ブルーアリス
(1)調教師 工藤陽一郎登場
私の名前は工藤陽一郎。女犬の調教師である。昨今、女犬のエセ調教師を名乗る者の数は多いが、私は正真正銘、本物の調教師である。これまでに調教してきた女犬は軽く五百匹を超す。失敗例は無い。
私は女犬調教の天才である。いかなプライドの高いワガママなインテリ娘であろうと、慎み深い深窓の令嬢であろうと、高慢チキで元気のいい不良のジャジャ馬であろうと、マヌケ顔からヨダレを垂らしながら主人の足元にまとわりつく、可愛い女犬にしてみせよう。
今回の依頼は、某資産家が最近購入したという女犬の調教である。深夜、約束の時間に私の事務所へ、彼女は大男に抱えられてやってきた。付き添ってきた老婦人が挨拶をする。
「私はこの女犬の主人から、世話を任されている者です」
女犬を抱えてきたのは運転手らしい。彼は女犬を壁のバーに繋ぐ。女犬は騒げないように、ポールギャグを噛まされていた。手足も縛られている。フリルのたくさん付いた、可愛らしいピンクの少女犬用ワンピースドレスを着せられている。見栄坊の飼い主が女犬に着せたがる高級品だが、彼女のスポーティなルックスには全く似合っていない。
「この娘が工藤先生に調教をお願いしたい女犬です。名前は理恵と申します。これ、理恵。ご挨拶なさい」
理恵は怯えた風も見せず、ギャグを噛まされた顔をこちらに向け、恐い目で睨むだけで命令に従うそぶりはみせない。これはかなり気丈な娘だ。
「ご覧の通りなのです、先生。アバズレ犬もいい所でして・・・。もう私たちの手には負えないのです」
老婦人がため息混じりに言う。老婦人は私と調教の打ち合わせを済ませると、運転手に付き添われて帰っていった。
本名、桜木理恵子。一七歳。犬名はなし。通称、理恵。
一ヶ月前、彼女は資産家宅に、大切な取引相手の夜の相手をさせられるために買われて来た。いわゆる娼婦犬である。資産家は理恵が大のお気に入りなので、自身が彼女に挑むこともあるだろう。場合によっては、愛人犬にされるやもしれぬ。
理恵が通っていた中学校の理事長は、今回の依頼者である資産家が務めている。彼女は中学校在学時代から学園で評判の美人だったので、目を付けられていたらしい。
高校一年生の時に女犬化したのを発見された彼女は、当初実家で飼われていた。資産家はその情報をキャッチすると、経営する外国のカジノで、タレント犬として活躍させると両親を説得し、理恵の運命は決まった。実際に彼女を待っていたのは、娼婦犬としての調教の毎日だった。
ところが、資産家に引き取られて一ヶ月も経つというのに、一向、彼女の調教は進まない。基本的な犬の所作さえ身に付かぬという。両親を騙され、娼婦犬にされたことがよほど悔しいのだろう。一切の調教を受けつけず、かなりきつい仕置きも受けたそうだが、肌を痛めるばかりで反抗の度は増す一方だという。業を煮やした資産家が、私に白羽の矢を立てたという訳だ。
(2)美少女犬、理恵
私は理恵の身体を軽く撫でながら観察した。
身長はとても高く、一七五センチは楽にある。ボディは針金のように細く、華奢だ。それでいて胸と尻は肉付きがとても良い。病的と思える程に痩せているが、肌の艶は健康そのものの桃色をしている。よく若い娘は無茶なダイエットをするが、この娘の場合は元々の体質なのだろう。顔は小作りで小さい。前後の足も棒のように華奢で、スラリと長い。特に後足の長さは一メートル近いのではないか。生身の生き物というより、作り物の人形のような印象である。本当に内臓が詰まっているのかと、中を調べてみたくなるボディである。
苦しそうにしている口からギャグを外してやると、美しい顔があらわれた。髪の毛はボリューム感タップリのショートボブ。ピアスの跡もない桜貝のような耳。パッチリとした濃い印象の真ン丸い眼。長く濃い睫毛。細く薄く整えられた眉。身体の細さとは対照的なふっくらとした頬。少し硬質で艶のある細く高い鼻。肉厚の上唇と薄い下唇がセットになった形の良い口。
顔の輪郭は真ん丸で、まぎれもない美形だ。この小さな丸顔が、後足の長いスラッとした長身のボディにチョコンと乗っかっている。健康で快活で活動的な犬娘だ。
さすが資産家の眼鏡にかない、買い入れられた女犬だけあって、ルックスはモデル並に美しい。しかし態度の方は大いに問題があるようだ。調教師という、おそらく彼女にとっては「不倶戴天の敵」ともいえる男の元に連れて来られたというのに、さっきから少しも怯えを見せず、ふてぶてしく振舞っている。これは相当に強い精神力を持っている。
何よりも、理恵の眼はとても強い意思の光を放っている。意地でも屈服するものかという意思が直接、眼からほとばしっているようだ。
「こんにちは、理恵。ご機嫌はいかがかね?」
