡単なことです。
膝をついているのですから、身体を支えるのも楽です。
右手を前へ。
左足を引き付けます。
左手を前へ。
右足を引き付けます。
簡単なことです。
格好なんか気にせず、ただただ繰り返せば良いだけのことです。
右手を前へ。
左足を引き付けます。
左手を前へ。
右足を引き付けます。
簡単なことです。
簡単なことです……
***
「生きてるのか、こいつ」
「あーあ、汚ぇな。野良だろ?ほっとけよ」
「首輪はあるぞ。それにセーラー服を着てるし」
「なら捨てられたんだろうよ。どっちにしろ、ロクなもんじゃないって」
「お、ふっといプラグだな。見ろよ、肛門がふかふかだぜ」
「あーもう、分かったよ、乗せろよ」
「洗えば綺麗になるって。顔だって可愛いし、拾いモノかも知れんぞ」
「お前ねぇ、何匹飼ってると思ってるんだよ」
「こいつで確か……」
「……」
「……」
五
私を助けてくれたのは、仔犬好きな兄弟でした。この人達のお家には拾ってきた仔犬がたくさんいて、お二人に可愛がってもらっていました。椅子やテーブルに使ってもらっているようで、みんな青白い顔をしていました。お散歩にはいかないのか、どの仔も尻尾を生やしていませんでした。
私はどうやら三日ほども道端で倒れていたみたいです。拾われてからしばらくは、栄養失調のために起き上がることができませんでした。でもお二人の手厚い看護のお陰で、すぐに身体は快復しました。尻尾と髪はボロボロになってしまったけれど、綺麗にカットしてくれたので、それほど哀しくはありませんでした。セーラー服は洗っても綺麗にならなかったそうで、捨てられてしまいました。お二人は裸の仔犬が好きだそうで、新しい服は買っていただけませんでした。
私は一週間ほど、お二人のオチンチンをおしゃぶりして過ごしました。助けていただいた御恩に応えるには全然足りませんが、でも長居はできません。お二人には事情を説明して、納得していただきました。
「でもお前、家の場所が分かるのか?」
お兄さんの方が、オマンコを使いながら訊いてきます。お兄さんのオチンチンはコブコブとしていて、動かれると変な感じです。これでオマンコの内側を擦られると、頭が真っ白になってしまいます。
「西って行ったって、海をどうやって渡るんだよ?」
弟さんの方が、お尻の穴を使いながら言いました。弟さんのオチンチンは細くて固くて、亀頭がコキッと鰓を張っています。入れるときはともかく、抜くときには肛門の粘膜を大きくえぐり出されてちょっと痛いです。でも、中で動いている間は、直腸の壁面をコリコリと擦られて、とても気持ち良いです。
「だ、誰かに、運んでも、もらいます、あんっ!あんあんっ!」
「簡単に言うけどなあ」
「仔犬の一人旅なんて聞いたことがことがないぜ」
「そ、それでも、行く、いくいくあああいっちゃうぅぅっ!」
私は考えが足りなかったようです。海という場所はとても大きな川みたいな場所で、歩いて渡ることも泳いで渡ることもできないそうです。二本足で立って歩いても渡れませんか、と聞くと、ゲラゲラと笑われてしまいました。とにかく、船に乗るか電車に乗るか、あるいは飛行機に乗るかしないと渡れないのだそうです。そして、それらの乗り物に仔犬が乗るには、飼い主がいないといけないのだそうです。
お二人は長距離トラックの運転手をしているというお友達に、私を紹介してくれました。ゲンさんというそのオジサンは、長い間飼っていた仔犬に死なれて、ここ二週間ほど寂しかったそうです。ですから私をトラックに乗せることには快くOKしてくれました。でもゲンさんは花巻という街までしかいかないそうです。
「こいつは名古屋だな。こっからだと随分と遠いな」
クリトリスにぶら下がったネームタグを見て、ゲンさんは苦い顔をしました。どうやらお家の住所が書かれていたみたいです。
「花巻からも遠いですか?」
「遠い遠い。歩いて行こうなんて考えるなよ」
「はい、分かりました」
そうは答えましたが、私は行くつもりでいました。海さえ渡ってしまえば、あとはどこまでだって歩いていけます。だって御主人様が待っているはずだから。私はどこまでだって歩いていけます。
私はゲンさんのトラックに乗って、花巻まで行きました。
ゲンさんはトラックを運転しながら、煙草という臭い煙の出る変なモノをたくさん吸います。ゲンさんの仔犬は灰皿なのだそうです。助手席に座って、「お手!」と命じられるたびに両の掌を挿し出し、その上で火のついた煙草を揉み消していただくのです。初めて灰皿をしたときにはあまりの熱さに悲鳴を上げてしまいました。
「バカ犬がっ!」
ゲンさんはもの凄く怒って、私の背を鞭で叩きました。
「車ん中だったら火事になるぞ!テメェ、俺を殺す気かっ!」
「す、済みません済みません済みませんっ!」
あまりに熱くて、私は手を振り回して煙草をどこかへ払い落としてしまったのです。練習として、車の外で灰皿をしたので火事にはなりませんでしたが、運転中では大変です。私は泣いて詫び、ちゃんと我慢できるようになるまで練習させていただきました。三本目くらいから、動かないでいられるようになりました。ようやくゲンさんは笑って、私の頭を撫でてくれました。
