ブルーアリス
<前編>
(1)突然の破局
はじめまして。わたくしは児島みゆきと申します。犬の名前は「ショコラ」。娘の沙織と二匹、母娘で飼ってくださっている柳沢さまに付けていただいた名前です。年齢は三三歳。もう充分に年増の「おばさん犬」ではございますが、まだ家畜に身を落していくらも経っていない、新参者の女犬でございます。
子供の頃は、事業を営んでいた裕福な両親に箱入りで育てられ、高等学校を卒業するとすぐに父の取引先関係の方と結婚し、幸せな生活を営んでおりました。一粒種の愛娘、沙織にも恵まれ、父が郊外に建ててくれた庭付きの小さな家で、三人仲睦まじく暮らしておりました。
わたくしの災難の前兆は、沙織が女犬になったことでした。中学校の身体検査で女犬と診断されてしまったのです。何でも、検査で犬笛が聞こえることが解ったそうで、そのまま施設行きとなったのです。まだ一三歳で不憫でしたが、それでも、犬となって戻ってきた沙織に、「コロン」と新しい名前を付け、夫と二人でいつまでも可愛がって、これまでと同じように三人で仲良く暮らしていこうと、決意していたのです。
破局は突然やってまいりました。夫が飲酒運転で人身事故を起したのです。接待で無理にお酒を飲み、帰り道に横断歩道で若者を即死させました。仕事は懲戒解雇、もちろん退職金など支払われません。夫自身も大怪我を負って、医療刑務所に入れられます。裁判の判決は懲役十二年でした。ご遺族の方からは莫大な慰謝料を請求されましたが、悪質な飲酒運転事故と判断されて保険金は支払われません。
家を売り、残っていた貯金と合わせても慰謝料には足りず、ご遺族からは高い利の付くお金を借りて、慰謝料を払うように迫られました。世間知らずとお笑いください。強い調子で迫ってこられるご遺族の弁護士にわたくしは抗しきれず、言われるまま書類に判を突いたのです。
家を失い借金を背負い、夫が犯罪者となった今、親戚からもお友だちからも見放されました。母はすでに父を亡くし、身体を悪くして床に臥せり、遠い親戚に身を寄せております。病身の母を頼って肩身を狭くさせる事など到底できません。
子供の頃は父、結婚してからは夫と、わたくしは常に誰かの庇護下で、暖かなぬるま湯に浸かりながら過ごして参りました。そんな世間知らずのわたくしでございます。これまでただの一度も、生活のために汗を流すことなく生きてきて、突然一人で毎日の糧を得て生活していけと言われても、そんなこと到底できそうにございません。わたくしは厳しい世間さまの風に揉まれ、途方にくれてしまいました。
貸金業者からのきつい催促も連日です。わたくしは死ぬことを考えました。でも、一人で逝っては残された女犬の娘があまりにも可愛そうです。いっそ二人で無理心中をと思い詰めましたが、死にきることは出来ませんでした。人として、か弱すぎるわたくしは、生きていく力も無ければ、死ぬことも出来ないのです。
もう何も考えられない放心状態の日々が続きます。そんなある日、貸金業者の方から柳沢さまを紹介していただいたのです。柳沢さまから、わたくしが女犬志願をすれば、娘共々引き取っても良いというご提案を受けました。それは強く生きていく覚悟のない、意気地なしのわたくしには、とても相応しいお話だと思えました。
(2)女犬志願の決心
わたくしたち母娘を柳沢さまに検分していただくため、沙織にセーラー服を着せておめかしをさせ、貸金業者の車で日の暮れた街を走り、ホテルの一室に向かいました。業者の方に初めて柳沢さまと引き合わされて、ああ、とても逞しい体格をされた方だなと、頼もしい印象を受けました。身長は一八五センチを軽く超え、百六十に満たないわたくしは、大きく見上げながらご挨拶をさし上げたものです。
わたくしよりいくつか年長でいらっしゃるはずですが、日焼けして精悍な容貌はとても若々しく見えます。理知的でハンサムなお顔から澄んだ眼で見つめられると、少女のように胸がドキドキしてきて恥ずかしくなり、俯いてしまいました。柳沢さまはそんなわたくしに爽やかな笑顔を見せてくださるのです。とても包容力のあるお方です。
逞しく頼りがいがあり、優しく包容力のある柳沢さま。お父さまはとてもお偉いお役人で、柳沢さまご自身も役所関係のお仕事をする会社を経営されているそうです。今は刑務所にいる夫も誠実な人柄でしたが、人間的なスケールは柳沢さまに遠く及びません。夫には無い大きな力を、わたくしは柳沢さまに感じたのです。
わたくしは「このお方になら」と、決意を固めました。
「みゆきさんですね? やあ、写真では拝見していましたが、とても若々しくておきれいな方ですね」
初めての挨拶で、柳沢さまはそんなお世辞をおっしゃってくださいました。
挨拶が終わると業者の方は、後でまた来ると言って出て行き、わたくしたちは三人きりになりました。柳沢さまはわたくしの足元にピッタリとくっついて「お座り」をしている娘の沙織に興味を示されます。沙織には柳沢さまのお好みで、中学生時代の真っ白な夏服セーラー服を上下に着せております。
純白のスカーフが胸元を飾り、素直に伸びた長い髪を左右に振り分け、三つ編みのお下げにして赤いリボンで留めた、少し面長の幼な顔。子供用のリップスティックで唇を艶々にし、頬紅でほんの少しおめかしをさせた沙織は、思わず誰もが頭を撫でたくなる、初々しい可憐な少女犬、といった風情です。恥ずかしそうにわたくしのスカートの影から、これからわたくしたち母娘のご主人さまになっていただく柳沢さまを覗き見しております。
「これが沙織ちゃんかな? まだ一四歳だったね。さ、こっちへお
手招きされて、沙織はわたくしの足元から柳沢さまのほうへ這い進みます。小柄な沙織は、大きな太い腕で抱っこしてもらい、ホッペタにキスをされました。見ると、嬉しそうに笑っております。柳沢さまは、沙織がまだ人間だった頃に夢中だった少年タレントに少々面影が似ています。そのせいかどうか、沙織はすぐに柳沢さまになついたようです。わたくしはホッといたしました。
しばらくソファや床でボール投げや棒拾いをして遊んでもらい、沙織はキャッキャと楽しそうに声を上げております。ああ、何日ぶりに聞く沙織の笑い声でしょう。柳沢さまはとても優しく沙織を扱ってくださっています。
「どうやら沙織ちゃんとは仲良くなれそうだね。おじさんのこと、好きかな?」
お顔をピッタリと寄せられて訊ねられた沙織は、はにかみながら目を伏せて、恥ずかしそうに頷き、「ハイ、おじさま」と小さく返事をしました。
「よろしい。では次は奥さんの番だね」
柳沢さまは隣室のベッドルームを示されました。沙織はテーブルの足に繋がれ、「お座り」を命じられます。一人にされるのが不安なのか、眼をしばたかせていますが、大人しく従います。
「よしよし、素直ないい仔だね。あとでご褒美をあげるから、良い仔にしていなさい」
柳沢さまはそうおっしゃり頭を撫でつけると、わたくしの手を取り、隣りのベッドルームへ入ります。
(3)初めての検分
わたくしは服を脱がされてベッドに横にされ、身体の検分をお受けしました。胸、お腹、手足、裏に返してお尻と、まんべんなく身体中を撫で擦られ、肉の張りや弛みを調べられるのです。
この検分の仕方から察すると、すでに柳沢さまがわたくしを家畜として扱われているのが解ります。でもそれは、すでに飼い犬になって可愛がっていただく事を、心に決めていたわたくしには、かえって安心できる扱いでした。
経験豊富そうな柳沢さまは、さすがに女性の扱い方はお上手です。検査をされているうちに、すっかり気持ち良くなってしまいました。わたくしは胸の大きさと形には、密かに自信を持っております。品良く上をツンと向いている張りのある大きなお乳は、決して若い娘にも負けないと思います。
柳沢さまにも重点的にお乳の大きさや形、柔らかさを調べていただいたように思いました。「気に入って頂けたかな?」と、わたくしは少し自惚れてしまいます。
そっと膣腔にも指を入れられて、刺激されます。わたくしはこの時初めて、柳沢さまに甘えの声を上げてしまいました。おそらく沙織にも聞こえたことでしょう。母の媚びた甘え声を聞いて、あの仔は何を思ったことでしょうか。
柳沢さまは、甘え声を上げるわたくしの手を、空いている手で握って下さいました。思わずわたくしは頼りがいのある大きな手のひらをギュッと握り締めました。女遊びの経験も充分に積んでいらっしゃるのでしょう。相当のテクニシャンでいらっしゃるようです。夫とは全く違う、女を扱い慣れた指のもたらすリズムに合わせて、わたくしは幾度も声を上げさせられます。
「奥さんは、ご主人以外の方との男性経験は?」
見栄を張って嘘をついても、聡明な柳沢さまにはすぐにばれてしまうような気がして、わたくしは正直に告げました。
「高校生の時にお二人の方との経験がございます。あとは主人だけです・・」
検分が終了したようです。指が抜かれましたが、わたくしはしばらく股を閉じずに、ボンヤリとしていました。股を閉じなさい、と促がされてやっと我にかえりました。実はわたくしはこの後、「きっと一度、抱かれるのね」と、勝手な期待をして、股を開いたままにしていたのです。わたくしはその浅ましい自分の姿に気付き、真っ赤になりながらお股を閉じます。
「お乳を気に入っていただけたのでは、なかったのかしら?」
わたくしは「おあずけ」をされた犬のような気分で、言いようのない未練に包まれました。考えてみれば、柳沢さまくらいのお方になれば、多数の女性とのお付きあいもあるでしょう。わたくしの胸程度の魅力では、ご不満なのでしょうか?