私は声をかけた。ギャグを外されているのに、何も言わず、その代わりにジロりと睨みつけてくる。私は彼女を拘束しているロープを解いて、手足を自由にし、壁のバーからも外してやった。
身体が自由になった理恵は勝気な眼で、真正面から睨んでくる。私は彼女を軽く睨み返した。ほんの五秒ほど睨み合っただろうか。彼女は驚いたように目を背けた。「こんなはずじゃない」、と、あきらかに狼狽している。
気を取り直したのか、もう一度こちらを睨みつけてくる。こちらも又、軽く睨み返す。「これはなんなの?」。今度も五秒ほどで彼女は表情を強張らせ、眼を逸らす。それが何かは解らないだろうが、私の眼が普通の眼では無い事に気がついたようだ。
私はロープで縛られて鬱血した前足の縄痕を、そっとマッサージしてやる。理恵は最初、反射的に前足をサッと引っ込めた。しかし私が視線を向けると、睨まれると思ったのか、怯えたように前足を委ねてきた。
(3)一睨み、メス犬調教
二度の睨み合いで、明らかに理恵は私の「眼の力」に気がついた。決して私と視線を合わせようとしない。しかし、それがどういう力なのかはまだ解っていないだろう。私はお構いなしにマッサージを続けてやる。
「犬の生活はどうかね?」
私は聞いた。理恵は眼を背けながら、
「知りません。あなたにそんな、下司なことを聞かれる筋合いはないわ」
と生意気な口をきく。心なしか威勢が弱い。腰が逃げている。
私はマッサージの力を急に強めた。理恵は途端に怯えを露わにする。
「痛いわ。あの、あの、いた、いたいのよ・・」
私はわざと視線を逸らし、そっぽを向きながら言う。
「私に生意気な口を利くときには、折檻を覚悟してからにしなさい」
「せ、折檻なんか、私、恐くないわ。いくらでも、したければすれば・・あ、ああ、あああ!」
理恵は食ってかかって言い返し、不用意に視線を私に向けた。その視線を私は捕らえた。彼女の反抗の言葉は途中で途切れた。私は理恵を睨みつける。先ほどのような軽い睨みつけではない。強い視線で私は睨みつけた。私に視線を捕らえられた女犬は、自分から逸らすことは出来ない。彼女は私の視線に射すくめられた。
「生意気な口を利いたことを、謝るかね?」
私はわざと優しい口調で言い聞かせるように言う。睨みつけられたままの理恵は怯えて震えている。視線を逸らしたくとも、逸らすことが出来ない。眼も閉じれない。自分の身体が自由にならず、何が起きているのか理解できないでいるようだ。理解をさせる前に、私は現実を受け入れさせることにした。
「土下座するのだよ、理恵。二度と生意気な口は利かず、服従しますと、額を床に擦りつけて誓いなさい」
「あ、あ、あ・・」
彼女はかろうじて顔を左右に振って拒否の意を示す。だが視線は外せない。私は睨みつけに更なる力を込めた。
「ヒイイ・・、恐い・・」
明らかに理恵は恐怖にかられている。私は再度命令した。
「額を床に擦りつけて、生意気はもう言わず、服従すると誓いなさい。そうしたら解放してあげる」
「あ、あ、ちか、ちか、ちかい・・誓います。誓います。誓いますか・・ら・・、もう睨むのはやめてください」
私の睨み付けで、理恵は屈服した。
私は理恵を解放してやることにした。視線を外してやると、クタリと床に尻をついた。理恵は思わぬ展開に一人で怯えている。まさか睨まれただけで屈服させられるなど、考えもしなかったのだろう。
「さ、してごらん」
促がされ、理恵はノロノロとオデコを床に下げていく。途中で動きが止まった。一ヶ月もの長い間頑張ってきた反抗が、私の一睨みで水泡に帰そうとしているのだ。それは中々屈服しきれないだろう。私は動きを止めた理恵に追い討ちをかけた。アゴに手をかけ、こちらを向かせ、もう一睨みしてやる。
「あ、ああ、怖い・・。誓います。誓いますから、お願い、怖い眼で私をみないで」
「よろしい。続けなさい」
私はすぐに許してやり、彼女は土下座の格好になった。
「オデコを床にギュッ、ギュッ、ギュッと擦りつけながら誓いの言葉を口にしなさい。それが女犬の服従の仕方なのだよ」
理恵はぎこちなく言われた通り、床にオデコを擦りつける。しかし誓いの言葉はいつまでたっても出てこない。
「理恵、いい仔だから私に服従を誓ってごらん。私は、本当のお前は素直ないい仔だと思っている。なのにこれだけ反抗をするのは、お前のご主人が酷いことをしたからだろう」
理恵の動きが止まった。
「ご両親がだまされて、実家から離されたのだろう。それは酷い仕打ちだ。同情するよ。可哀想に、こんな傷まで付けられて」
ワンピースドレスの肩口から背中に、治りかけの生々しい傷跡が覗いている。逆らって、仕置きされた痕だ。
「騙して連れてこられ、こんな傷がつくようなことをされて、それで素直になれと言われても、そんな命令は素直にはきけまい。可哀想に、これまで辛かっただろうね」