「よしよし。やればできるじゃないか。良い仔だなお前」
ゲンさんの声は太くて優しくて、私のオマンコはジュンと熱くなってしまいました。
ゲンさんは、道中灰皿だけでは寂しいだろう、とバイブレーターとアヌスプラグを買ってくれました。どちらもLLサイズのグロテスクな格好をしたもので、リモコンで操作するようになっていました。
ゲンさんはリモコンをどうにかして、トラックの回転計と連動させたそうです。それがどういう意味か、最初は分かりませんでしたが、エンジンが掛かるとすぐに分かりました。いきなり、オマンコの中でバイブレーターが暴れ出したのです。
「あうあうあうっ!」
「お、良い声で鳴くね。お手!」
「は、はいっ!あひっ!……っくぅぅぅ……あ、あああああぁぁぁあああっ!」
「あー、良い声だ良い声だ。そうら、飛ばすぞっ!」
「ひぃぃぃっっっ!あ、あ、あああ、あああっっっ!」
「なんだ、涎垂らしてるのか?飛びそうか?」
「は、はひっ!も、もうダメですぅっ!あああっ!」
「ようし気付けだ。お手!」
「え、あ、はいっ!……っっっくぅぅぅっっ!」
「よしよし、その調子だ。どうだ、灰皿は気持ち良いだろう?」
「は、はい……な、なんだか変な感じです、あ、ああぅぅぅっ!」
そんな感じで、函館まで行きました。
函館からはフェリーという大きな船にのりました。フェリーは人間や仔犬だけでなく、車も乗せられるのです。こんな大きな船が水に浮くなんて、私はびっくしりてしまいました。
フェリーでは、三等室という部屋に入りました。たくさんの人が一緒に寝る大きな部屋です。三等室にはトイレがなくて、仔犬がオシッコやウンチを食べて綺麗にするのだそうです。仔犬は、私の他に三匹いました。良子ちゃんとあやめちゃんと理香ちゃんです。でも、三等室にはずっと多くの人がいて、私たちはたくさんのオシッコやウンチを食べないといけませんでした。
「おい、犬!ウンコだ!」
「は、はいっ!」
呼ばれたらその人の所へ駆けていって、お口の上にお尻の穴を置いてもらいます。そしてでてきたそばからパクパク食べないといけません。床にこぼしたら汚いからです。
「こっちはションベンだ!早く来い!」
「おい、いつまで待たせるんだ?早くしないと漏れちまうじゃないか!」
こんな風に引っ張りだこだったので、途中から私たちは部屋の四隅に置かれ、オシッコはオマンコやお尻の穴で、ウンチだけお口でいただくことにしました。あんまり量が多いので、良子ちゃんは四回、あやめちゃんは六回、ウンチを海に吐きに行きました。私は二回しか行きませんでした。私は四匹の中で一番のお姉さんだったので、少しだけ平気だったのです。でも理香ちゃんは、途中でウンチを喉に詰まらせ、死んでしまいました。飼い主の人は凄く怒って、ウンチまみれの理香ちゃんを海に投げ捨ててしまいました。
いろいろありましたが、フェリーは無事に弘前という場所につきました。私は再びゲンさんのトラックの助手席に乗って、バイブレーターにあんあん鳴きながら、灰皿をさせていただきました。たった二日ほどなのに、花巻に着いたときには掌が真っ赤になって、這うことができなくなっていました。
ゲンさんは次の人を見つけてきてくれました。トミさんという人で、横浜という場所までいくそうです。トミさんは私を見るなり、イヤな顔をしました。
「まだガキじゃないか。一万は高いぜ」
「尻の穴は練れてるぜ?それにピアスだってほら」
ゲンさんが後ろから私の腿を押し開いてきました。私はネームタグが良く見えるように腰をできるだけ高く上げました。トミさんはタグを指で摘んで、また顔を顰めました。
「捨て犬か?まさか、盗んだんじゃないだろうな?」
「捨てられていたんだよ。ほら、名古屋だろ?そんなとこの犬が、どうしてこんなところにいる?」
私は、捨てられたんじゃありません、と言いたかったのですが、人の話に口を挟むほど悪い仔ではないので黙っていました。ゲンさんとトミさんはしばらく難しいことを話していましたが、やがてゲンさんがペンチを持ってきて、私のクリトリスを挟みました。
「ひぎっ!」
「おっと、済まん済まん」
ばちん、という衝撃がクリトリスに当たりました。私はクリトリスが切られたのかと思いましたが、そうではありませんでした。切られたのはネームタグです。それをゲンさんは投げ捨てて、トミさんに言いました。
「これで良いだろ?」
「まあ、しょうがないな」
トミさんは渋い顔でそういうと、お財布を取り出して一万円札をゲンさんに渡しました。
何が起きたのか、私はしばらく分かりませんでした。
ようやく理解できたのは、トミさんの車に乗せられてからでした。
「あ、あの……名古屋へは……」
「行かねぇよ。お前はもう、俺の犬だ。お前を捨てた薄情な飼い主のことなんて忘れちまえよ」
私は目の前が真っ暗になりました。どうしてこうなってしまったのでしょうか?私はただ、御主人様のところへ帰りたいだけなのに。どうしてトミさんは、こんな意地悪なことを言うのでしょう?