毎日を心細く過ごしていたわたくしは、逞しくて頼りがいのある柳沢さまを前にして、心の底から、
「どうして抱いてくださらないの? わたくしの身体がお気に召さなかったのですか? わたくしのおっぱいでは失格なのですか? 柳沢さまの大きな広い胸で、思い切り甘えたかったのに」
と、おすがりしたかったのですが、今日お会いしたばかりの方に、そんな積極的に振舞える甲斐性がわたくしにあれば、最初からこんな身の上にはなりません。柳沢さまにその気は全くないようで、わたくしの未練を断ち切るように、服を着るよう命令されます。
どうしようもない悲しみが心を覆ってきます。わたくしはお会いしたばかりの新しいご主人さまの魅力に、すっかり心を奪われてしまったことを自覚させられました。こんなことは初恋をした娘時代以来のことです。
もし、わたくしを気に入って頂けなかったのなら、今回のお話はお流れでしょう。そうなったらわたくしは沙織と二人、また途方にくれる毎日です。でもそのことよりも、これほど頼りがいのある魅力的な紳士に気に入って頂けず、もう二度とお会いすることが適わなくなることの方が、わたくしには辛かったのです。
柳沢さまが検分の感想を聞かせてくださいました。わたくしは一生を左右する、大事な試験の結果発表を聞くような気で、ジッとお言葉に耳を傾けます。
「奥さんは実に美しい。とてもあんなに大きな娘さんがいらっしゃるとは思えないスタイルの良さです。少しの崩れもありませんね。大きな胸とお尻も魅力です。特に胸はたいへん魅力的でいらっしゃる。とても気に入りましたよ。その他の部分の足や腹のむっちりとした脂の乗り具合も、丁度良い具合で好みです。肌の艶も肌理の細やかさも二十代の娘と比べて少しも遜色がありません。それに目鼻立ちもこじんまりと整った美人で、年齢相応の色香が匂うように香ってくるようだ。それでいて、少しウブな所もあって、とても甘えんぼうさんですね。とても好感を持ちましたよ」
どうやら及第点を戴いたようです。少し誉めすぎなのは、わたくしの年齢をおもんばかってくださったご柳沢さまの優しさだと解釈させていただきました。
「でも、それならどうして・・」
まだ抱いていただけなかった未練を引きずっていたわたくしの、曇りがちな表情に気が付いたのか、柳沢さまはピッタリと身体を密着させてまいりました。じっと見詰められ、わたくしの心臓はもう早鐘のようです。
「きっとすばらしく美しい熟女犬になることでしょう。僕はずっと、あなたがた母娘の面倒を見させてもらいますよ。ああ、今から楽しみだ。よろしいですね?」
わたくしはすでに決心しておりましたので、すぐに「承諾」の意を告げました。改めて確認を迫られ、まるで理想の男性にプロポーズを受けたような錯覚におちいってしまいました。わたくしは柳沢さまの確認のお言葉を、一生忘れないでしょう。この時からわたくしは柳沢さまをご主人さまとお呼びする決心をいたしました。
家畜となって飼われる決意を告げたわたくしに、ご主人さまは優しくキスをしてくださいます。広い胸に抱きしめてもいただきました。この次にキスをしていただく時、わたくしは家畜の身に落ちていることでしょう。
人としてキスをしていただくのはこれが最初で最後という思いが、対応を積極的にさせます。舌と舌をからめ、唾液を交換し、互いの唇をしゃぶりあい、これほど濃厚なキスを体験するのは初めてです。キスを終えてそのことを告げると、
「結婚をしていて、その歳で初めて? ハハハ、本当に可愛らしいウブな奥さんだね。これからは私がうんと可愛がってあげよう。安心して私に仕えなさい」
と、優しい愛撫をしてくださりながら言ってくださいました。
やっとわたくしは頼りになる庇護者を再び得ることができたのです。娘との心中をあきらめ、生きることも死ぬことも出来ないと思い詰めていたわたくしは、神に感謝をいたしました。家畜に身を落すことにはなりましたが、その代わりに心のやすらぎを得ることができるでしょう。
こうしてわたくしは、柳沢さまのご希望通りに女犬志願をし、娘ともども引き取っていただく事になったのです。この上は命の続く限り、ご主人さまに尽くして生きる覚悟でございます。
(4)美少女犬、沙織の初夜
身だしなみを整えて元のお部屋へ戻ると、沙織はテーブルに繋がれたまま、ゴロンと横になっています。ご主人さまに「お座り」を命じられていたのに・・。
「まあ、沙織。お行儀の悪い」
沙織は「しまった」という顔をして蒼白です。お仕置きは免れません。ご主人さまが怒り出す前にと思い、慌てて叱ろうとしました。ところが案に相違してご主人さまは、
「まだ子供なんだ。構わないから」と、甘やかします。
沙織は子供とはいえ、女犬になってもうすぐ一年です。人間の命令を聞けなかったら「しつけ」をされるのは良く理解しています。それが思わぬご主人さまの一言で救われたのですから、よほど嬉しかったのでしょう。テーブルに結んだ紐を解いてくださるご主人さまの太い腕にじゃれついて、喜び一杯の笑顔をこぼしているのです。
わが娘ながら、本当に可愛らしく育ちました。紐をほどき、自由になった沙織をご主人さまは抱っこして、顔と顔を近づけます。
「さあ、それじゃ沙織ちゃん。先ほど約束したご褒美をあげようね」
「おじさま、どんなご褒美を沙織にくださるの?」
「これから沙織ちゃんを大人のワンちゃんにしてあげよう。あちらのベッドルームで、沙織ちゃんをうんと可愛がってあげるからね」
「・・・・・・・・・・」
わたくしは、ご主人さまの言葉に凍りつきました。聞き違いであって欲しいと願いました。しかしご主人さまは沙織を抱っこしたまま、わたくしに「ここで待っているように」、と言い付けて、スタスタとベッドルームへ消えてしまいます。
沙織がご主人さまの「夜の愛玩犬」にされるのは、もちろん覚悟しておりました。しかしそれは、沙織がもっと成長してからの事と思っていたのです。そして普段はあくまでわたくしを中心に可愛がっていただき、たまに若い沙織を交えて、戯れに母娘同時に可愛がっていただければ・・。そんな風なことを想像しておりました。なのに・・・なのに・・・。
これでは、わたくしの方が付け足しではありませんか!
中の様子はどうなっているのでしょう。ベッドルームに鍵などかかっておりませんが、ノブを回す勇気などございません。ドアに耳を当てて、中の様子を伺うのが精一杯です。恥も外聞もなく必死に耳を当てている壁が、わたくしの流す涙で濡れてきます。涙は次から次へと溢れ出て止まりません。
どんどん濡れを増していく壁を見詰めながら、わたくしは認めざるを得ませんでした。そう、これは娘の沙織に対する嫉妬の涙なのです。勝手に可愛がっていただけると勘違いをして、実はご主人さまの心は沙織にあった・・。その惨めな仕打ちに、涙が止まらなくなりました。
わたくしよりも先に、あの逞しいご主人さまに可愛がってもらえる愛らしい沙織・・。ああ、どうぞお笑いください。ムチで打ってバツを与えてください。わたくしは愛娘の初床に、娘の身を案じるよりも先に、嫉妬の炎で眩暈を起していたのです。
ベッドルームからは、ご主人さまの優しげな声が聞こえてまいります。沙織の声は小さすぎて、途切れとぎれにしか聞こえません。
「さ、いいね。可愛くしているんだよ。ん? なになに?」
「・・・・るなら・・・・ねっ?・・・・・・です」
「よしよし、初めてなのだね。安心しなさい。なるべく痛みの無いようにしてあげるから」
沙織はご主人さまにこうされることを、あらかじめ予想していたのでしょうか? 素直に言うことを聞いているようです。
「沙織ちゃんはとても可愛いらしいお顔をしていますね。セーラー服にお下げの髪がとても良く似合っているよ。上げた髪から覗く、おっきなオデコが可愛いな。きっと中学校に通っていた頃は、男の子に人気があったんだろうね」
「・・つめ・・可愛・・・・な・・い・・・・」
誉められた沙織が恥ずかしがっているのがわかります。ベッドに寝かされて、セーラー服の上から身体をゆっくり愛撫される衣ずれの音が聞こえてきました。
「学校に好きな男の子はいたのかな? キスくらいは済ませていますか?」
「・・・・て、・・・・るの。おじさ・・・は、・・・似て・・なん・・しい・・です」
ボーイフレンドはいなかったと思いますが、好きな男の子はいたでしょう。沙織は何と答えたのでしょうか。ご主人さまは急に嬉しそうになりました。
「そう。それは光栄だね。私も沙織ちゃんのような可愛いお顔をした仔犬は大好きだ。頬紅のお化粧がとても可愛いよ。おめかしはお母さんにしていただいたの?」
「・・・です。・・あっ・・・・にき・・・があって・・・」
「アハハ、にきびがたくさん出ているんだね。お年頃だもの、仕方がないよ。おや、腫れているのもあるようだ。これなんか少し痛いだろう」
「!」
どうやら添い寝をされて、間近からお顔の検分をされているのでしょう。わたくしにはそんなこと、してくださらなかったのに・・。
潰れているにきびを弄られて痛がり、小さな悲鳴が聞こえました。わたくしは・・・お笑いください。痛がる娘の悲鳴に、ほんの少しだけ、「いい気味」と思ってしまったのです・・。女の性の業の深さを思い知りました。
チュッチュという音が聞こえてきます。痛めたにきびのあとを舐めていただいているのでしょうか・・。
「よしよし。こちらでの生活に少し慣れたら、にきびの治療をしてきれいにしてあげよう。ツルツルのお顔にしてあげる。そしたら今よりもっと可愛らしいお顔になるよ」
「本当?・・・嬉し・・・なん・・・とは・・・」
「アハハ、仔犬になってもやっぱり女の子なんだね。きれいにしてもらえるのが、そんなに嬉しいのかい」
あやされて、沙織のご機嫌は上々のようです。シュルシュルと、スカーフの外される音がしました。くぐもった声が聞こえてきます。ああ、これは・・・口づけの気配です。ああ、神様。わたくしの胸は張り裂けそうに波を打っています。まさかこの年になって、若い娘のような嫉妬の感情に包まれるなど、思いもよりませんでした。しかも嫉妬の相手は血を分けた娘だなんて・・。
「本当に初めての口づけだったの?」
「・・・」
「そう。可愛いね。リップクリームを塗っているのかな? とても甘い味がしたよ。もう少ししてあげようか。・・・ン・・・ン・・・。沙織ちゃんは口づけが大好きみたいだね。うっとりしたお顔が可愛いな。それにとても上手だよ。さ、もう少し練習しようか」
何度も口づけが繰り返されているようです。耳を精一杯に澄ましていると、さきほどわたくしにしてくださったように、沙織の唇をついばむようなキスがされているのが解ります。「チュッチュッ」という微かな音が、わたくしの心を般若のお面のように醜くさせます。
ああ、やはり舌と舌を絡み合わせ、唾液の交換もし合っているのでしょうか? キスの合間にお鼻や首筋にも、チュッチュとされているのでしょうか?