私は心底、理恵が可哀想だった。理恵が意地を張るのも無理は無いのだ。ただでさえ女犬は、自分が女犬になるのは不当だと考えたがる。加えてこんな追い討ちをかけるように理不尽な目に会わせれば、誰だって怒り狂って当たり前である。
私は、ヒョロ長い身体を折りたたんで土下座したまま、動きを止めている理恵の頭を撫でてやった。顔が隠れて見えないが、グスッ、グスッとしゃくりあげる音が聞こえてくる。どうやら彼女はすすり泣きを始めたようだ。
「さ、理恵。続きだ。オデコを擦りつけて、もう二度と生意気は言わないで、服従することを誓いなさい」
私が心底同情していることを理解し、理恵の心はほぐれたようだ。理恵は命令どおりの行動を取った。はっきりとした口調で服従を誓った。
(4)眼力(めじから)のひみつ
私は理恵の身体を起こしてやると、ワンピースドレスを脱がしにかかった。
「あ、そんな・・いやです、脱がさないで・・」
先ほどとはうって変わって、弱々しい抵抗である。
「ダメだよ理恵。すべて脱ぐんだ。お前の精悍な肢体に、こんなフリルの服は似合わない」
私はドレスを脱がせ下着姿にした。すでに屈服させているので、抵抗らしい抵抗は見せない。高級品の全カップブラのホックを外してやる。緩んだカップを前足で押さえ、胸の露出を隠そうとする。それには構わずパンティに手をかける。
ブラに気を取られていた理恵の虚をつき、膝小僧まで一気に下げてやる。取られまいと、長い足を折りたたんで抵抗する可愛い理恵。前足でパンティを掴もうとするが、麻痺した指でそれはかなわない。足首からそっとパンティを抜いて、丸はだかにした。すると、彼女は私の身体にすがってきた。甘えるように前足でしっかりと私の身体を抱きしめて離さない。顔をクシャクシャにして、幼な子のように泣き出した。
私も理恵の身体を優しく抱きしめてやる。そして頭から肩、背中までをそっと撫でながら、
「よしよし、いい仔だね。もう何も心配することはないのだよ」
と、一生懸命に言い聞かせてやる。
私はすでに確信していた。理恵は決して、ものわかりの悪い女犬ではないのだ。あの運転手の男と老婦人に連れて来られた当初から、理恵の眼には反抗の炎がメラメラと燃え上がっていたが、その裏側にある女犬特有の服従を求める色が、チラチラと見え隠れしていたのを、女犬調教の天才である私は見逃さなかった。
理恵は、卑怯千万な手段で両親と生き別れにされ、女犬調教のイロハも知らぬ輩に厳しいだけの調教モドキをされ、怒り狂っていただけなのだ。私はそのことを良く理解していると理恵に伝えた。理恵は涙をポロポロと流し、私に抱き付く力を更に強めてきた。もう身も世も無いといった風に、全力で抱きついてくる。私も愛情を込めて、私の1/3程しかない細いボディを抱きしめ、愛撫してやる。
理恵は、寂しくて心細くて、頼れる人が誰もいなくて、それで精一杯突っ張っていたと告白した。女犬と診断された時は、それはショックだったが、それでも両親に励まされて、人間に可愛がられる犬になろうと決意していたという。もう絶対に人間には戻れないのだから、犬なりに前向に生きていこうと、心の整理はついていたと、涙を流しながら私に告白した。
なのにあの因業理事長が、嘘八百を並べ立てて両親に近づき、理恵を娼婦犬に陥れた。絶望した彼女は、たとえ殺されても言う通りにはなるまいと決心したのだという。
「でも不思議なの。あなたに睨まれたら、私、全然さからえなかった。ねえ、どうして? どうして私はあなたに逆らえなかったの?」
すっかり私に心を許した様子の理恵は、もっと私に甘えたいのだろう。簡単に屈服させられた秘密を知りたがってくる。謎を教えてもらって、私への服従度を更に強めようとしているのだ。
「私の眼の力に、何か気がついたかね?」
「理屈じゃないの。すごく恐い眼で恐ろしかったんだけど、危害を加えられる怖さじゃなかった。絶対に逆らえない怖さなのに、この人は味方だって思った。いえ、味方とは違う、何か別の・・・主人でもなく、支配者でもない、何か別の・・・」
「理恵、教えてあげよう。私は修練を積み、眼の力を鍛えた。私に睨まれた女犬は例外なく、私をリーダーとして認識してしまうのだ」
リーダー、という言葉に、理恵は納得したようだ。女犬は犬の習性で、リーダーと認めた者に逆らうことが出来ない。私が女犬調教の天才として、不動の地位を得ている理由の一つは、この超強力な眼力(めじから)にある。どのような女犬でも一睨みで、私の支配下に入ってしまう。例外は一切無い。
「私、あなたには逆らえない。でも、でも、私はいったいどうすればいいの? あなたは一生、私の側にいてくれるの? もしそうなら、私、どこででも生きていけるわ。あなたが側にいてくれるのなら、理事長の所ででも言うことを聞いて生きていきます」
理恵は、はだかんぼの格好のまま、きれいな顔を私の胸に埋めて甘えるように言う。私は理恵に諭すように言ってやる。