私は走っている車から飛び降りたかったのですが、できませんでした。そこは運転席の後ろにある狭い箱のような場所で、左右に窓はなく、しかも私はぐるぐるに縛られていたからです。
「逃げ出そうなんて思うなよ。お前の飼い主のことが分かるネームタグは、もうないんだからな。一匹でウロウロしていたら、すぐに保健所に狩られちまうからな」
保健所!
その言葉を聞いて、私の心臓は小指の頭ほどに縮こまってしまいました。そこは野良の仔犬を狩り集めて、殺してしまう場所です。それに、御主人様に見せていただいたお仕置きビデオは、保健所で作られていると聞きました。仔犬を良い仔にするためのビデオですが、悪い仔というのはそんなにいないのです。そこで、保健所に狩り集められた野良犬を悪い仔に見立てて、いっぱいいっぱいお仕置きするのです。御主人様は、ただ仔犬を殺すのではなく、良い仔をつくる役に立つのだから良いことだと言っていました。私もそうだと思っていたのですが、今になると恐くて恐くて仕方ありません。
トミさんはそれからは一言も口を聞かず、鼻歌を歌いながら車を運転していました。私はトイレに行きたくなって、何度もそう言いましたが、トミさんは車を止めてくれませんでした。それなのに、とうとうおもらししてしまうと、ものすごく怒るのです。
「それくらい我慢できないのか?このバカ犬がっ!」
車を止めたトミさんは、私を車の外に引きずり出すと、傍に立っていた木の枝に私を逆さに吊るし、ビシバシと鞭で叩きました。
「す、済みません、もうしませんっ!」
泣いて叫びましたが、許してくれませんでした。
そこは街の真ん中で、すぐに人が集まってきました。みんな、オシッコをおもらしした私を見て、クスクスと笑っています。逆さにされているからだけでなく、恥ずかしさで私は真っ赤になってしまいました。
やがてお巡りさんがやってきました。
「おいおい、こんなところでお仕置きするなよ。通行の邪魔になるだろう」
「ああ、良いところに来た!聞いて下さいよ、こいつ、俺の車の中でもらしやがったんですよ!」
「何、そいつは悪い仔だ。そりゃあお仕置きしないといけないな」
「俺、この街は良く知らなくて、思いっきりお仕置きできるところを知らないんです。どこか良いところはありませんか?」
「それならうちの署に来ると良い。犯罪者拷問用の地下室を使わせてやるよ」
トミさんは急いでいないのか、その日はその警察署の地下で一晩中私をお仕置きしてくれました。全身を鞭で打たれ、尻に烙印を入れられ、両手両足の爪を剥がされました。私は何度も何度も失神しましたが、そのたびに氷水を浴びせられ、眼を覚まさせていただきました。
翌日、警察でぐっすり眠ってから、トミさんは再び出発しました。私は包帯でぐるぐる巻きにされ、オシッコの穴にカテーテルを入れていただきました。こうすると、オシッコを我慢しなくても良いそうです。カテーテルの先は大きなポリタンクにつながっていて、これならいくらでもおしっこできそうです。トミさんのお仕置きはとても厳しかったけれど、優しいところもあるのだな、と思いました。
六
横浜につくまでに一ヶ月ほど掛かりました。トミさんが街に着くたびに、私を病院へ入れてくれたからです。おかげで、お仕置きの傷はすっかり癒えてしまいました。これでまた、お仕置きしていただくことができます。
でも、哀しいこともありました。剥がれた爪のところから毒が入って、両手両足を切断しなければならなかったことです。肘から先、膝から先を失ってしまいました。これではあまり早く歩けません。名古屋に行くのが難しくなってしまいました。
トミさんのお家には、私のように手足のない仔犬がたくさんいました。手足だけでなく、耳や目玉のない仔もいました。
「こいつらは虐待されてこんな風になってしまったんだ。酷いことをするよな、こんなに可愛いのに」
トミさんはニヤニヤしながらそう言いました。虐待というのは、お仕置きでないお仕置きのことです。悪い仔でもないのに痛いことをするのは虐待です。仔犬に虐待するなんて信じられないことです。
「ああ、酷いっていうのは、こんなにしておいて簡単に捨てちまうことだ。死ぬまで可愛がってやらなければ、仔犬が可哀想じゃないか、なあ?」
トミさんみたいな優しいヒトがいて、私たち仔犬はとても幸せです。
「こういう中古は安くて良いや。もし死んぢまっても、捨てるときに楽だしな」
トミさんは……中古の仔犬を買って下さるなんて、とてもとても、優しいヒトだと、思います……
***
トミさんのお気に入りは、カレンという赤毛の仔犬です。手足はありませんが、まだ耳も目もあります。トミさんは起きてくるなり、カレンちゃんを抱っこしてお風呂に入れているみたいです。でもカレンちゃんは頭が悪いのか、すごい声で泣き叫びます。お風呂に入れていただけると言うのに、どうしてあんなに泣くのでしょう。私にはとても理解できそうにありません。
そんなに悪い仔なのに、トミさんはいつもカレンちゃんを連れて歩いています。お風呂から出てくるなり、居間でお仕置きします。そして玄関に縛り付けてお仕事にでかけます。玄関はトイレなので、オシッコやウンチをしてはいけません。でもカレンちゃんは悪い仔なので、全然我慢を知りません。シャビシャビのウンチをして、それをさらにオシッコで薄めます。私たち他の仔犬が叱っても、ヘラヘラ笑っているだけで全然聞きません。どうやったらこんな悪い仔になるのでしょうか。それにトミさんもトミさんです。どうしてこんな悪い仔をあんなに可愛がるのでしょう。きっと優しすぎるのですね。