衣ずれの音が大きくなります。セーラー服のジッパーを降ろす「ジー」っという音が聞こえてきました。沙織はセーラー服を脱がされているようです。
「沙織ちゃん、可愛らしいおっぱいが出てきたよ。ほんの少しだけ膨らんでいるな。早くお母さんのおっぱいのように、大きくなりたいだろう」
「・・・・・です!・・・・な・・恥ず・・い」
「さあ、下も脱がすよ。おやおや、さすが仔犬だけあって、こんな子供の処女なのに、ココの濡れは充分だね。さっきお母さんが変な声を出していたのを聞いていたんだろう。それでこんなにしてしまったんだね。おやおや、可愛い尻尾も生えている」
「・・・・・めて!・・・言わ・・・お願・・・」
「恥ずかしがるお顔が可愛いな」
「・・・・るの。・・だって・・・やさ・・・・さい」
ピチャッと音がして、ご主人さまの愛撫が始まりました。
「あ・・あ・・あっ・・あっ・・ああっ・・ああっ・・・・・あああっ・・・あっ!」
きっと経験の少ない娘の扱い方にも慣れていらっしゃるのでしょう。初めてだというのに、沙織はとても気持ちよさそうな声を上げています。女犬の娘は人間の娘よりも、性的成熟はあらゆる面で早いと聞きましたから、これは当たり前の反応なのでしょうか。
「ああっ、ああっ、・・・・あっ! おじさ、あっ、まっ! ・・・あああっ! 気持ち・・い・・ああああっ!」
全身をキスされています。先ほど指で少し愛撫していただいただけで、わたくしはとてもいい気持ちにされてしまいました。あんな巧妙なテクニックを本格的に施されたら、ネンネの沙織などひとたまりもないでしょう。時折聞こえてくる「チュッ、チュッ、チュ」という音は、未発達の乳房を吸われているのか・・。「ピチャピチャ」と聞こえるのは、溢れた愛液で一杯の性器を、指でいじくられているのか・・。
ああ、ついにご主人さまは沙織に覆いかぶさり、挿入にかかられたようです。わたくしは立っていられなくなりました。
「さあ、奥さん。しっかりして」
床に座り込んだわたくしを抱き起こしてくれたのは、貸金業者の方でした。盗み聞きに夢中だったわたくしは、彼が戻ってきたことに少しも気がつかなかったのです。
「あーっ! あーっ! ああンっ・・ あ、ああーっ! おじさまァーッ!」
「ほう、クライマックスだな。女犬とのマンコは具合が良すぎて、「ハマッたらもう人間の女とは出来なくなる」とは良く聞くが、処女であれじゃあ、まんざら間違った説でもないようだな。痛がりながらも感じているようだね」
沙織は、破瓜の痛みに伴う痛声の合間に、嬌声も発しているようなのです。洩れ聞こえてくる嬌声を聞き分けて、業者の男はそんな下品なことを言います。
肉と肉の擦れ合う音・・。まぎれもなく、今、沙織はご主人さまに、一人前のメス犬として可愛がられているのです。激しい動きの中で時折、未経験の沙織を気づかう動きを伺わせる気配が伝わってきます。そんなご主人さまの、沙織を思う優しい心使いが、わたくしを激しい嫉妬の海にのたうたせます。
(5)悲しみの一夜
「泣いていたのかね、奥さん。愛しい色男を娘に取られて、悔し涙にくれていた、ってところかい」
図星を言い当てられて、頭がカーッとなってしまいました。わたくしは男をにらみつけます。でも、女犬志願の女がにらんだところで、恐くも何ともないでしょうね・・。
「俺が代わりにお相手を、と進言したい所だが、ま、そうもいかない。色男にはかなわないさね。さて、ところで奥さん、話は変わるが」
男はわたくしをベッドルームのドアから離してソファに座らせます。
「女犬の娘さんがああなっているということは、旦那との話はまとまったのだね?」
「はい・・柳沢さまはわたくしたち母娘を・・飼って・・くださるそうです・・」
屈辱の報告ですが、告げない訳にはまいりません。
「そうかい、そりゃ良かったな。それじゃこれを見てくれ」
男から一枚の書類を見せられました。「女犬志願者呼出状」と書いてあります。
「あの、これは・・?」
「奥さんの女犬志願書は、代書屋に書かせて既に提出してある。奥さんには今晩このホテルに泊まっていただく。朝になったらこの呼出状を持って、私と一緒に家庭裁判所へ行くんだ。そしたらその場で裁判官に家畜宣言を受けて、施設に直行だ」
「そんな、勝手に!」
「段取りだよ、段取り。手際が良いと言ってもらいたいね」
わたくしは呼出状を手に、ブルブル震えました。そんなばかな・・。施設へ行くのが明日だなんて!
「お願いです。明日だなんて勘弁してください。まだ・・まだ・・心の整理が・・」
「その呼出状をよく見てごらん。有効期限が明日までになっているだろう。明日を見送ると、また志願書を提出して一週間待たなきゃならねえんだ。すまねえが奥さんの我がままは聞けないよ」
その言葉でわたくしの運命は決定しました。わたくしは明日の朝、家庭裁判所に出向き、午後には家畜に改造されるために施設へ入所させられるのです。
「ま、今夜は可愛い女犬の娘に添い寝でもして、一緒に過ごすんだな。しばらくは会えねえんだ。うんと甘えさせてやりな。・・・もっとも、旦那が娘さんを離してくれるかどうかが問題だけどな」
娘の嬌声はまだ続いていました。驚いたことに、もうすっかり痛みは無くなったようなのです。ご主人さまのリズムに合わせて、経験の豊富な娘が出すようなはしたない声を、さっきからずっと上げ続けているのです。
「あーっ、あン。・・・あンあンあン。気持ちイイッ!・・・あっああっ、あっああっ、あっああっ、あっああっ、おじ・・まっ!・・・あああーっ!」
「女犬なら、最初に痛みを感じないのは珍しいことじゃない。旦那が羨ましい限りだな」
男はわたくしの心中も知らずに、呑気なことを言っています。
それにしてもご主人さまのなんとタフなことでしょう。挿入からもう二十分は沙織を責め続けていらっしゃいます。よほど沙織がお気に召したということなのでしょうか・・。
「なんて、はしたない声を・・」
あまりに淫らな声を上げ続ける沙織に、非難がましいことを言うわたくし・・。娘の無節操さにかこつけてはおりますが、嫉妬心が言わせる言葉に相違ありません。
「心配いらねえよ、奥さん」
男は、そんなわたくしの嫉妬心を簡単に見抜いて、わたくしの心変わりを防ぐ気だったのでしょうが、こんなことを言いました。
「最初、旦那には女犬の娘さんだけを買ってもらう話を持っていったんだ。利息の足しにでもと思ってね。ところが子供の女犬とのお遊びに、高い銭を払う気にはならねえ、と、こうきたもんだ。そんなら母親付きでどうだと水を向けると、旦那さん、イチもニもなく飛びついておいでなすった。奥さんの借金が帳消しになる金がかかるのにだよ」
「まあ・・」
「母娘セットでなきゃならなかった、って訳さ。これで少しは奥さんのプライドも、背が立つだろう」
それでもご主人さまの興味の中心がわたくしではなく、沙織にあることは間違いないでしょう。わたくしは一生、娘の沙織に嫉妬しながら、ご主人さまに仕えて生きていかねばならないの?
「娘が、それで幸せになるなら・・」
ともすれば人間の心を捨てた、鬼畜ばりの考えに陥りそうになる弱虫のわたくしでございます。無理矢理に母親らしいことを考えて、この場をやり過ごすことにしました。どちらにせよ、わたくしはご主人さまに承諾のお返事を差し上げたのです。後戻りは、もう、出来ないのです・・。
「わたくしが明日から施設に入ったら、娘はどうなるのですか?」
「安心しな。旦那が引き取ってくれる。飼育用の新しい家も用意するそうだ。あんたも施設を出たら、その家に直行だ」
一ヶ月間、わたくしが施設にいる間、ご主人さまと沙織は一緒に暮らす・・。また胸が苦しくなります。
結局、沙織は初床でたっぷり三十分近くご主人さまに可愛がっていただき、そのまま朝まで三度、四度と営みは続き、離してはもらえませんでした。二人がベッドルームから出てきたのは、もう陽が高く昇った頃でした。
わたくしはソファで横になったのですが、定期的に聞こえてくる沙織の嬌声に、まんじりともすることが出来ませんでした。寝不足顔のわたくしと対照的に、沙織は晴れ晴れとしたお顔で、ご主人さまの足元にまとわりついて甘えています。
沙織はご主人さまにピッタリと寄り添い、ご主人さまも常に沙織の身体のどこかに触れて、優しい愛撫を途切れさせません。わたくしが声をかけても上の空で、ご主人さまの側から離れようともしません。二人だけの睦言を共有した関係に割り入ることは、母親といえども出来ないことを思い知らされます。
仲睦まじい様子の二人を見ているのがつらく、食事もそこそこにわたくしは出発しました。二人は部屋から見送ってくれましたが、わたくしのことなど眼に入っていない様子が何とも悔しく、見られないように泣きながら、業者の男と家庭裁判所に向かったのです。
(6)熟女犬「ショコラ」の誕生
手続きはすぐに済みました。わたくしは法的に人ではなくなり、裁判官から家畜の身に落ちたことを宣告されます。すぐに施設へ送られて、翌日から家畜化治療の始まりです。三週間の注射と点滴で、わたくしの身体は少しずつ、人間とは違った身体になっていきます。
だんだんと指が痺れて動かなくなり、やがて指の機能は完全に麻痺してしまいました。
女陰はいつも濡れている状態になりました。少しの刺激で性器の周辺をベトベトにしてしまいます。
お外で、はだかにされても大丈夫な程に、体温調節機能が変化しました。
胃腸は、少し古くなった残飯や、火の通っていない肉類を消化できるようになりました。
唾液の量が物凄く増え、油断すると、すぐにお顔をベトベトにしてしまいます。
お尻に小さなポッチが生えてきました。やがて立派な尻尾に成長するでしょう。
犬歯が発達して、グングン伸びています。やがて牙のようになるのでしょう。
指が使えなくなると、生活のすべてをご主人さまに世話していただかなければ、生きていくことができません。わたくしは何よりも、指がもう一生使えなくなることに、畜化した自分を一番意識させられました。
一ヵ月後、わたくしはご主人さまの元に返されました。輸送トラックの檻から出され、沙織がご主人さまに首輪のリードを引かれて、玄関から出て来るのを見て「ああ、ご主人さまの元へ戻れた」と、ホッとした次の瞬間、わたくしは目を疑いました。二人が出てきた家は、わたくしと夫と沙織の三人で暮らしていた元の家ではありませんか!
ここはわたくしが、被害者の遺族に慰謝料を支払うために手放した、十年以上も住んだ郊外の小さな家の庭です。まさか、まさかこんなことが・・。
「やあ、みゆき。おかえり。どれ、服を脱がしてやろうね」
「あ、あの、この家は・・」
小さな庭で病院の入院着を脱がされながら、わたくしは思わず聞いてしまいます。
「この家に戻されたのが不思議かい? 売りに出された家は誰かが買うのだよ。役所関係の仕事をしていると、こういう時に便利なコネが使えるんだ。調べてみると、割と手頃な値段で買えそうだったので、私が君たち母娘を飼うために、この家を手に入れたんだ。コロンは大喜びしているよ」
沙織は犬の名前のコロンと呼ばれ、わたくしにニッコリと笑いかけながら、「ママ、お帰りなさい」と元気にあいさつをしました。今日のコロンの格好は首輪と、セーラー服の襟をデザインしたスカーフ付きの飾りを、肩から胸元の上までかけられているだけで、ペッタンコのおっぱいも下半身も晒しています。どうやらこれがコロンの日常着のようです。髪の毛は首元までのスポーティなショートカットにされていました。活動的な少女犬の沙織にとても似合っています。
最後に別れた日のように、ご主人さまにピッタリくっついている所をみると、二人の仲は更に深まっているのでしょう。眼は若い少女犬らしく精気にあふれ、彼女の毎日が充実していることを物語っています。にきびの治療をしてもらえたようで、お顔はツルツルのピカピカです。でもお顔が奇麗になったのは、ご主人さまに頻繁に可愛がられた美容効果も相当あると、容易に想像がつきました。
それにしても何と言うことでしょう。元の住み慣れた家に住める嬉しさよりも、ご近所の目を意識しながら、犬畜生の生活を送らなければならない辛さの方が勝っています。わたくしは奥さま連中の好奇な視線に耐えられるでしょうか?