「私が君に、これからどう生きるべきかを教えてあげる。君は何も考える必要はないのだよ。全て、私の言う通りにして、これからの犬の人生を生きていきなさい」
理恵は生きる指針を与えると言われ、安堵の表情を見せ、幸せそうに笑った。一ヶ月もの間、途方に暮れていた所で、やっとこれからの人生に、しっかりとした方向性を与えてもらえるのだ。理恵はありがとう、と何度も繰り返し言った。
(5)久しぶりの安らぎの眠り
もう時間が遅いので、その日は一切の調教無しに、理恵を休ませることにした。彼女のスリムなボディにお似合いの、赤い細めの首輪を嵌めてやる。金鎖で繋いで引き、オフィスの隣りのトレーニングルームへ移動する。老婦人の話だと、決して四つ足歩きをしようとしなかったそうだが、今、私の右後方を這っている理恵は、膝を付かないきれいな四つ足歩行をしている。
後足の長い女犬は四つ足歩行が苦手な仔が多い。しかし理恵は、後足の長い女犬が無理のない態勢で歩くコツを知っているようだ。身体の半分以上もある長く美しい足を六十度に開いて、バランスを安定させている。ガニマタに近い不様な格好だし、股間が丸見えなので嫌がる仔が多いのだが、理恵はおそらく両親に躾られていたのだろう。
「これくらいのことは出来るのですよ」、と私に誇示するかのように、チラチラと私の顔色を伺いながら、性器を晒してしっかり歩いている。理恵はまだ、ここに連れてこられて一時間しか経っていない。女犬調教の天才である私にかかれば、どのような女犬でも、ま、こんなものである。
トレーニングルームの片隅に、綿を敷いた一メートル半程の大きさのベッドが床に設置してある。理恵用に綿を敷きなおした専用ベッドだ。私はベッドに理恵を寝かした。彼女は身体を丸めて気持ちよさそうに、綿の中にうずくまった。
私は餌皿に、ハンバーグ、野菜炒め、味噌汁、米飯、サラダが混ぜこぜになった残飯を用意して持っていく。私は餌皿を持ったまま理恵のベッドに入った。びっくりしている彼女の横に身体を丸めて添い寝した。
「理恵、エサを食べて今日は休みなさい。特別に今日のエサは私が食べさせてあげよう」
「え、そんな、大丈夫です。一人で食べられます」
素直に犬食いできることを、私に確認してもらいたかったのだろう、そんな事を言って私を喜ばそうとする。理恵は本当に可愛い女犬だ。こんな素直で従順な仔のどこが、アバズレ犬だというのだろう。
「いいから、今日は私に甘えていなさい。お口を開けてごらん」
私は残飯を口に含んだ。そしてモグモグと咀嚼する。私の意図を察した理恵は、横になって天井を見上げたまま、美しい顔を少し歪めてお口を大きく開く。
私は顔を近づけた。理恵は私に口移ししてもらいやすいように、大きく口を開いたまま、顔を少し傾ける。そっと私は自分の口を重ねた。噛み砕いた理恵のエサを口中に流し込んでやる。口を離すと、理恵はすぐにゴクンと食道を鳴らす。
口の周辺についたカスを舐め取ってやり、そのまま口を塞いで優しい口づけに移行する。理恵はされるままに私の口づけを受けている。しばらくしてからまた一口、エサを口に流し込んでやる。そして口づけを繰り返す。
長い時間をかけて餌皿のエサを全部食べさせると、理恵は、ホッと安らいだ表情を見せる。私は理恵を抱きしめてやる。彼女もしっかりと抱きついてくる。顔、乳房、腹、背中、尻、足と、所かまわず愛撫とキスを施してやる。
理恵は乳房への愛撫が好きなようだ。細っこく余分な肉の付いてない体の中で、乳房と臀部だけは柔らかい脂肪がたくさん集まっている。乳房は形良く、豊かな膨らみを見せている。頭頂部を三本指で揉み、裾野周辺を揉み、そして全体を揉むのを何回か繰り返していると、薄っすらとした汗が肌を覆い、甘い匂いが漂ってくる。そこで乳首を口に含み舌で舐め$転がしてやる。とても甘い味の乳首だ。理恵は安心しきった表情で、気持ち良いと訴えながら私に身をゆだねる。
これは私が理恵のリーダーであることを確認させる作業だ。リーダーに口移しでエサを与えられ、濃厚なスキンシップをされると、女犬の精神はとても安定する。その夜の理恵は、私の愛撫に全身を包まれながら、久しぶりの深いやすらぎの眠りについた。
(6)調教のはじまり
翌日は午前中一杯使って、理恵をきれいにしてやることに専念した。逆らってばかりいて、少しも手入れしてもらってないのだろう。彼女のはだかは、あちこちみすぼらしかった。シャワールームで熱い湯をかけて、ブラシで身体中を洗い流してやる。理恵はとても気持ちよさそうだ。洗髪してやると、鼻声を出して甘えてくる。優しく撫でるようにして洗ってやった。