ある日、とうとう本当に怒ったトミさんは、カレンちゃんの右目にお仕置きしました。ボールペンを突き刺して、眼球を抉りだしたのです。カレンちゃんはトミさんの腕の中で、口から泡を吹いて痙攣しました。オシッコもウンチも、ダラダラ流して、とても汚かったです。なのにトミさんは嬉しそうに笑って、カレンちゃんに白いオシッコをたくさん飲ませていました。カレンちゃんはぐったりして、お礼も言いませんでした。本当に悪い仔です。おなじ仔犬として恥ずかしいくらいです。
翌日、カレンちゃんは冷たくなっていました。いくら呼び掛けても白目を向いたまま、目を覚ましません。身体もなんだか固くなっていて、まるで仔犬でなくなってしまったみたいです。トミさんは舌打ちすると、生ゴミの袋にカレンちゃんを入れて、ゴミ捨て場に持っていきました。カレンちゃんはもともと身体が小さい上に、手足はないし、昨日のお仕置きで首が変な風に曲がってしまったので、ゴミ袋に簡単に入ってしまいました。あんなに悪い仔だったのに、捨てられてしまうとちょっと可哀想な気がします。優しいヒトに拾われると良いな、と思いました。
***
ある日、トミさんは帰ってきませんでした。私たち仔犬は肩を寄せ合い、不安な夜を過ごしました。翌日になっても、さらに次の日になっても、トミさんは帰ってきませんでした。私たちはお腹が空いて死にそうでしたが、我慢しました。みんな手足がないので、外にでてもどこへもいけないのです。それに私は、トミさんにお仕置きされて右目が見えなくなっていました。なおさら、外になんて出て行けません。
四日目の朝、警察の人がやってきました。トミさんは死んでしまったそうです。よその家の仔犬に虐待しているところをみつかり、殺されてしまったそうです。私は嘘だと思いました。あんなに優しいトミさんが、虐待なんてするわけがありません。きっとその仔犬が嘘をついているのだと思います。悪いことをしてお仕置きされたのに、嘘をついているのです。
私はお巡りさんにそう言ったのですが、鼻で笑われてしまいました。そして、私の目を指して、それはどうしたんだ、と聞かれました。これは、私がトミさんを気持ち良くさせられなかったからお仕置きされたのです。でも、そう言ってもまた笑われそうだったので、黙っていました。私の他の仔も、みんな黙っていました。みんなトミさんが好きだったから、トミさんを悪く言うお巡りさんが嫌いになったのだと思います。
***
トミさんの寝室から、私たちの知らない仔犬が二匹、発見されました。この仔たちは手足はありましたが、目が二つとも潰れていました。きっとトミさんが可哀想に思って拾ってきたのでしょう。でもお巡りさんは、これもトミさんがやったのだと言います。こうして余所の仔犬をわざと傷つけて、飼う気のなくなった飼い主から安く譲り受けていたのだと言います。その証拠に、と、お巡りさんは二人の手足を見せてくれました。どちらも肘や膝の上で凧糸で縛られ、その先は今にもポロリと取れてしまいそうなほど腐っていました。そんなことはありません。あるわけがないのです。あの優しいトミさんが、そんな酷いことをするはずがありません。トミさんは悪いことをした仔にだけ、お仕置きをしていました。ですから、寝室から見つかった二匹の仔犬は、きっともの凄く悪いことをしたのでしょう。だからトミさんは、お仕置きとして手足を切り落とそうとしていたのだと思います。
私は、お巡りさんに抱っこされた二匹の仔犬が、とても憎らしく思えました。もちろん、嫉妬や恨み、憎しみなんていう感情は悪い仔のものです。でも、本当に悪いのは嘘をついている仔です。お仕置きされるのがイヤで、あんなに優しいトミさんを悪く言うなんて、本当に信じられないほどの悪い仔です。同じ仔犬として、とても許せません。
***
私たちは警察から、保健所へ移されました。ここで競売に掛けられて、もし買い手がなければ、お仕置きビデオに出演させられて、殺されてしまうのだそうです。保健所へは、トミさんのことを悪く言った仔も入りました。トミさんが殺されるきっかけになった仔も一緒です。あの仔たちは悪い仔だから、真っ先にお仕置きビデオに出されて、すぐに殺されてしまうでしょう。良い気味です。
***
私は、最初の競売で買っていただくことができました。買って下さったのはサーカス団の団長さんでした。ゆで卵のような体型の、笑顔の素敵な人でした。
団長さんが最初にしたことは、私の左目を潰すことでした。何も悪いことをした覚えがなかったのでビックリしましたが、お仕事に必要なことだというので、恐いけれど我慢しました。
団長さんはトミさんよりも優しくて、目を瞑っているように言ってくれました。トミさんは千枚通しで右目を突くまで、絶対に目を閉じるなと言いました。閉じたら二つとも潰すぞ、というので、私は一生懸命開けていました。点のように見える針が近づいてくるのはもの凄く恐かったけれど、二つとも潰されたらもし御主人様に会えたとしてもお顔を見ることができないと思って、必死に開けていました。お陰でその時は左目は助かりましたが、結局潰されることになってしまいました。哀しかったけれど、お仕事では仕方がありません。