ご主人さまは、わたくしをすっかりはだかにすると、前足の左薬指に光る指輪に気がつきました。
「おや、まだこんなものを嵌めていたのか」
前の主人との結婚指輪です。あわただしく身の回りの整理も出来ないまま、身一つで施設に送られたのですから、こんなものもしたままなのです。夫との婚姻関係は、わたくしが家畜宣告を受けた時、自動的に解消されています。畜生に落ちた身では、こんな品になんの意味もなく、もう未練も無いのですが、施設で取れとも捨てろとも言われませんでしたので、なんとはなしに付けたままでいました。
ご主人さまはわたくしの指から指輪を抜き取りました。入れ代わりに、丈夫そうな美しい首輪を取り出し、首を差し出すように言われます。
「いい品だろう。みゆきの為の特注品だよ」
そうおっしゃって、差し出した首にカチリ、と嵌めこんでくださいました。指輪は庭のダストボックスにポイッと放り捨てられました。
首輪からは長いリードが伸び、正面には小さな金属プレートがぶら下がって、わたくしの胸の少し上で揺れています。それには次のようなデータが刻み込まれていました。
名前 ショコラ号
年齢 三十三歳
登録番号 HIV-0088949704
登録日 新暦二七二年 四月九日
更新日 新暦二七三年 四月八日
飼い主 柳沢敬一郎yanagisawa kei-ichiro
住所 山崎県蘭王市坂下1-13-6
緊急電話連絡先 5963-5963-5963
「柳沢敬一郎」がご主人さまのフルネームです。わたくしはプレートが誇らしく思えて仕方がありません。これはわたくしの所属を誰の目にも明らかにしています。迷子になってもこの札を誰かに見せて連絡してもらえば、ご主人さまはすぐに飛んで来てくれるでしょう。
わたくしは名実ともに、新しいご主人さまに所有されたことを自覚いたしました。わたくしを所有してくださるご主人さまがいる、守ってくださるご主人さまがいる・・。ああ、久しぶりに心の休まりを感じることができました。
見ると、コロンの首輪もまったく同じデザインで、金属プレートも寸分違わぬサイズのものがぶら下げられています。
名前 コロン号
年齢 十四歳
登録番号 γGTP-0017320508
登録日 新暦二七一年 六月十五日
更新日 新暦二七三年 六月十四日
飼い主 柳沢敬一郎yanagisawa kei-ichiro
住所 山崎県蘭王市坂下1-13-6
緊急電話連絡先 5963-5963-5963
あの仔もこれを取り付けられた時、同じような感慨にふけったのでしょうか?
「みゆき、お前の新しい名前はショコラだよ。いい名前だろう。貫禄タップリの熟女犬にお似合いの名前だ。気に入ったかね?」
「ハイ、ご主人さま。ありがとうございました」
ショコラ・・。わたくしは心の中で呟きました。上品で明るい印象の名前です。もとより犬畜生に、自分の呼び名をどうこう言うことなど出来ませんが、いいお名前を付けていただき、感謝の気持ちで一杯になります。
(7)しつけ係、奈緒の「最初のしつけ」
「さ、コロン。ママと並んでごらん。記念写真を撮ろう。おーい、奈緒。写真を撮るよ。出てきなさい」
「はーい」
明るい声の若い娘が玄関から出てきて、わたくしたち母娘の前にご主人さまと並んで立ちました。スラッとスタイルの良い、理知的な美人ですが、まだ十代のようなあどけなさがあります。
「喜多嶋奈緒くんだ。彼女は私の知り合いの娘さんで、この家の管理をしてもらっている。お前たち母娘のしつけ係りでもあるから、ショコラはしっかり言うことを聞いて、はやく犬のしつけを身に付けなさい。コロンはもう奈緒くんとは大の仲良しだよ」
「こんにちは、ショコラ。写真で見たとおり、お前は可愛い熟女犬ね。仲良くしましょう。私のことは奈緒と呼んでね」
わたくしのしつけ係・・。まさかこんなに若いお嬢さんにしつけられることになるとは、思ってもいませんでした。わたくしはてっきり、ご主人さまにしつけていただけるとばかり、思っていたのに・・。でも考えてみれば、お忙しいご主人さまが、四六時中わたくしどもの面倒を見られるはずもございません。わたくしは考えが浅はかだったことを知りました。
何枚か写真を撮るとご主人さまが集合写真を撮りたいと言い出されます。
「皆で並んだ写真も撮りたいな。あ、奥さん。すいませんが、シャッターを押していただけませんか?」
と声をかけます。ちょうど隣家の佐藤家の奥さまが、外出から帰ってきた所で、わたくしは「ああっ」と心の中で悲鳴を上げました。
「あら、みゆきさんは今日からお戻りだったんですね」
佐藤さんはわたくしが帰ってくる事をご存知だったようです。この分では、ご近所のみなさんにも知れ渡っている事でしょう・・。シャッター押しをこころよく笑顔で引き受けてくださり、庭に入ってご主人さまからカメラを受け取ります。犬の姿でご主人さまの足元に控えるわたくしには、
「まあ、奥さま。ご不憫でいらっしゃること」
そう言って頭をポンと一つ叩き、ニコリともしてくれません。真中にコロンとわたくしが這い、その両脇にご主人さまと奈緒さんが、それぞれのリードを持って立ちました。
「ほら、奥さま。顔が下を向いているわよ。こっちを向いていただけないかしら」
俯いたまま顔を上げられない私に、佐藤さんが声をかけます。ああ、初日からこんな辱めを受けるなんて・・。そんなわたくしの心の悲鳴を知ってか知らずか、奈緒さんがリードを短く持ち直し、顔を上げるように引っ張ります。
言うことが聞けなければお仕置です。でもわたくしは、昔よく一緒にお茶を飲んでおしゃべりしたり、買い物に行ったりしていた佐藤さんに、犬の姿の写真を撮られるのが恥ずかしすぎて、どうしても顔を上げられません。奈緒さんがしゃがみこんで、わたくしと目線を合わせます。今にも泣き出しそうなわたくしを見て、
「さ、ショコラ。恥ずかしいだろうけど、我慢するのよ。お顔を上げて写真を撮っていただきましょう。ほら、コロンをみてごらん。とてもお行儀がいいわよね。コロンにお行儀をしつけたショコラが、お行儀よくできないはずは無いわ」
頭を撫でられながら、年下の彼女にそう励まされます。コロンは笑顔で正面を向いていました。でも、わたくしは動けません。
「コロンが言うことを聞かないときは、どうやってしつけたの?」
「それは・・お仕置きをして・・」
「そうでしょ。今日からショコラは、しつけを受ける側になったのよ。言われたことが出来なければ、コロンにしたのと同じお仕置きを受けるのですよ」
「私だから恥ずかしがってるんじゃない? 私たち、お友達だったから。ねえみゆきさん」
「佐藤さん、この仔をみゆきさんとか奥さまというのは、やめてくださいな」
「あ、そうですね。みゆきさんは犬のお名前を、何て付けられたのかな? あら首輪に彫ってあるのね。ええと、何々?」
佐藤さんはわたくしのプレートを手にとって名前を確認します。
「ショコラっていうのか。良かったわね、みゆきさん。いえショコラちゃん。可愛いお名前を付けていただいて」
と言って、また頭をポンポンと叩いてくれました。そんな風にグズグズしているうちに、佐藤さんは家人に呼ばれて、家に引っ込んでしまいます。もちろん写真は撮れずじまいです。
「ショコラ、ダメじゃないか」
「コロン、教えてくれる? こんな時、お前はママにどんなお仕置きをされましたか? 正直におっしゃい」
奈緒さんに聞かれて、コロンはわたくしの方を済まなそうに見ながら報告します。
「はい。言われたことを恥ずかしがって出来なかった時には、「ご近所の方たちにはだかの犬の姿を、良く見てもらいなさい」と言われて、お家には入れてもらえず、はだかで庭に出しっぱなしにされました。とても辛いお仕置きでした」
「なるほど、それはいいわ。ショコラ、私も同じお仕置きをします。しばらくお前は庭で暮らして、ご近所の方たちにはだかの犬の姿を良く見てもらいなさい。コロンが使っていた犬小屋を用意しましょう」
この家の庭は柵が低く、中は丸見えです。前の道を通る人の誰にも、はだかの自分を見られてしまいます。こんな所で寝起きをするなんて、恥ずかしさに耐えられません。絶対にイヤです。ご主人さま、どうか助けてください!
「お願いです、後生です。勘弁してください。ご近所の奥さまたちとは、みんな顔見知りなのです」
わたくしは必死にお願いしました。ところが奈緒さんとご主人さまはびっくりした顔をして、こうおっしゃいます。
「まあ、主人の言うことが聞けないのね。お前は志願犬のくせに、家畜の自覚が足りません。これはお仕置きというよりも、お前への教育です。はだかの犬の姿を、顔見知りの方たちに晒して暮らしていれば、自分が家畜になった事を自覚しやすいわ」
「顔見知りなのはコロンも同じだっただろう。コロンと同じお仕置きをされるのは、同じ犬なのだから当たり前のことだよ。そんなことよりショコラは、主人の決定に最初から逆らう悪い仔だったのかい? これは驚いた。奈緒の言う通り、まだ人間のつもりでいるんだろう。犬の自覚が芽生えるまで、庭で暮らしなさい」
お慕いするご主人さまにここまで言われては逆らえません。それどころかご主人さまの期待に、初日から添えなかった自分が悲しくさえなりました。
こうしてわたくしは、お庭で暮らすことが決定しました。コロンが昔使っていた犬小屋が門の脇に設置され、わたくしの新生活がスタートしたのです。
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女犬のいる国 「第五章 みゆきと沙織の場合」
<後編>
(1)新しい生活のはじまり
奈緒さんはまだ十七歳の若さなのだそうです。学生でもなく就職もされていません。一日中家にいて、わたくしたち母娘の面倒をみてくれます。
ご主人さまの知人の娘さんというご説明でしたが、もう少し深い仲なのでしょう。でも、世間で言うところの愛人関係とは違うようです。奈緒さんはよく、「敬一郎さんは私のお父さん代わりだから」とおっしゃっています。
ご主人さまのご自宅はもっと大きな街にあり、週に三〜四回、こちらの家にやってらっしゃいます。自宅には奥さまか$誰か特定の方がいらっしゃるのかと気になり、奈緒さんに訊ねたこともあるのですが、
「そんな事を知りたがるのはよくない事なのよ。お前たち犬は、私たちから与えても良いと判断された物と情報だけで、満足しなくちゃいけないの」
と叱られて、詳しいことは教えてもらえません。
コロンは座敷犬として、ずっと家の中で飼われています。わたくしは元々自分が住んでいた家に、まだ一度も入れてもらえません。普段は犬小屋の脇に付いている取っ手に、首輪のリードを結ばれています。もちろん丸はだかです。柵は低く、木も植えてないので、通りかかる人の視線を遮るものは何もありません。誰にでも丸はだかの犬の姿を見られてしまいます。