シャワーを済ませると、次はグルーミングである。爪、腋毛、脛毛、産毛が伸び放題になっている。爪切りで前後の足の指をきれいにし、ムダ毛は剃刀を使ってきれいに剃り落してやった。少し恥ずかしがったが、とても嬉しそうにしていた。次に頭髪と陰毛のカットをしてやる。理恵の陰毛は身体が大きいせいだろう、相当濃い。伸ばし放題になっているので、控えめな分量に剃り落とし、形もきれいな逆三角形に切り揃えてやる。
床に寝かせて後足を大きく開かせると、顔を真っ赤にして前足で隠し、恥ずかしがった。羞恥心が相当に強いようだ。この羞恥心と闘いながら、一ヶ月間突っ張り通していたのかと思うと、健気さにますます理恵が可愛く思えてくる。
頭髪は飼い主の好みで、ショートボブにされている。一ヶ月の間ハサミが入ってないので、相当乱れている。私が櫛とカット用ハサミで整えていると、悔しそうな顔で涙ぐみ始める。聞くと、元々は腰まであるほどに長い髪の毛だったのだそうだ。軽い上にボリューム感たっぷりの髪質の仔だから、きっと妖精のような愛らしさだったろう。
それが、資産家に引き取られてすぐに、カットされたのだという。その時の屈辱は一生忘れられないと言った。本来、家畜の彼女はそのような感情を持つこと自体、不自然だし許されることではない。しかし、私はあえて叱らず、
「理恵はとても精悍でスポーティなルックスなのだから、長い髪でおとなしそうに装うよりも、活動的なショートの方が似合っているよ」
と慰めた。それは場当たりの慰め言葉ではなく、妥当な評価だと信じている。
最後に薄いピンクの口紅と、大袈裟にならない程度に頬紅をさしてやると、理恵の身体は煌々と輝きを増した。肌のツヤまで違って見えてくる。この仔は正真正銘の美犬だなと思った。
午後からは、理恵に犬の基本的な所作を仕込む。自分では両親に躾られて、一人前の犬の動きが出来るつもりでいるようだが、私の目からみればまだまだだ。
「エサは唇だけで食べようとするんじゃない。舌ですくうようにしてお口に運びなさい。でないと餌皿から細かいカスがこぼれて、お行儀が悪いだろう。理恵の舌はもっと長く成長するからね。今のうちに舌で、液状のものでも固形物でもすくえるように練習しておきなさい」
「お座り。そうだ、とても良い姿勢だ。どのくらいの時間、その姿勢を保っていられるかな? ・・・・・・あれあれ、まだ五分も経っていないじゃないか。理恵はどんな命令もそつなくこなせる頭のいい仔だが、命令を解かれるまで、いつまでも同じ姿勢を保つことも覚えなければいけないよ」
「どうした$モジモジして。ああ、おしっこがしたくなったのか? これが理恵のトイレだ。跨いでしゃがんでごらん。や、たくさん出したね。我慢していたんだろう。ん? なんだって? え? うんちも出そう? 恥ずかしいのか。顔がまっ赤っ々だぞ(笑)。いいから力んで、してごらん。見ててあげよう。・・・・・やあ、理恵のうんちは太いな。身体は細いのに、こんな太いのが出てくるんだな。理恵の前足と同じくらいの太さがあるぞ。そら見てごらん、湯気がモウモウと立ってるよ。とても健康そうなうんちだね。理恵は排泄も人前で出来るようにしつけられていたのか。恥ずかしがりやさんなのに偉いぞ。さ、ティッシュで拭いてあげるから、お尻を高くあげてごらん」
人前での排泄まではこなす理恵だが、羞恥心は同年齢の女犬に比べかなり強い。特に「チンチン」の芸が苦手のようだ。両親も甘やかして、「チンチン」だけは仕込まなかったようである。私が「チンチン!」と命令しても、顔を背けて恥ずかしそうにモジモジしているだけ。一向に自分からその格好になろうとはしない。
「理恵、チンチンは女犬にとって、とても大切な芸なのだよ。この芸しか要求しない人間だっている。また、女犬にとってもこの芸は、人間だった頃のプライドを捨て去るのに有効なんだ」
理恵は$顔を背けながら辛そうに、私の言い聞かせを受ける。
「ご両親は立派に理恵をしつけてくれたようだが、僅かな期間しか一緒にいられなかったので、理恵のプライドを完全に取り去ることは出来なかったようだね。ウンチやオシッコは人前で出きるのだから、チンチンだってできるだろう。さ、チンチンをして犬らしく愛嬌を振りまいてごらん。少しずつ犬のように、恥ずかしいこともできるようになろうね」
優しく言い聞かせるが$理恵は顔を真っ赤にして俯き、命令を聞こうとしない。私は一喝した。
「理恵! こっちを向きなさい」
理恵は眼をつぶり$顔を振る。私の眼を見たら、逆らえないことを充分に理解している彼女は、最後の抵抗を試みているのだ。私は拳固でポカリと、理恵の頭頂部を打った。
「あ・・」
顔を隠しているのでよく解らないが、泣き出したようだ。まだ言うことを聞かないので、今度はもう少し力を入れてポカリとやる。少しずつ力を強めて四発ポカリとやった所で、理恵は降参した。
「もう、ぶたないで・・」
弱々しく言い、涙で溢れた眼で私を見る。私は睨みつけて、人差し指で私の足元を指差し、改めて命令を下した。