でも、瞼は閉じないで刺していただきました。目が見えなくなるのは仕方がありません。ですが、なるべく傷は少なくしておきたかったのです。幸い、顔にはまだ目立つ怪我はありませんでしたから、綺麗なままでいたかったのです。
両目が見えなくなった私は、オチンチンの識別という芸を仕込まれました。お尻の穴に入れられたり、オマンコに入れられたオチンチンを、お口で識別するという芸です。同じ穴であれば間違えることはないのですが、お尻の穴とお口とか、オマンコとお口とか、そう言う風にされると戸惑いました。お尻の穴は太さくらいしか分かりません。オマンコは曲がり具合やコブコブまで分かりますが、お口に含んだときよりも小さく感じます。
だから、始めてすぐは間違えてばかりいました。そのたびに団長さんは鞭でお尻を打ってくれました。お尻の皮がマスクメロンのようになってしまいましたが、お陰で芸を覚えることができました。
私の芸は決して花形ではありませんでしたが、それなりの評価は受けたようです。興業の間中、朝晩二回の上演で、私は三番目に出演します。団長さんに連れられて広場のような所に出たあと、舞台に上ります。目が見えない上に手足が途中までしかないですから、どうしても歩みは鈍く、いろんなものにぶつかります。団長さんもわざと、私が何かに当たるように引いて歩きます。私が思いっきり何かにぶつかり、それをバラバラ崩したりすると、お客様はゲラゲラ笑いました。そして団長さんは、ヘマをした私をビシバシ鞭で叩くのです。初めはそれが辛くて辛くて仕方ありませんでしたが、次第に気にならなくなりました。いえ、むしろ気持ち良くさえなりました。
サーカスにはいろいろな芸があります。残念ながら私は見ることはできませんが、お客様が驚く芸や、感心する芸、大笑いする芸の三つがあるようです。そして驚かせるための芸はよりいっぱい驚かせたら、感心させる芸はよりいっぱい感心させたら、成功です。笑わせるための芸はもちろん、より多くの笑いをもらえたら成功なのです。私の芸は笑わせる芸で、そういう意味では良く笑ってもらえました。その喜びが分かってくると、出番が待ち遠しくなってくるから不思議です。
そうしてあちこちにぶつかりながら、団長さんに打たれたり蹴られたりしながら、ようやく舞台に上がると、お客様の中から希望者を募ります。もちろん、オチンチン識別芸に出演していただく方をです。そうして六人ほど選んでいただいて、うち二人にお尻の穴とオマンコにいれていただきます。前と後ろを順番に、ちゃんと白いドロドロのオシッコが出るまで使っていただきます。その後、他の仔犬も協力して大きくされたオチンチンを、六人分おしゃぶりするのです。六人全員の白いオシッコをいただいたら、どのオチンチンがお尻に入れていただいたものか、どのオチンチンがオマンコに入れていただいたものか、言い当てるのです。この芸は、本当はオチンチンの形で当てているのですが、お客様には白いオシッコの味で当てているように思っていただいています。お尻の穴やオマンコでは味は分かりませんから、本当は嘘なのですが、適当に味のことを言うと、信用されます。もちろん、ちゃんと合っていなければどうにもなりませんが。
きちんと合っていれば、今度はお客様に感心していただけます。会場がどうっと湧いて、拍手が雨のように降ってくると、私はとても幸せになります。この時は、決して笑われてはいけません。思いっきり笑われたあと、思いっきり褒めてもらえるので、ただ褒められるだけよりもずっとずっと良い気持ちになるのです。
七
私の芸は思いの外好評で、最初は裸でしていたのに、途中から服を着させていただけることになりました。着心地の良いセーラー服です。自分で見ることはできませんが、サーカスのみんなもお客様も、可愛いといってくれるので、きっと可愛いのでしょう。そんな可愛い服を着せていただけるなんて、私はなんと幸せなのでしょうか。
尻尾も作っていただきました。私の髪の毛で作った、フサフサの尻尾です。膝から下がないので長さはありませんが、その代わり二つ折りにしてあり、とても太いモノです。出演するときは、これを誇らしげに左右に振って、そして思いっきりバケツの山やテントの柱に頭をぶつけるのです。手足のない、目も見えない不良品の仔犬が、派手な尻尾を誇らしげにして歩いているのも滑稽でしょうが、それが思いっきりヘマをすると余計に滑稽です。お客様には前以上に笑っていただけるようになりました。
オチンチン識別は百発百中です。一つも外しません。白いオシッコの味も、少し甘いとか苦いとかだけでなく、喉越しが良いとか後味が爽やかとか、お客様によろこんでいただける言葉を言えるようになりました。オチンチンの形の方であればもっと細かく言えるのに、それだけが残念といえば残念です。
***
サーカス団は日本中をあちこち回ります。風景の変化は見ることができませんが、風の匂いや言葉の訛り、餌として出される食べ物の味付けなどで、土地の違いを知ることができます。私は目が見えない分、一生懸命外の様子を知ろうとしました。お陰で、一度行った場所は必ず分かるようになりました。そういうところでは、一年前に私にオチンチンをしゃぶらせてくれたお客様が、もう一度やってきてくれることがあったりします。たとえお尻やオマンコに入れられなくても、そのことを言えば、当人も喜んでくれますし他のお客様も拍手をしてくれます。そんなとき、私は仔犬に生まれて良かったなあ、と思います。