朝、昼、晩、奈緒さんが餌皿にエサを盛って、持って来てくださいます。餌皿を地面に置かれ、リードに繋がれたままいただくのです。
「さあ、エサの時間よ。今日は上手に食べられるかな?」
奈緒さん一人では、わたくしとコロンに与える充分な量の残飯が出ないので、メニューは女犬用のドッグフードが主です。食べやすく作られているのですが、わたくしは犬食いが下手くそで、ポロポロと地面にこぼしながらでないと食べられません。こぼした分も、舌で拾い上げてきれいに食べるように命令されるので、たいへん時間がかかります。
こぼしたエサを舌で拾っていると、時おり誰かが柵越しにこちらを覗いている気配がします。惨めさと恥ずかしさで動きを止めると、奈緒さんが頭を撫でて慰めてくれながら、落ちているエサを指でつまんで食べさせてくれます。そして「さ、続けなさい」と励まされ、わたくしは誰かに見られながら、餌食いを再開します。
そんな具合に奈緒さんはとても根気強く、わたくしに餌食いをしつけてくださいました。食べきると、頭を思い切り撫でて誉めてくださるのです。そうされるととても嬉しくて、次の調教も一生懸命に受ける気になってしまいます。
コロンと一緒にエサをいただくこともあります。リードを解かれてコロンと並ばされ、奈緒さんの「おあがり」の合図でいただくのです。その時はコロンの餌皿には必ず、わたくしよりも一品多く盛り付けられています。さらに、コロンが先に餌皿へ口を付けてからでないと、わたくしは食べることを許されません。
「家畜としてはコロンの方が先輩なのよ。それを理解させる為に差別をします。後輩は、先輩がまず口を付けてからいただくのよ。この家の序列は、トップが敬一郎さん、次が私、コロン、そしてショコラの順番です。家の中だけじゃないのよ。序列を守ることは、家畜として生きていくのにとても大切なことです。序列を守ることをお前の身に染み込ませます。お母さんだからといって、先輩に威張ったりしたら私が許しません」
という奈緒さんの、わたくしへのしつけの方針なのです。もし、ついうっかりして同時にでも口を付けようものなら、奈緒さんはわたくしの餌皿を足で蹴っ飛ばし、「伏せ」を命じられます。そしてコロンが全部食べ終わるのを待たされるのです。
コロンが食べ終わると、粉々に地面に散乱しているエサを、お口だけできれいに餌皿へ片付けさせられます。もちろん食べたりしたら、ホッペタを思い切り叩かれます。地面がきれいになると、餌皿は引っ込められ、エサはゴミ箱に捨てられてしまうのです。そして反省の言葉を五〇回唱えさせられてから、「ハウス」を命令されて犬小屋で一日反省して過ごすのです。
エサ抜きは身体中の力が抜けてしまい、とても辛いお仕置きですが、それ以上に、お腹がペコペコの時にエサを口に咥えるだけで、絶対に食べてはいけないと命令されるのは、惨めな上に残酷です。片付けをしながら涙ぐんだこともございますが、奈緒さんのしつけを守れなかった、わたくしが悪いのですから仕方ありません・・。
でも、奈緒さんはどんなに時間がかかっても根気よく、のろまなわたくしに付き合ってくださるのです。調教中、一匹にされたことなど一度もありません。時間がかかる調教でも、必ず最後まで側にいてくれます。難しいしつけは、出来るようになるまで何度でも繰り返して覚えさせられます。失敗しても、怒るでもなくイライラするでもなく、「もう一度してみなさい」と穏やかにおっしゃるだけです。そして出来るようになるまで、いつまでも忍耐強く付き合ってくださるのです。
わたくしの気質が元々おっとりしていて、物事を素早く小器用に片付けられないことを見抜かれているのでしょう。厳しくされても、機敏にしつけをこなす器量はわたくしにはございません。それで、根気よく繰り返して覚えさせていただいているのだとある日私は気が付きました。その日からわたくしは、奈緒さんに素直に従えるようになりました。
奈緒さんはお若いですが、女犬調教の経験はかなりお持ちのようです。わたくしより一六歳も若いお嬢さんにしつけられる抵抗感は、ゆっくり薄れてまいりました。そしてだんだんとわたくしは、明るくて美人で頭脳明晰で、そしてなによりも優しい奈緒さんを慕うようになってきました。
(2)調教の見物人たち
ほぼ毎日行われる畜化調教には、先輩犬として必ずコロンが付き添ってくれます。そのお礼として調教の前に、コロンのアゴを下から伺うようにして舐めて、お礼の挨拶をするのがわたくしの義務です。これは位が下の動物がする挨拶だと教えられました。コロンはわたくしの頭に上からキスをして挨拶を返してくれます。
奈緒さんへの調教前のご挨拶には、靴をペロペロと舐めて甘え、調教を素直に受ける従順さを示すようにしつけられました。最初の頃はあまりに屈辱感が強くて素直に出来ませんでしたが、奈緒さんに上手に調教をされて、プライドを少しずつはがされ、おかげさまで今では短い尻尾が付いているお尻を振り、媚びの笑顔を振り撒きながら、靴に顔を埋めることが出来るようになりました。
顔見知りの奥さまたちが、柵越しにわたくしたちを見物しに来ることも度々です。三〜四人でペチャクチャおしゃべりをしながら、少し前までこの家で幸せに暮らしていた母娘が、お揃いの首輪を付けられて、はだかで調教されている所を見ているのです。
最初の頃は、彼女らのおしゃべりが聞こえてくる度にわたくしはくじけてしまい、奈緒さんに休憩をお願いしたのですが、聞き入れられたことはありませんでした。見られた方がわたくしの調教に効果があると、判断されていたのでしょうか。
その判断は正しかったようです。卑しい家畜扱いを奈緒さんに徹底され、幾人もの方たちの目に何日も晒されているうちに、やがてわたくしは人間の方々に、はだかを見られるのがあまり気にならなくなってきました。わたくしは家畜なのだから、はだかの姿を人間の方々に見られるのは、当たり前なのよと思えるようになってきたのです。
「すごい大きなおっぱいね。あんなに大きいとは知らなかったわ」
「夜、時々アノ時の声が、私の家にまで聞こえてくるのよ(笑) あんなおっぱいをしていて女犬になったんじゃ、我慢できないのはわかるけど、ちょっとにぎやか過ぎるわ」
「事故をおこした前のご亭主は貧弱そうな人だったけど、新しいご主人は身体の大きな人だし、きっとアッチの方がすごいんじゃない。これまでと違う逞しさに夢中になってるんじゃないかしら?」
「あら、みゆきさんはご主人がいらした日でも、犬小屋に繋がれっぱなしですよ。可愛がられているのは娘さんの沙織ちゃんでしょう」
「まあ、あんな子供犬が、年増女みたいな声を出すの? ヤダわ、女犬にだけはなるものじゃないわね」
「それは本当なの? それだとみゆきさん、夜はつらいでしょうね。毎晩あの犬小屋の中でオナニーして慰めているのかしら?」
「どうしてみゆきさんは放っておかれるのかしら。女犬が殿方の飼い主に犯されないなんて不憫だわ。家族だと認められてないみたい」
「大方、ご主人がロリコン趣味なんでしょ。沙織ちゃんの蕾に夢中なのよ。熟女犬もカタナシね」
「みゆきさんがしつけ係の女の子にご挨拶しているわ。調教の始まりよ。いやだ、お尻を思いっきり高く上げて這いつくばされてる。娘みたいに若い子の靴を舐めなきゃいけないのね」
「ちょっと見てごらんなさいな。最初の頃は靴の先っちょにキスをするだけだったのに、今日はあんなにペロペロ舐めてる。ずいぶん犬らしくしつけられて来たわ」
「今日はなんの調教かな? あらあら、あんな格好をさせられて。お顔を真っ赤にしてるわ。あら、失敗して引っくり返っちゃった(笑)」
「新しいしつけを仕込まれるみたいね。先輩犬の沙織ちゃんが見本をさせられているもの」
「こらえ性のないみゆきさんに、沙織ちゃんと同じコトができるのかしら? まあ偉いわね。もう一回チャレンジするみたいよ。頑張れ、ショコラちゃん」
「みゆきさんって、おっとりしてて上品で、側にいると下品な話ができなかったものね。そんな人が丸はだかであんな格好させられるなんて、何だか可哀想」
「あら、沙織ちゃんはオシッコの時間みたい。あの仔は小学生の頃から素直で可愛い子だったよね。まあ遠慮のないオシッコだこと。ここまでハネて来そうだわ(笑)」
「調教師のお姉さんに、早く拭いてよってお尻を差し出してる(笑)。無邪気でいいわね」
「みゆきさんがオシッコやウンチをしてる所は、まだ見たことないけど、畜化はどのくらい進んでいるのかしら」
「ま! 見てみて。今日はオシッコに挑戦するみたいよ。トイレにまたがったわ」
「出来るかな? あら、お顔を真っ赤にしてブルブル震えている。ちょっと時間がかかりそうね」
(3)畜化の階段を登って
見物人が多くなると、決まって奈緒さんは「オシッコは大丈夫なの?」「ウンチはしたくない?」と聞いてきます。はだかには慣れても、排泄だけは何時までたっても慣れることができません・・。わたくしは「まだ出ないです」といつも嘘を言っていました。奈緒さんは排泄の強制はしませんでしたが、嘘はばれていたと思います。
だいたい女犬は、膀胱に溜まったオシッコを一度に全部、出せないのです。どんなに溜まっていても、一回に出せる分量は決まっていて、小出しにして何回かに分けてしか出せないように、身体が変化しているのです。ですから調教中に一度も催さないなんてあるはずは無いのですが、排泄欲求のわたくしの嘘に関しては、奈緒さんは寛大でした。
わたくしは、見物人が集まる調教中はひたすら我慢して、庭で一匹の時、誰も見ていないのを見計らって、素早く済ませていました。わたくし専用のトイレは、いつも犬小屋の脇に置いてあります。排泄を済ますと、トイレに取り付けられている拭き取り棒に器官を擦りつけてきれいにします。拭き取り棒とは、屋外に飼われる女犬用トイレに付いていて、女犬が一人で事後処理できるように作られています。
一日に一度、奈緒さんは何も言わずに拭き取り棒をきれいにしてくれます。奈緒さんにトイレを掃除していただく度に、「調教中、人に見られながらの排泄」に挑戦し、いつでもどこでもウンチやオシッコができるようになって、奈緒さんの期待に応えたいと思うのですが、こればかりはどうにも羞恥心が強すぎて、思うようにはまいりません。
コロンにトイレをしつけた時もたいへん恥ずかしがって、それは苦労をいたしましたが、今はまったく立場が逆になりました。コロンは見物人が何人ご覧になっていようと、オシッコでもウンチでも、したくなったらサッとトイレにまたがり、ジョボジョボ、ボットンと済ませてしまいます。その後お尻を高く上げて、気持ちよさそうに奈緒さんに後始末してもらっているのを見ると、とても羨ましくなります。