「理恵、ここでチンチンをしなさいっ」
私に睨みつけられて下された命令に、理恵は逆らえない。リーダーである私の指示通り、指をさされた位置にヨタヨタと身体を移し、涙で濡れたホッペタを拭いもせず、見よう見真似で「チンチン」の格好をする。細くて長く美しい後足を折りたたんで、恥ずかしい格好になる理恵。中心に淡いかげりが揺れている。ともすれば閉じ気味になる後足の角度を私は指示する。
おまんこを正面からよく見えるように後足をうんと開かせる。すると、恥ずかしさに耐え切れないとばかりに私の肩に泣き崩れてきた。先ほど、ポカポカと頭を叩いて言うことを聞かせたばかりなので、ここは少し甘えさせてやる。肩と背中を撫でて、しばらく落ち着くのを待つ。それからまた、「チンチン」の命令を繰り返す。「チンチン」は一度にマスターできる芸ではない。犬の調教は、愛情を持って根気よく訓練を繰り返す以外に、近道はないのだ。
夜はリラックスタイムを設けた。晩のエサを取り終えさせると、カラーゴムボールやひも付きボールを使って理恵と遊んでやる。ナイスプレイをした時には身体中を愛撫して誉めてやる。彼女は活き活きとした眼で、私と夢中になって遊んでいる。
就寝時間が来ると、私は彼女が寝付く前に、特別な言い聞かせを行う。それは理恵に資産家の主人の元で、犬として生きていくためにはどうすれば良いか、どういう心積もりで生きていけば良いかを指し示す指針となる、大切な言い聞かせだった。
理恵をベッドに横にし、私の眼を見つめさせる。優しく身体を撫で付けてやりながら、ゆっくりとした口調で言い聞かせる。
「理恵は自分が犬になったことを、もっと心の底から受け入れなければいけない。人間は、女犬を家畜扱いするのが当たり前なのだから、女犬の幸せは、自分が人間の家畜である事をどれだけ自覚できるかによるのだ」
「犬が主人を選ぶのではない。主人は犬に唯一与えられる、かけがえのない大切なお方なのだ。決して家畜の理恵が良し悪しを言える存在ではないのだよ。犬の自覚をしっかりと持てば、その事が受け入れられるようになる。そうすれば、今は憎くて溜まらない今のご主人にも、尻尾を振って甘えることが出来るようになるのだよ」
「犬はご主人に忠実でなければいけない。忠実であればあるほど、ご主人も可愛がってくださる。ご主人に気を使わせる前に、まずお前のほうから媚びを売り、愛嬌を振りまいて、可愛がってもらう努力をしなさい。犬が主人に対して、そういう立場にあることは、頭のよい理恵になら解るね」
「そしてなによりも、畜生になった自分を守ってくれるのは、この広い世の中にご主人ただ一人しかいない事に、早く気がつきなさい。ご主人に見捨てられた女犬ほど、惨めな生き物はないのだよ」
理恵は柔らかな綿にお顔を埋めて、頭を撫でつけられながら私の言い聞かせを受けている。それはとても聞き入れられる話ではないだろう。辛そうに何度も頭を振って、受け入れられないことを示してくる。
私の視線は理恵の眼をしっかりと捕らえている。しかし私は、極く弱い力でしか睨んでいない。私の元から離れて主人の所に一人で戻しても、ずっと主人に忠実な女犬にする為には、強い眼力(めじから)で無理矢理従わせても意味がないのだ。それでは私の眼力(めじから)の届く場所でしか、彼女は主人に忠誠を尽くせないだろう。
しかし、弱い眼力(めじから)を使いながら、繰り返し繰り返し、何度も根気よく言い聞かせをすると、彼女の心そのものを変化させることが出来る。時間はかかるがこの方法なら確実に、一生主人に忠誠を尽くす可愛い女犬にすることが出来るのだ。
初めての言い聞かせの夜、理恵は泣きながら眠った。
「あんな憎い男、殺してやると憎んだ男、あんなやつをご主人だなんて、私は絶対に認めない・・」
私の言い聞かせに逆らい、そんなことを繰り返し呟きながら眠っていった。
(7)閨房の女犬調教 秘薬「いぬまん」
二週間かけて同じ調教を根気よく繰り返した。毎晩の言い聞かせは理恵の心をだいぶ溶かしたようだ。両親を騙したご主人に対する憎しみが消え、飼っていただく感謝の念が芽生えてきた。もう一息で、一生の忠誠を尽くすことが誓えるだろう。
二週間,理恵と起居を共にして、私は重大な事に気がついた。理恵は思春期を終えようとしている少女犬なのに、発情を起こさないのだ。病気でもないのに性器はいつも乾いている。かなりの刺激を与えても、あまり濡れない。始めは環境が変わったので、体調が安定してないせいかと思っていたが、どうもそうではないらしい。
不感症かもしれない。であるなら事は重大だ。理恵は娼婦犬、もしくは愛人犬として買われたのだ。不感症の娼婦犬など、鼻の効かない警察犬以下である。下手をすれば、殺されてしまうかもしれない。