確かに、辛いことはたくさんありました。痛いこともたくさんありました。でも、私のことを覚えている人がいる、私のすることに期待を寄せてくれる人がいる、そういう人と出会うことができたのも、それは全て私が仔犬だったからです。もし生まれ変われるとしたら、やはり私は仔犬になりたいです。もう一度仔犬に生まれて、そして……
そして、今度こそ……
***
いつものように笑われながら舞台に上がった私は、ふと奇妙な思いに囚われました。そこがとても懐かしい場所に思われたのです。
でも、そんなはずはないのです。天白という場所は、初めて興行する場所なのです。ここには私を贔屓にしてくれるお客様も、私の食べ馴れた餌もありません。実際、舞台の上に上がるまで、少しも懐かしい気持ちなんてしませんでした。初めての場所と言うことで、他の団員と同じように、とても緊張していたはずです。
でも、何故でしょうか。
とても、とても懐かしい気持ちがします。
あまりに懐かしいので、オマンコがじゅんと濡れてしまったほどです。
見えない目に涙が浮き、お化粧をした頬をポロポロと転がって落ちていきます。
「お、おい、大丈夫か?」
団長さんが心配そうに小声で訊ねてくれました。私は無理に微笑んで、肯きました。
「はい、大丈夫です……始めて下さい」
団長さんはなおも心配そうでしたが、立ち上がったときにはまたにこやかな声になっていました。
「さあさあ、ようやくここへ辿り着きました、こののろまなバカ犬は、あまりに物覚えが酷くて両目も手足も潰されてしまった曰く付きのバカ犬です。本来なら皆様にお見せすることすら失礼に当たるのですが、実はこのバカ犬、たった一つだけ特技をもっておりまして、なんとお尻やオマンコに入れたオチンチンを、お口で見分けることができるのです!どうやるのかですって?簡単です。お尻の穴か、前の穴かに、精液を入れていただければそれだけでOK!あとはお口で御奉仕させていただいて、精液を飲ませていただければ百発百中!……おや、信じていませんね?そんなことできるはずがない、そうおっしゃるのですね。ええ、ええ、分かっています。皆様そうおっしゃられるのです。そうでしょうとも、こんな頭の悪そうな仔犬に、そんな芸当ができるとはとうてい思えませんね。私も最初はそう思いました。しかし、しかしですよ!
このバカ犬は、実は最初、当サーカス団のトイレ用に購入したもので、いや何しろこの通り不良品でしてね、実に安かったのですわ。それが、どうです?お尻に入れても、オマンコに入れても、苦ぁいとか、しょっぱいとか、ぶつぶつ文句を言うではありませんか。
もちろん最初は信じませんでした。ええ、私だってこんなバカ犬に、そんな能力があるなんて思いません。まさか、お尻の穴やオマンコに、口と同じような味覚があるなんて、ねえ?……でも、これがまさかまさかの大まさか。ホントに味が分かるんですよこのバカ犬は。きっとそんな変な犬だから、こんなバカになったんでしょう。何しろ……」
「能書きはもう良いぞぉ!早くやらせろぉ!」「そうだそうだ!見ろ、泣いてるじゃないかよ、そいつ!」
会場がドッと湧きました。団長がハッと振り向くのが分かりました。段取りでは、団長さんの口上が終わるまで私はヘラヘラと笑っていなければならなかったのです。そうして笑っていれば、よりバカな犬に見えるからです。でも私は、どうしようもなく懐かしさが込み上げてきて、ポロポロ涙をこぼし続けていたのでした。きっとお化粧も台無しになっていたと思います。
それはともかく、芸の流れを元に戻さないといけません。私はその場にぴょこんとおすわりして、舌を出してマイクを要求しました。
「お、バカ犬の方から何か言いたいことがあるようです。済みませんが聞いてやって下さい。そら」
「もう私、待ち切れませぇん!団長さんが意地悪するから、涙出て来ちゃった!早く美味しい美味しい白いオシッコを入れてぇ!はぁはぁはぁ……」
ドッと会場が湧きました。団長さんがホッとしたのが分かります。
「全く、堪え性のない仔犬で済みません。それではどなたか、この淫乱なバカ犬に精液を恵んで下さる方はいらっしゃいませんか?はい、そちらの貴方。そこの貴方も。ええ、大丈夫ですよ、見ての通り、こいつは淫乱だから一度に五、六本飲ませないといけないんですよ。それに、他にこんな賢そうな仔犬も用意しました。バカ犬の尻やオマンコに入れない方は、こっちの仔犬で一回抜いていただきます。再チャージの時間で分かるとか、そういうのではないことを示さないといけませんからね。さあ、どうです、どうです?はい、そこの貴方、貴方です!どうぞ前の方へ、ささ、どうぞどうぞ。それから……そう、そこのボク!もしかして仔犬と遊ぶのは初めてかな?違う?あ、それはパパの仔犬じゃなくて君のモノかい?良いねえ賢そうで。でも良いのかい、こっちのはバカ犬だよ?良い?本当に良いんだね?いやあ、優しいお坊ちゃんだ。さあ、皆さん拍手拍手!」
こうして六人のお客様が舞台の上に上がってきました。私はまた、胸がキュゥンとなりました。懐かしい感じが強くなったのです。そう、この感じは……
びしっ!