ある日の調教中、コロンが催して、見物の奥さまが三〜四人見ている目の前で、ジョボンジョボンとオシッコを済ませました。我が家のいつもの日常光景です。奈緒さんに丁寧に股間を拭かれています。その時のコロンの、目を細めたとても気持ちの良さそうなお顔を見ていたら、急に自分もここでオシッコが出来るような気になりました。あんな風に奈緒さんに後始末をされて甘えてみたい・・。
コロンの始末を終えた奈緒さんが、いつものように「ショコラはオシッコいいの?」と聞いてきます。いつもなら「まだしたくありません」と嘘をつくところですが、今日は違います。
「あの、させていただけますか? ショコラにオシッコをしつけてください」
初めて自分からオシッコのしつけをお願いしました。コロンが目を丸くして見ています。
「そう。じゃあトイレにまたがりなさい」
奈緒さんが当たり前のように言ってくれます。見物の奥さまたちの視線が全身に刺さって来ました。お顔はトマトケチャップのように真っ赤です。尿意はあっても緊張感が尿管を締め付け、いつまでたっても出て来ません。奈緒さんがわたくしの正面に回って、肩を抱きながら励ましてくれます。
「いい仔ねショコラは。自分から「おしっこのしつけ」をお願いしてくるのを待っていたのよ。あとは時間の問題だから、ゆっくりとおやりなさい。さ、あやしてあげましょう。出るかな? シートト、シートト、シートトト」
奈緒さんにオシッコをあやされて、やっとチョロリと便器の底を湿らすことが出来ました。一つだけ畜化の階段を上れたような気がしました。
(4)初めてのお散歩
ご主人さまがいらっしゃる日には、コロンの餌皿に鳥や羊の生肉が添えられます。ベッドで可愛がっていただくための精を付けさせる為なのでしょう。わたくしは、一度も口にしたことはございません・・。お肉を餌皿に見つけると、コロンはご主人さまに今晩お会いできる事を知り、大喜びします。
ご主人さまの夜のお相手は、もっぱらコロンばかり・・。覚悟していたとはいえ、少しも構ってくださらないご主人さまに恨みが募ってきます。ご主人さまはわたくしの心が全然おわかりになっていないのでしょうか。それとも知っていて無視されているのでしょうか。ご主人さまはコロンが可愛くて仕方がないご様子です。コロンも一途にご主人さまを慕っています。そんな二人を見ていると、わたくしは及びでないのよと、いじけ心ばかりが大きくなります。
たまに調教を上手にこなした時、一つだけおねだりを許される事がありますが、ご主人さまの心を知るのが恐くて、「たまにはショコラもご主人さまに構っていただきたいです」なんてお願いは決して出来ませんでした。
ご主人さまが門をくぐっていらっしゃると、コロンは飛び跳ねて大はしゃぎです。足元でグルグル廻って来訪を歓迎し、喜びをあらわす無邪気なコロンを、ご主人さまは抱き上げてお家に連れて入ります。抱っこのまま、ピッタリ口と口をくっ付けてキスをしながら入って行かれることもございます。わたくしには、「いい仔にしていたかい」と一言、声をかけてくださるだけ・・。奈緒さんはそんな二人を気にする風もなく、迎え入れるのです。
わたくしは泣いているのを気づかれないように、繋がれた小屋の奥に引っ込みます。夜、静寂の庭に、コロンが上げる艶声が途切れとぎれに聞こえてきます。わたくしは声も上げずに小屋の中でむせび泣くのです。
翌日はお天気が良いと、ご主人さまがコロンをお散歩に連れ出します。外出用に特別のおめかしをされて、得意満面の笑顔でご主人さまにリードを引かれて四つん這いで出発するコロン・・。奈緒さんが一緒に付いて行くこともあり、わたくしはいつもお留守番です。
楽しそうにおしゃべりしながら三人で玄関から出てきて、わたくしの繋がれている犬小屋の脇を通りすぎ、「ショコラ、しっかりお留守番しているのよ」と言い残して、門から出て行くのです。わたくしはいつも淋しく、三人を見送っていました。
わたくしはコロンが羨ましくて仕方ありません。もう、はだかを人目に晒すのはだいぶ慣れました。オシッコこそまだ上手にできませんが、お散歩の最中くらい我慢できます。陽射しの穏やかなある日の午後、一緒にお散歩に連れて行って欲しいとお願いしてみました。
「ショコラはまだ調教が充分じゃないから、外のお散歩はダメよ。オシッコに十分も十五分もかけていたら、お散歩にならないわ。大人しく犬小屋でお留守番してなさい。」
「奈緒、いいじゃないか。一緒に来たがってるんだから。オシッコは我慢させればいいさ」
奈緒さんは最初反対しましたが、ご主人さまが助け舟を出してくださいました。その一言で、試しに連れて行ってみようかと、奈緒さんも承知してくださいます。
コロンが自分とわたくしの引き綱を咥えて、ニコニコしながら玄関から出てきます。ご主人さまは「よしよし」と頭を撫でて引き綱を受け取り、首輪にカチリと取り付けます。わたくしも奈緒さんにリードをつけてもらい、出発です。
四つ足歩きはずいぶんお庭で練習したのですが、固いアスファルトを歩くのは初めてなので、歩きにくいことこの上ありません。それに、狭いお庭と広い道ではまったく勝手が違いました。狭いお庭の中を休みやすみ歩くのとは違い、奈緒さんが立ち止まるまで、ずっと歩いてなくてはいけないのです。
後足を思い切り大きく開かないと、大きなお尻が重たくてバランスが取れなくなってきました。わたくしは夢中で、今までしたことのない恥ずかしい格好で、往来をペタペタと歩きます。
「ショコラ、可愛いぞ。お前のような熟女犬のお散歩姿には、独特のお色気があるな」
「ほんとね。どこからみても立派な貫禄のあるお母さん女犬が、仔犬と一緒にはだかんぼのガニマタ姿で、ヨチヨチと四つん這い歩きをするのはとても可愛いわ」
ご主人さまと奈緒さんが、お尻を撫でながらそうおっしゃってくれます。コロンは慣れたもので、初めてわたくしとお散歩が出来て嬉しいのでしょう。スキップでも踏み出しそうにしてわたくしの横にピッタリくっついて歩いているのです。
慣れない四つ足歩行を続けていると、アチコチに無駄な力がかかるようになって、ヨロヨロとしてきました。真っ直ぐに歩くのがだんだん難しくなってきました。すると、それに気がついた奈緒さんがリードを短く持って、上手に引っ張ってくださいます。わたくしは引っ張られる方向に身体を預ければ、苦痛が少なくなることを知りました。
奈緒さんの指示は的確です。わたくしは奈緒さんを信頼して、指示に忠実に従って歩くように心がけました。そうしたら急に歩くのが楽になったのです。わたくしは奈緒さんと心で繋がっていることを感じ取りました。
はだかんぼで引き綱を引っ張られ、行きたい方向にも行けず、立ち止まる自由もないのに、指示どおりに歩かされる喜びを感じることが出来るようになれたなんて、奈緒さんの根気強い調教の成果に違いありません。わたくしは急に、自分が一人前の女犬になれたような気がして嬉しくなりました。
コロンが電信柱でオシッコをさせてもらっています。あれあれ? どうやらウンチもするようです。コロンと同年齢くらいのセーラー服の中学生三人組が通りかかりました。
「あ、コロンちゃんだ」
「いつも可愛いね。この仔、うちの学校の先輩だったんだよ」
「そうなんだ。こんな可愛い先輩がいたんだね」
顔見知りらしく、彼女たちは気軽にコロンの頭を撫でます。コロンは通っていた中学校の後輩の彼女たちを気にする風もなく、ギュッと目をつぶってお顔を力ませています。やがて「ボタボタ、ボットン」とお荷物を落とし、排泄を済ませました。そしてちょっと恥ずかしそうに頬をポッと染め、彼女たちに愛想笑いを振り撒きます。
「まあ、恥ずかしがってる。いいのよコロンちゃん。お前はもう犬なんだから、人前でウンチをするのは当たり前なのよ」
少女の一人が頭を撫でながらそう言うと、コロンは笑顔でその娘のスカートにお顔を擦りつけて甘えます。「わあ、可愛い」と、コロンの評判は上々です。
ご主人さまがコロンのウンチを片付け、お尻を上げさせて、携帯ティッシュできれいに性器と肛門を拭いて後始末を終えます。少女たちは興味深そうにご主人さまの作業を観察していました。
「こっちの仔がコロンちゃんのお母さんなんですか?」
「そうよ、ショコラと言います。仲良くしてあげてね」
わたくしは彼女らに囲まれて、身体中を触られました。
「母娘で女犬になるなんて、めずらしいね。あ、この仔、素直に触らせてくれるよ」
「大きなおっぱいね。コロンちゃんもこんなに大きくなるのかな」
「うわあ、すっごい柔らかい身体だ。こんな仔と一緒に眠ったら気持ちいいだろうな」
散々いじくられてから、わたくしたちは少女らに別れを告げました。どうも人間の子供は苦手です(笑)。
人通りの多い大通りに出ました。コロンは何の変化もなくこれまで通りに歩いていますが、わたくしは急に興奮してきました。右を見ても左を見ても人だらけです。無数の人の視線をはだかに浴びて、心臓がパンクしそうです。股間の濡れがひどくなって来るのが解ります。何人か顔見知りの人とすれ違いました。わたくしに気がつき、振り返ってこちらを見ています。大股開きで歩いていますから、きっとたくさん濡らしている所を見られたに違いありません。わたくしは散歩が辛くなってきました。
昔、わたくしもよく買い物に来たスーパーマーケットが見えてきます。深夜までやっている品数豊富なお店です。
「それじゃ、ショコラとコロン。しばらくここで「お座り」して、大人しくしているんだよ。私たちは買い物をしてくるから」
そう言って、ご主人さまはわたくしとコロンを店の前のガードレールに繋げたのです。奈緒さんは「大丈夫かな?」とちょっと不安そうでしたが、ご主人さまに促がされてお店に入っていきます。
保護者がいなくなり、わたくしは大きな不安にかられました。隣りのコロンは呑気そうに欠伸などをして退屈そうに「お座り」を続けていますが、わたくしは同じ姿勢を取りつづけるのが苦痛でした。お庭での調教では、こんなことなかったのに・・。
子供犬と熟女犬が並んで道のガードレールに繋げられ、仲良く同じ格好の「お座り」をしてご主人さまのお買い物が済むのを待っている図は、相当周囲の方の目を引くようで、わたくしたちは通り過ぎる人にジロジロと見られます。だんだんと人が集まってきました。
一人がコロンの首輪に付いているプレートに手をかけました。
「コロンちゃんか、可愛いね。こっちの仔は、君の「お母さん犬」代わりなのかな」
「いいえ、おじさん。私の本当のママです」
コロンが無邪気に答えた瞬間、わたくしの頭に血が登りました。ただでさえ大勢の方の目に晒されて興奮気味なのに、母娘犬だなんて知られたくなかったのです!