そろそろ閨房教育を始めるつもりだった私は、理恵に性体験を訊ねた。理恵はその方面は奥手だった。わずか一人の男の子との経験しかなかった。資産家宅での調教では、なにしろ愛人犬の可能性もある仔に、無能なエセ調教師共が、そんなことをできる訳がない。
なるほど、年齢相応の性体験不足が、発情を抑制していたのかもしれない。私は閨房教育を始める時期が来たことを知った。
ある夜、いつも通りの調教を終えた私は、いつもの理恵の晩のエサに、鳥の生肉を加えてやる。今日はこの後、何かあるのかな? と、理恵は怪訝そうにしながらも、美味しそうにご馳走を平らげた。
リラックスタイムに私は理恵を人間用のベッドに上げ、これから私に可愛がられるのだよと告げた。理恵は予想していたようで、密かに期待していたのだろう、頬からうなじにかけて喜びの色を刷き、はにかむようにして微笑んだ。リーダーにベッドで可愛がられるのは、メス犬の大きな喜びなのだ。
私は充分な愛撫を施し、具合を見た。しかし一向に濡れてこない。緊張しているせいか、いつにも増して干からびている。身体の細い理恵に相応しく、膣の入り口も細く、そして固い。乾いているそこに指を差し込むと大いに痛がり、頭をトンカチで力いっぱい殴られたように痛いと訴える。私は一旦諦めて身体を離した。
理恵は、私の調教の意に添えぬと知り、思いのほか落胆した。私の胸に顔を埋めてサメザメと泣き出した。そのあまりの可愛らしさに私は優しく髪を撫でてやり、心配はいらないよと慰めた。私は枕もとから貝殻を模したケースを取り出した。
これぞ女犬を発情させる強力無比の軟膏秘薬「いぬまん」である。これを性器に塗られた女犬は、強制的に発情状態にさせられてしまう。
「それはなあに?」
「あとで教えてあげる。足を大きく開いて、私に身をゆだねていなさい」
もう今晩はお終いだと思っていた所に、続きをしてもらえると知り、理恵は顔をパッと輝かす。今泣いた烏がもう笑ったね、とからかうと、恥ずかしがって枕で顔を隠してしまった。
理恵は素直に格好の良い足を開いて、恥ずかしい部分を晒す。私はケースに詰められた軟膏を、右の人差し指と中指の二本ですくい取り、理恵の股間部に持っていって、塗り始めた。
理恵は何を塗られるているのか不安だろうに、私を信頼しきっていた。作業をしやすいように股間の位置をしきりにずらし、複雑な形状の性器に、まんべんなく塗りやすいように協力してくる。少し痛がるのを我慢させて、膣腔の襞にも指を潜らせて塗ってやる。軟膏が潤滑油となって、先ほどのような痛みはないようだ。
効いて来るまでには、しばらく時間がかかるので、足を閉じさせ、添い寝して愛撫の続きを行う。薬の効いてくるのを待てば良いのだから、ソフトな口づけをしながら上半身への愛撫をしていた。しだいに効いて来たのか、理恵は身体を火照らせ始めた。塗られたのが媚薬であることは薄々気がついていたのだろう。素直に火照った身体を私に預けてくる。
頬が真っ赤になって、眼が潤んできた。乳首の先端がカチンカチンに勃起して、乳輪までしこり、薄く色付いて熱を帯びている。体温が上がり、汗がしっとりと滲んで、真っ白な肌がピンク色に染まった。明らかに発情中の女犬の症状である。
私は口づけしながら、愛撫の手を止めなかった。頃合いをみて股間に手を持っていく。理恵はビクッと身体を反応させた。濡れている。それもかなりの濡れ様だ。私は身体を起こして理恵の股間を割って見入った。
熱くなった性器から、湯気を立てそうなほどに愛液が湧き出ている。そっと指を潜らすと、可愛らしい声を上げてきた。痛みはないようだ。私は身支度をし、長い足を折りたたんで脇に抱えむと、自身のモノで貫いた。
「あ、あ、これって、あ、何か、あっ、すご、ああっ、すごくありませんか? あああっ!」
経験の少ない理恵でも、私のモノが長大であることは解るようだ。ただ長いだけではなく$カリがとても深いので、「気持ちがいい」とよがってくる個所を攻めるのに適しているのだ。どんな場所でも強い刺激で擦ってやることができる。このモノで女犬の性感を何百匹と開発している。理恵も例外ではない。
私は性的に未熟な理恵を気遣いながら攻めていく。ぎこちない喘ぎ声を上げ続ける可愛い理恵。具合のよい所に当たると、鳴き声を強める。私はその部分を集中的に攻めていく。そんな個所を二ヵ所も三ヵ所も見つけた。
やがて、夢中で私にしがみつき、大きな喜びの声を上げてくる。最後に奥の方を強めに突いてやると、力いっぱいしがみ付いて、私の胸にツンと高い鼻を擦りつけながら、気をやってしまった。
果てた理恵をベッドに伸びたままにさせ、私は自身のモノを取り出すと、股間を大きく広げて観察した。赤く充血したヒダヒダは、パックリと小さな口を開いて湯気を立てていた。愛液は充分に分泌されたようだ。身体の火照りは収まったようで、徐々に白い肌を取り戻し始めている。