いきなりお尻を鞭で叩かれました。
「こら!聞こえないのか!早くお客様にお尻をお向けしろ!」
もうお尻に入れる方が決まったようです。私は慌てて、お尻を持ち上げました。すぐに尻尾が抜かれ、お客様が入ってきました。これは違います。これは、あの感じとは違います……
「おや、随分と嬉しそうな顔をしますな」
知らない人の声がします。私はどうやら、笑っていたようです。舌を出していたせいか、団長がマイクを近づけてくる気配があります。私は、言ってしまいたい言葉がありました。たった一つだけ、どうしても言いたい言葉が……でも、お仕事の間は、言えません。バカ犬は、役の上だけです。私は決して、悪い仔ではありません。私は、私は……
「はぁはぁはぁはぁ……」
「おっと、相当興奮していますねえ。よほどお客様のオチンチンが気持ち良いようだ」
「そ、そうかね?嬉しいなあ」
お客様の動きが早まりました。そしてほどなくフィニッシュ。私は早く確かめたくて、ごろんと仰向けになりました。
「おやおや、もう次をおねだりかい?全く困った仔だ」
団長さんの声の方に、私は顔を向けました。本当にバカな仔のように、ニヤニヤしているのが自分でも分かります。これは芸ではなくて、ただ本当に懐かしくて嬉しくて、顔が自然に弛んでいるだけです。まだ確かめたわけでもないのに、確信がありました。この匂い、この気配……間違いありません。私ははやくオチンチンが欲しくて、くぅぅんくぅぅんと鳴いてしまいました。
オマンコにオチンチンが入ってきました。とても変な形をしていて、何やらゴツゴツしています。真珠というモノでしょうか?オマンコの壁に当たるとコリコリして、頭が真っ白になってしまいます。
「あはぁんっ!」
ドッと会場中が笑いました。ひょっとして私の顔が、バックスクリーンに大写しになっているのでしょうか?少し恥ずかしくなりましたが、もう止められません。私は目一杯バカそうな顔を作って、思いっきりよがりました。
「いやぁん、へんになっちゃうぅぅっ!」
またお客様が笑いました。そしてフィニッシュ。白いオシッコの生暖かい感触が、お腹の中に広がります。
「さあ、他の皆様は準備整いましたか?ちゃんとおしぼりで拭いて下さいよ。ウンチの味やエッチな汁の味で分かるのではないですからね。さあ、よろしいですか?では、そちらに並んで下さい。おい、いつまで寝ているんだ?さっさと起きて、お客様のオチンチンをしゃぶらせていただかないか!」
団長さんの鞭に追い立てられ、私は慌てて身を起こしました。そして手探りで、一番端のお客様に辿り着きます。団長さんの手を借りて身を起こし、まだ半固のおちんちんをお口に含みました。
ちゅぷちゅぷちゅぷ……
どぷっ!
少し味の薄い白いオシッコが、喉の奥に射精されました。違います。これではありません。慌てて二人目に移動して、オチンチンをいただきます。
ちゅぷちゅぷちゅぷ……
どぷんっ!
前よりも濃い味がします。が、少し臭みが強いです。これでもありません。
三人目……
ネバネバが強いです。これではありません。
四人目……
なんだかザラザラしています。これでもありません。
五人目……六人目……
あっと思いました。
これです!この舌触りです。この香り、この味です。この喉越しです!