「へえ、それは珍しいね」
「おっぱいの大きな仔だな。あれ? ちょっと様子がおかしいぞ」
わたくしは恥ずかしさのあまり、意識が薄れかけます。やはりまだ、外の散歩は無理だったのです。わたくしは取り乱しました。
一刻も早くこの場から逃げ出したい! わたくしはガードレールに結ばれたリードの結び目をほどこうと、前足をかけます。指が使えないことは、もう充分解っているつもりでしたが、気が動転していたのでしょう。必死になって結び目をほぐそうと指を結び目に当てますが、ほどける訳がありません。わたくしは繋がれたまま、ガードレールを引っ張り始めました。
丈夫なリードはビクともしません。情けなさの思いも加わり、動きは激しさを増します。わたくしが暴れれば暴れるほど、人が集まって来るので、ますますパニック状態になりました。コロンはびっくり仰天して、怯えた目でこちらをみています
「落ち着きなさい。このままじゃ怪我をするわ」
見物人の中から一人の女性が出てきてなだめようとしてくれますが、最早わたくしは半狂乱の状態です。
「ガシガシガシッ!」
絶対に外れっこないリードをムチャクチャ引っ張り、首に血が滲んできます。女性は素早くわたくしの首輪に付いているプレートを確認しました。
「どなたかこのお店の中のお客さんから、柳沢さんを呼んできて!」
親切な方の通報で、ご主人さまたちが戻ってらっしゃいます。わたくしはご主人さまと奈緒さんの顔を見て、やっと落ち着きを取り戻しました。
「ショコラ、どうした? 何かされたのか? 言いなさい。そいつをとっちめてやる」
「ショコラ、大丈夫? よしよし、もう恐いことはないのよ」
怯えきっているわたくしを、一生懸命に慰めてくださいました。事情を理解したお二人は交互にわたくしを抱きしめてくださいます。
「悪かったわ。私の判断違いでした。この仔は羞恥心が強すぎるのよ。やはりまだ、外のお散歩は無理だったのね。ショコラ、すぐお家に戻してあげるから。いい仔いい仔、もう泣くんじゃないわよ」
わたくしはしっかりと奈緒さんに抱きついて、だんだんと落ち着きを取り戻していきました。
(5)発情期を迎えて
ある日、わたくしは自分の身体が熱く火照っているのを感じました。朝から何か様子がおかしいな、とは思っていたのですが、夕方になる頃、カッカ、カッカと身体中が燃えるような感覚につつまれたのです。気分が甘ったるくなり、誰かに構ってもらいたくて仕方ありません。病気になったのかと思い、慌てて奈緒さんに助けを求めたのですが、病気なんかじゃないから安心しなさい、と笑いながら言われました。
「自分の股間をみてごらんなさい。ベトベトに汚してるじゃない。来るのが遅いから心配していたんだけど、ショコラにもやっと発情期が来たのね」
発情・・ああそうか、これが発情期なのか、と思いました。指摘された通り、股間はいつにも増してベトベトになっていました。膝小僧まで垂らしているのを見て、奈緒さんは同情してくれます。
「あら可哀想・・。オナニーをさせてあげてもいいんだけれど、あなたが発情したら、敬一郎さんに報告して処置の指示を仰ぐことになっているの。ちょっと待ってね」
奈緒さんはポケットから電話を取り出し、その場でかけてくれましたが、つかまりません。
「たぶんこちらに向かっている途中なのよ。運転中は電話に出ない人だから。かけ直してくると思うから、しばらく我慢できるかしら?」
とりあえず清潔なタオルで股間の汚れを拭いてもらいましたが、淫液の沸出はキリがありません。やがてわたくしはどうにも我慢が出来なくなりました。
「奈緒さん、お願いです。なんとかして・・。切なくて死んじゃいそうなの・・」
「ショコラは熟女犬だものね。こんなにおっぱいが大きい仔が、初めての発情に我慢できないのは仕方ないわ。よしよし、今してあげるからね」
奈緒さんが手を股間に入れて慰めてくれます。充血しているポッチを思い切り刺激していただき、疼いている膣腔を掻き回してもらいました。おっぱいも、ピーンと勃起している乳首を中心にほぐしていただきます。わたくしは庭の犬小屋の前で、道行く人の目を気にする余裕もなく、発情の処理を奈緒さんの指でしていただいたのです。わたくしは、私の丁度半分の年齢の奈緒さんの胸に顔を埋めて、可愛い声を上げて甘えます。
いくぶん、楽にしていただきました。わたくしの気持ちよさそうな声を聞いて、奈緒さんも安心したようです。そして淫液でベトベトになった手を手ぬぐいで拭きながら、こんな命令をされます。
「あとは敬一郎さんに、なんとかしていただきなさい。それまで勝手にオナニーをしてはダメよ。お庭で這って生活しているショコラの前足はとても不潔だから、そんな前足でオナニーをしたら病気になってしまいます。それに、オナニーを我慢することを覚えないと、淫乱犬になっちゃう仔もいるのよ。辛いでしょうけど我慢なさい。勝手にオナニーをしたら、うんと厳しいお仕置きをしますからね。わかったらお返事をなさい」
「はい。ショコラは勝手にオナニーはしません」
奈緒さんにオナニーのしつけをしていただきました。
(6)コロンのお仕置き
奈緒さんにご主人さまから電話がかかってきました。わたくしの発情が報告されます。
「ショコラ、家に入りなさい。もうすぐ敬一郎さんが帰ってきますからね」
「本当ですか? 家に入ってもいいの?」
「敬一郎さんの指示よ。たぶん今晩、可愛がってもらえるわよ。良かったね」
「え? あの、良かったって?」
「ショコラは敬一郎さんが好きなんでしょ? 年中あなたの面倒を見てるんだもの。それくらい解るのよ」
聡明な奈緒さんは、気がついていたようです。では、コロンがご主人さまに可愛がられるのを見て、泣いていた所を見られていたのでしょうか? ちょっと恥ずかしくなってしまいました。
奈緒さんに足をきれいに拭いてもらい、わたくしはここに戻されて初めて玄関をくぐりました。久しぶりの我が家です。家具はほとんど変わっていません。私はお風呂場できれいに身体を洗ってもらってから、夫婦の寝室に使っていた二階の部屋に連れて行かれました。ほとんど何も変わっていない我が家ですが、寝室のベッドはまったく新しい大きなサイズの物に変わっています。
前の主人と愛を語らった思い出の部屋です。でも今は、新しいご主人さまとコロンの愛の巣なのです。窓からはわたくしの犬小屋が見えました。わたくしが淋しさに耐え切れず、泣きながら一匹で横になっているのをここから見下ろしながら、二人は抱き合い、キスをし、交合を繰り返していたのかと思うと胸が張り裂けそうになってきます。また涙が出てきそうです・・。
ふと、私は気になりました。わたくしが家に入ってきたのは気配で解ったはずなのに、コロンが姿を見せないのです。
「あの、コロンはどこにいるのですか」
「コロン? 気になるの」
「あ、はい、いえ、その・・」
「いいわよ、教えてあげる。コロンちゃんはね、今お仕置き中なの」
「あの仔、何かしたのですか?」
「見せてあげるわ。こっちへいらっしゃい」
わたくしは家の中を四つん這いで歩いて移動します。コロンは、自分のお部屋に使っていた部屋をそのままあてがわれていました。昔のベッドや勉強机は取り払われて、綿を敷いた円形の床設置型女犬用ベッドが置かれています。部屋中おもちゃだらけです。様々な仔犬用のおもちゃがだらしなく散らかされていて、ご主人さまのコロンに対する愛情が見て取れるお部屋でした。
コロンはベッドに横になって、泣いています。何か辛いことがあるのか、目を真っ赤に腫らしてシクシクと泣いているのです。こころなしか、お尻を突き出し気味にしています。
「コロンちゃんはね、今、敬一郎さんにお尻の穴の調教を受けているの」
「え? お尻のあな?」
「そうよ。お尻の穴でご主人さまを受け入れる為に、拡張訓練を受けているの。ショコラも前の旦那さんと経験あるんじゃないの?」
話に聞いたことはありますが、わたくしは未経験です。
「そっか、ショコラは熟女犬なのにウブだものね。拡張するには、一番細いAから一番太いEまで、五本の拡張棒で、順繰りに時間をかけて広げていくのよ。コロンちゃんは昨日までにC棒までは楽に入るようになったんだけど、D棒の調教を嫌がったの。それで敬一郎さん、腹を立てちゃって、排泄の後始末を禁止するお仕置きを受けさせているの」
「まあ、そんな・・」
「可愛そうにコロンちゃん、よっぽどアナル性交が嫌なんでしょうね。こんなになってるのに、どうしてもD棒の調教を受けると言わないのよ」
奈緒さんがコロンのお尻を開いて、具合を見せてくれます。見ると、肛門の周辺にウンチの破片がこびり付いて、炎症を起しているのです。確かに排泄の後、少しでも拭きもらすと痛くなることがあります。全く拭いてもらえなかったら、こんなになってしまうのですね。オシッコも拭いてもらえないので、すえた匂いがしてきます。
「どう? コロン。D棒の調教を受ける? ウンってお返事をすれば、すぐに消炎剤を塗ってあげるわよ。すぐに楽になれるのよ。どうなの?」
奈緒さんが優しく髪を撫でながら聞きます。しかし、コロンは思いっきり首をふるばかり。ベッドの綿にお顔を突っ伏します。
「この仔は少し甘やかし過ぎなのよね。敬一郎さんったら、これまでずっと猫っ可愛がりして来たから。このお部屋だって散らかし放題で、お仕置きもしないんだから」
まだ十四歳の仔にアナル性交だなんて・・少し不憫に思いましたが、もはやこの仔のしつけに何か物を言える立場ではございません。それに結局は、奈緒さんの巧妙な調教に屈服させられて、D棒、そしてE棒の調教を受けさせられ、ご主人さまのモノで試される日が来るのでしょう。わたくしたちは寝室に戻りました。
「あの調子では、今日はダメね。しかもショコラは発情中。ね、言ったでしょ。今晩はきっと敬一郎さんに可愛がられるわよ。良かったね」
(7)一途な思いを伝えたくて
ご主人さまが到着したようです。女犬は自分で勝手に人間用のベッドに上がることは出来ません。奈緒さんに、コロンの為に用意されたお化粧品で寝化粧をしていただき、寝室のベッドに据えてもらいました。発情の波はご主人さまの来訪を知り、ピークを迎えたようで、横になっただけでシーツがびっしょりになってしまいました。
「じゃあね、たんと可愛がってもらいなさい」
奈緒さんがそうおっしゃって出て行きます。もうすぐご主人さまがやって来ます。ああ、何度この日を夢見たことでしょう。
いつだったか奥さま連中が、「殿方の飼い主に犯されない女犬なんて、家族と認められていないも同然」と言っていたのを思い出します。今日、やっとわたくしはこの家の家族の一員になれるんだ。もう、あんなこと言わせない。わたくしはその思いにとらわれて、嬉しさで一杯になりました。
ずいぶん時間が経ちました。コロンの方にも行ってるんでしょうか。股間のシーツの沁みが、胸のあたりまで広がって来た頃、やっとドアから人の気配がします。私は待ちきれなくて、思わずイソイソと股ぐらを開いてご主人さまをお迎えしました。ところが・・
入って来られたのは奈緒さんでした。手に何か持っています。
「あら、奈緒さん、どうしたの? ご主人さまはまだ?」
わたくしは開いた股間を閉じもせず、無邪気に聞きます。
「ごめんね、ショコラ。へんな期待を持たせちゃって」
わたくしは、奈緒さんの言葉に凍りつきました。
「敬一郎さん、コロンと仲直りしちゃったのよ。コロンが欲しがってた新しいおもちゃを買ってきてあげたみたいなんだけど、それを見たとたん、コロンったら、ころんと態度を変えちゃって」
「そんな・・」
「昨日コロンは、買ってもらうと約束してたそのおもちゃを、敬一郎さんが買い忘れて来た事に拗ねていたみたいなの。それで肛門拡張調教を受けないって駄々をこねていたのね。おかしいと思ったわ。あの従順な仔があんなに逆らうなんて、何かあると思ってたんけど」
「わたくしは・・わたくしはどうなるの?」
「もう二人はベタベタよ。コロンちゃんに、「泣いた数だけキスをして」ってせがまれて、チュッチュッチュの最中よ。ショコラはどうすんのって聞いたら、私に、「これで慰めてやりなさい」ってコレを渡されたわ。女犬用の張り形よ」