良かった。この分なら不感症ではあるまい。この後、自然に発情期が来なければ確定とはいえないが、これまでの経験から、私は大丈夫だと確信を持った。ふと見ると、理恵は満足した表情で息を整えながら、熱っぽい眼で私を見ている。
「理恵、気持ちが良かったかい?」
「はい、とても。・・だって先生のモノって、理恵の気持ちのいい所にばかり当たってくるんですもの・・」
言葉使いまでグンと色っぽくなっている。
「ご主人の元に戻って、ご主人の大切なお客様のお相手をする時は、こうはいかないよ。お年を召した老人が多いだろうからね」
「はい・・」
「そういう方々にどんなサービスをすればいいのか、明日から閨房調教をするからね。しっかり頑張るのだよ」
「はい先生。どうぞよろしく、私を一人前の娼婦犬におし込みになってください・・」
(8)犬の幸せ、人間の幸せ
一ヶ月が過ぎ、老婦人が理恵を引き取りに来た。老婦人は理恵の変わり様に眼を回した。
ちょっとでも油断をみせるとすぐに噛み付いてきたアバズレ犬が、命令どおりにどんな犬の芸でもこなしている。「チンチン」を命ぜられ、ニコニコの笑顔で足を開いた時には、腰を抜かして立てなくなった。
「先生、ありがとうございます。旦那様の所に大威張りで連れて帰れます」
何度も礼を述べ、理恵のリードを手にする。ちゃんと指示通りに歩くか、不安気な表情を見せたのも一瞬で、理恵は老婦人の足元に甘えるように寄り添ったのだった。丸はだかの後足を開き、姿勢を安定させて、丸見えの性器を気にもせず、老婦人のリードの指示通りに素直に歩いていく。
何度が私の顔を名残惜しそうに見ていたが、ドアから出されると、しっかり前を向いて歩いていった。そう、お前の本来のリーダーは私ではない。理恵は自分の本当のリーダーであるご主人のことだけを考えていればいいのだ。
三週間後、老婦人からメールが届いた。理恵のあまりの変わり様に、依頼人である資産家も大満足であるとのことだ。あまりの愛らしい変わりように、依頼人は理恵を娼婦犬として客に提供するのを取りやめたそうだ。客に提供されたのは三回だけで、今は依頼人の愛人犬として幸せに暮らしていると書かれている。
写真が五枚添付されていた。
一枚目。美しい初老の紳士がソファに座り、理恵が上半身にセーラー服を着せられた格好で抱かれている。下半身は、はだかのようだ。理恵の表情は、まるで優しい祖父にまとわりつく孫娘のように、上目使いに微笑んで、甘えている。
二枚目。老紳士が左手で優しく膝の上の理恵の頭を支え、右手の指にお菓子をつまんで、理恵の口に食べさせてやろうとしている。理恵は口を精一杯に大きく開いて待ち受けている。
三枚目。お菓子を唇に挟んだ老紳士。理恵はそのお菓子をいただこうと、下から顔を近づけている。
四枚目。お菓子をいただいた理恵がそのまま老紳士と、唇と唇をピッタリ合わせて口づけをしている。理恵は眼をウットリと閉じて小首を傾け、少し唇を突き出し加減にして、ご主人にしていただく口づけを幸せそうに受けている。
五枚目。口づけを終えた理恵が、はにかんだ表情で、恥ずかしそうに老紳士の表情を伺っている。お菓子がまだ口の中に残っているのか、ホッペタが膨らんでいるのが可愛い。老紳士はそんなホッペタの理恵を、これ以上にないという優しい笑顔で見つめている。
写真の奥には、とても大きな寝具も写っていた。おそらくこの後、その寝具の上で、理恵は私に仕込まれた性技で老紳士を喜ばせ、また彼に喜悦の声を上げさせられたのだろう。
調教は成功した。理恵は私の調教で、憎んでいた主人への憎しみを消し、彼に仕え、愛されることができた。主人を憎む犬など、世の中でヘソの胡麻ほどにも役に立ちはしない。主人が主人になった経緯を、犬が考える必要はないのだ。犬は目の前にいる主人に心から仕え、服従する以外に幸せになる道はない。それを実行した理恵は、娼婦犬からも解放された。彼女のノーブルな佇まいに、娼婦犬は似合わない。
私は写真を見て思った。こんな幸せそうな顔ができるなら、理恵の犬としての人生は幸福のうちに終えることができるだろう。資産家もまた、若くて愛らしい忠実な伴侶を得ることができた。決して裏切ることのない伴侶を持つ人生こそ、人間の最高の幸せであると私は信じている。私は結果に満足してデスクから立ち上がった。
デスクの前には二匹の女犬がお座りをして、私が立ち上がるのを待っていた。匂い立つような豊満な身体をした元人妻の新米犬と、まだ初潮も迎えていない年頃の小学生犬だ。身勝手な金持ちの謀略で、非合法組織に犬にされた哀れな犠牲者である。私の調教で、また幸せな人生をいく女犬が2匹誕生するだろう。
女犬のいる国 「第四章 理恵の場合」完
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