「さあ、バカ犬の回答を聞きましょう」
団長さんがマイクを向けてきました。私は目一杯尻尾を振って、
「お尻の穴に入れてくれたのは、甘くて飲みやすかったので、五人目の人です。オマンコに入れてくれたのは、香味が強くて喉越しが良かったので、二人目の人です」
ハッキリ答えました。会場から拍手が起こりました。どうやらちゃんと答えられたようです。私はほっとしました。
「それから・・・」
私は、自分の口が勝手に動くのを感じました。会場がしん、と静まります。マイクが口の傍にあって、独り言を拾われてしまったようです。団長さんが慌てる様子が感じられます。私は、早口に言いました。
「それから、六人目の人は私の御主人様ですっ!」
「な、何を言い出すんだ、このバカ犬は……」
「だって、だってだって、本当なんです!私が最初に、生まれてから一番最初におしゃぶりしたオチンチンだもの!一番最初に飲んだ精液だもの!本当です!」
私は六人目のお客様がいる辺りに向かって突進しました。太い腕が、私を抱き留めてくれました。ひょいっと抱き上げられました。大きな手が、私の髪を撫でてくれました。
「覚えていてくれたのか、愛美」
耳元で、懐かしい声が聞こえました。それだけで、私のオマンコがキュンと締まりました。
「御主人様、会いたかったです!愛美は、愛美は……」
私は御主人様の肩に顔を載せて、わんわんと泣きました。ようやくお会いできました。もう会えないと、何度も何度も思いました。それでも、いつもいつも御主人様のことを想っていました。いつか必ず会えるんだと、そればかりを胸に唱えていました。
「あの……これはどういう……」
面食らった団長が、私たちにマイクを向けてきたようです。御主人様がそちらに身体を向けて、言いました。
「この仔は、数年前に私が捨てた仔犬です。ずっと遠くまで行って捨ててきたのに、どういうわけかまた私の所まで戻ってきてしまいました。先程までは、良く似た仔犬だな、と思っていたのですが、本人が言うのだから間違いないでしょう。これは、私の愛美です」
「そ、そうですか……」
静まり返っていた会場から、ぱらぱらと拍手が起こりました。やがてそれは潮のように大きくなり、テントが震えるほどになりました。団長さんがやけっぱちに叫ぶのが聞こえました。
「捨て犬と飼い主様の感動のご対面です!祝福の拍手をありがとう!ありがとう!」
***
御主人様は私を買い取ってくれました。団長さんは相当渋ったみたいですが、最後には折れてくれました。それに、無事だった左目を潰したお詫びだといって、とても安くしてくれたそうです。御主人様は相場の値段を払うと言ったそうですが、どうしても受け取ってくれなかったそうです。
御主人様は二匹の仔犬を飼っていました。どちらもペットショップで買った血統書付きの仔犬だそうです。まだまだ幼いそうですが、お尻は使えるそうで、とても可愛い声で鳴きます。
「この仔は愛美といって、お前たちのお姉さんにあたる仔だよ」
御主人様は私をそう言って紹介してくれました。祥子ちゃんと愛子ちゃんは、私の頬をペロペロしてくれました。
手足のない私は、居間の飾り棚で飼われることになりました。自分では見えませんが、綺麗なドレスも着せてくれました。そしてお客様をお迎えするときは、サーカスで覚えた芸を披露して楽しんでもらうのです。
御主人様は今は祥子ちゃんと愛子ちゃんの調教に力を入れていて、私はあまり構ってもらえません。それでも、週に一回は私に白いオシッコを飲ませてくれます。
ある日、御主人様にお尻の穴を使っていただいたあとで、思い切って訊ねてみました。どうしても聞きたくて、それでいて恐いような気がして、それまで聞けなかったことです。どうしてあの時、私を捨てたのですか、と……
御主人様はこう答えました。
「あの時は、お前に飽きていたんだ。お前だけじゃなくて、どんな仔犬でも飽きたら捨ててしまっていた。まさか、私のことを覚えていて、戻ってくる仔犬がいるとは思っていなかったからね」
私は御主人様のオチンチンを口に含みました。御主人様は言葉を続けます。
「今までは、従順すぎる仔はつまらないと思っていた。何をしても喜ぶし、何をしてもきちんとこなすし。お仕置きすることなんて何もないから、こんなにつまらない玩具はないと思っていた」
私は黙っておしゃぶりを続けました。いまでも私は、つまらない仔犬なのでしょうか。久しぶりだったから構ってもらえているのでしょうか?そのうちまた、捨てられてしまうのでしょうか。
「でも、あの時お前に『私の御主人様です』と叫ばれて、考えが変わったよ。仔犬というのは可愛いな。あんなに酷い仕打ちをしても、私のことを御主人様と呼んでくれる。こんな可愛い生き物を、どうして捨てたりしたんだろう、ってね」
白いオシッコが、どぷどぷっとお口の中に溢れました。私はそれをコクコクと飲み下しました。
「なんだ、泣いているのか?何を泣いているんだ?愛美は泣き虫だなあ」
御主人様は笑いながら、私の髪を撫でてくれました。
ああ、御主人様。優しい御主人様。
私は御主人様に飼われて、とても幸せです。
捨てられたことも、今では感謝しています。
辛いことはたくさんありました。恐いこともたくさんありました。手足も失い、目も見えなくなりました。
それでも、もし捨てられていなければ、こうしてただ髪を撫でていただけることの幸せは分からずにいたかも知れません。私は頭が悪いからうまく言うことができませんが、これはとてもとても幸せなことなのだと、分かります。
今なら心から言うことができます。
私は、御主人様に飼われる仔犬であることを、心から誇りに思います。
***
私は仔犬です。名前は愛美です。
一番大好きなモノは、御主人様の優しい声です。あのお声で名前を呼ばれるだけで、胸の奥が暖かくなります。
私は手足がありません。両目も潰れていて見えません。でも、お口やオマンコやお尻の穴で、御主人様に御奉仕させていただいています。こうして目が見えないと、その分御主人様の匂いやお声に敏感になって、以前よりもたくさん御主人様を感じられます。本当はいけないことですが、そのことで祥子ちゃんや愛子ちゃんに優越感を感じています。あの仔たちは御主人様の匂いに包まれる幸せに、まだ気づいていません。御主人様に声を掛けていただける喜びを知らずにいます。あの仔たちもいつか気づくようになるかも知れませんし、あるいは一生気づかないかも知れません。
でも、私は知っています。身体に欠けているところは多いけれど、その分だけ、私は御主人様のことを良く知ることができました。
御主人様のことを一番愛しているのは、私だと思います。
私は今、とっても幸せです。
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