奈緒さんが手にしていたのは、見たこともない形をした淫具でした。とても長い形状で、先端が大きく膨らんでいます。急角度のカリも付いています。
「そんな、そんなもので・・。わたくし、初めての発情なのに・・」
「ごめんなさいね。本当に私が悪かったわ。そのかわり私がこれで、一晩中慰めてあげるから。ただ、このベッドは敬一郎さんとコロンが使うから、私のお部屋へ行こうね」
わたくしのオデコを撫でながら、一生懸命慰めてくれます。また、いつかのホテルの夜と一緒です。イソイソとお股を開いて、勝手な期待をして、手ひどく裏切られたのです。
わたくしは「このベッドは敬一郎さんとコロンが使う」と聞いて、頭に血が登りました。そしてある決心をしました。
「あ、ショコラ。どこへ行くの」
わたくしはベッドから跳ね起き、四つん這いで開いていたドアから飛び出しました。こんな俊敏な動きができるなんて、自分でも信じられません。
「ダメです、止まりなさい。ショコラッ、いけませんっ。こらーっ!」
こんな時でも四つん這いで動く自分がいじらしくて、涙が出てきます。でも半分以上は嫉妬の涙でしょう。奈緒さんはわたくしがこんなに速い動きをするとはインプットされていなかったらしく、少々あわて気味です。おかげでわたくしは目的の場所に到達することが出来ました。
「バン!」
私はコロンの部屋のドアに体当たりしました。二度、三度、四度、「バン」「バン」「バン」と体当たりを繰り返します。やっと奈緒さんが追いついてきました。
「ショコラ、何をしているの」
「お願い、奈緒さん。このドアを開けてください」
「ダメよ、ショコラ。こっちへ来なさい」
「お願いです。開けてください」
「言うことが聞けないの? ダメよ、戻るの・・よ」
「お!ね!が!い!で!すっ! 開けてっ! くださいっ!」
「・・ショコラ、おまえ・・泣いて・・るの?」
わたくしは泣きながら奈緒さんに訴えていたのです。先ほどルンルン気分でしていただいた寝化粧が、涙と鼻水とヨダレでボロボロです。そんなわたくしの姿を、奈緒さんは黙って見ています。
奈緒さんが本気でわたくしを連れ戻そうとすれば、命令に従うことを日頃からしつけられているわたくしは、結局逆らえなかったでしょう。奈緒さんのお部屋へ連れていかれ、一日中惨めなお仕置きをされたでしょう。でも、この時のわたくしは、そんな先のことは少しも考えていませんでした。目の前のドアを何とか突破して、ご主人さまの前に進むことしか、考えることが出来なかったのです。
わたくしは泣きながら、麻痺して動かない指をドアノブに当てて、ドアを開ける努力をむなしく繰り返します。ドアには鍵など付いていませんが、女犬にされた女の前足では、ドアのノブを開くことなど出来ないのです。わたくしがもう一度体当たりの姿勢を取った時、奈緒さんの手が肩に手がかかりました。
「解ったわ、ショコラ。ドアを開けてあげる」
奈緒さんがドアを開けてくれました。わたくしは奈緒さんにお礼も言わずに飛び込みました。
(8)わたくしのご主人さま
「どうした? なんの騒ぎだ、これは?」
ご主人さまは怯えているコロンを庇うようにして、抱きしめています。わたくしは見栄も恥も外聞もなく、ご主人さまの足元に平伏して、ありったけの思いのたけを告白しました。
「ご主人さま、どうか、どうか、わたくしを抱いてください。ショコラを抱いてください。ショコラはご主人さまをお慕いしています。自ら望んで女犬になった女など、汚らわしいと思われているのかもしれません。けど、けど、わたくしはご主人さまを一目見たとき、このお方にならと、女犬に身を落す決心を固めたのです。お願いです、ご主人さま。哀れに思ってお慈悲をください。わたくしを抱いてください。お願いです、お願い、おねが・・・・・ウッ、ウウッ、ワーッ!ワーッ!ワーッ!」
これまで胸のうちに溜め込んでいたセリフを言い尽くしました。胸のつかえが取れ、わたくしは栓が抜けたように号泣を始めました。
ワーワー泣いているわたくしを、ご主人さまがポカンと見詰めています。奈緒さんが優しく肩を抱いてくれました。わたくしは思わず、優しい奈緒さんの膝に顔を付けて大声で泣きます。ご主人さまが奈緒さんに事情を確認します。
「どういうことだ、これは?」
「敬一郎さん、ショコラの望みをかなえてあげたら?」
「ショコラは私に惚れていたのか。あまりコロンばかり構う私に遠慮して、これまでずっと我慢を重ねていたんだね?」
「そうよ。そして今、自分の思いを伝えたってわけ。ずっと抱かれたがっていたのに、気がつかなかったの?」
「いや。それは・・。私はこの仔の前の亭主とは全然タイプが違うし・・。コロンにかまけて伸ばし伸ばしにしていたのだが・・。いや、ちっとも気がつかなかった」
「鈍いのね。でも、そういうところに、私の死んだママも惚れたのね、きっと」
コロンがわたくしの所に這ってきて、頬ずりしてくれます。
「ママ、ごめんね。おじさまを独り占めして。ママがおじさまを好きなのは知ってたけど、あたし、どうしたらいいのか解んなかったの」
わたくしはコロンを抱きしめました。この仔が悪いんじゃないんです。飼い主に寵愛されて喜ばない女犬などいません。ましてこの仔はまだ一四歳の子供なのですから。みんなわたくしの要領の悪さがいけないんです。
「おじさまお願い。今晩はママをベッドで可愛がってあげて。奈緒お姉さん、ママのお仕置きは私が替わりに受けますから、ママをお仕置きしたりしないで。おじさまと二人にさせてあげて」
コロンが健気にご主人さまと奈緒さんに、頭を床に着けてお願いしてくれました。奈緒さんも助けてくれます。
「あたし、ショコラのいじらしさには負けちゃったわ。泣きながら「ドアを開けてっ」てお願いされて、胸がキュンってなっちゃったもの。命令を聞かなかったのはとてもいけない事だけど、この仔の主人を思う気持ちを考えたら、お仕置きなんて必要ありません。ショコラを構ってやらない主人の方にも問題があると思うし。これで敬一郎さんに抱いてもらえなかったらこの仔、可哀想すぎます。私からもお願い。この仔を抱いてあげて。ね、敬一郎さん」
ご主人さまは何も言わずに立ち上がりました。わたくしに「こっちへおいで」と手招きをされます。わたくしはピューンと、ご主人さまの足元へ飛んでいきました。そのままヒョイとわたくしは持ち上げられて、いつもコロンがされていた、抱っこされながらの口づけをしていただいたのです。ご主人さまとの二度目の口づけでした。
優しく髪を撫でられて、わたくしはしっかりとご主人さまの厚い逞しい胸にしがみつきます。甘酸っぱいご主人さまの匂い・・。やっと、やっと間近で嗅ぐことができたのです。
そのままそっとご主人さまは、わたくしを抱っこしたまま運びます。そうです、その行き先はもちろん、大きなベッドの置いてある先ほどのお部屋です。ベッドにそっと降ろされました。
「ショコラ、済まなかったね。ちっとも気持ちに気が付いてあげられなくて。何より、少しもお前に構ってやらなかった私は、悪いご主人だったね。済まなかった。あんまりコロンが一途に私を慕ってくれるものだから、ついお前を放りっぱなしにしてしまったんだ。私を許してくれるかい?」
なんてもったいないお言葉でしょう。犬畜生のわたくしが、ご主人さまを許すも何もありません。あまりの優しいお言葉に、私は思いっきりご主人さまの胸で甘えました。鼻を鳴らして甘え声を出し、「これからはショコラのことも、少しでいいから構ってください」、とお願いしました。そうしたらご主人さまは、「もちろんだとも」、と言って笑ってくださったのです。
その晩、タフなご主人さまは、発情中の熟女犬であるわたくしを四回も、生身だけで愛してくださいました。
「目が醒めたよ。コロンの蒼くて固い、蕾の身体も好みだったが、熟れた女犬の魅力がこれほどだったとは! なんて暖かく柔らかい乳房なんだろう。接すると身体が溶けてしまいそうだ。私はこれまで、こんな宝物が側に置いてあった事に、ずっと気がつかないでいたのか」
そのお言葉だけで、ショコラはご主人さまの為に死ねます。ショコラは女犬になってから、おっぱいがさらに膨らみ、柔らかくなりました。成長したというより、これは女犬の特徴なのでしょう。ご主人さまに、やっとおっぱいを気に入っていただけたのが嬉しくて、嬉しくて、踊り出したい気分です。
空が白々と明けてきた頃、最後の五回目を挑まれて果てた後、発情した身体の火照りが収まっているのに気が付きました。さすがに疲れ果てて、ご主人さまは安らかな寝息を立てながら休まれています。充実した気分でわたくしも添い寝をします。そして首輪に付けられているご主人さまの名前が刻まれたプレートを何度も眺め、何度も呟きました。
「柳沢敬一郎」さま。「柳沢敬一郎」さま。「柳沢敬一郎」さま・・。そうです。これがわたくしのご主人さまの名前です。世界でたった一人、わたくしのことを守り、可愛がり、愛してくださるご主人さまです。わたくしは胸を張って、そのことを世界中の人に発表したい、と思いました。
今日の調教では奥さま連中の批評が恐いです。だって一晩中、コロンの十倍くらいのおっきな声を上げっぱなしだったんですもの・・。
(9)エピローグ
その日以来、わたくしとコロンは、順番でベッドに上げられるようになりました。お仕置きで「ムチ」と「ベッドの我慢」を選ばされることがあります。コロンはムチが大嫌いで、ベソをかきながら「ベッドの我慢」を選ぶことが多く、その度にわたくしは一回得したって大喜びです。コロンは拗ねて、わたくしに砂をかけたりします。
わたくしですか? わたくしも痛いのは苦手なのですけど、「ムチ」ばかり選んでいます。だって、奈緒さんにお仕置きされて真っ赤になったお尻を、その晩、ご主人さまに優しく舌で舐めて、慰めていただけるのですから・・。
たまに母娘一緒に可愛がっていただくこともあります。未成熟なコロンと、成熟度だけは一人前以上のわたくしの身体を、ご主人さまは交互に愛してくださいます。ペッタンコのおっぱいと、柔らかく膨んだおっぱいに挟まれて、ご主人さまは幸せそうに深い眠りに入られます。
奈緒さんが参加して4Pになることもあるのです。奈緒さんは大抵、わたくしかコロンを相手に張り形を使って参加しますが、ご主人さまのお相手をすることもあります。普段はわたくしたち母娘のしつけ係りとして、スキを見せることのない奈緒さんですが、ご主人さまに組み敷かれている時だけは別人のような、甘ったれた一七歳のお嬢ちゃんになってしまいます。
普段は「敬一郎さん」と呼んでいるのが、その時だけは、「パパァ、アァン。パパァ、クスン」と、鼻声を出して、泣いて甘えるのです。ご主人さまはそんな変わりようを見せる奈緒さんが可愛くて仕方ない、とばかりに、丹念に可愛がるのです。
今日の餌皿には、わたくしのほうに生肉が乗せられていました。それは、今晩ご主人さまがいらっしゃり、愛していただくのはわたくしの番だ、という合図です。
夕方になって、ご主人さまがいらっしゃいました。わたくしはコロンがよくしていたのを真似て、満面の笑顔で飛び跳ねながら、ご主人さまの足元でグルグル廻って来訪を歓迎し、無邪気に喜びをあらわします。ご主人さまは、そんな仔犬のような熟女犬のはしゃぎぶりに目を細め、ニコニコ顔でわたくしを抱っこして、お家に入れてくれます。
わたくしはお外で飼われている犬ですので、まずお風呂場に連れていかれ、奈緒さんに徹底的にきれいに洗われます。それから、わたくしのお部屋はまだないので、コロンのお部屋に連れて行かれます。そしてご主人さまにいろんなおもちゃで遊んでいただき、おやつを食べさせてもらったあと、ご主人さまはシャワーを浴びてベッドルームに入ります。
わたくしは奈緒さんに$わたくし専用のお化粧品で寝化粧をしていただき、首輪を引かれてご主人さまの待つベッドルームへ向かうのです。コロンはずっと居間で大人しくしています。おや、コロンの様子がちょっと変です。顔が腫れぼったくなって目が潤んでいます。奈緒さんが調べると、発情していることが解りました。
急きょ、奈緒さんも参加して4Pの始まりです。ご主人さまは、乳房に顔を埋めながらなさるのがお好みです。わたくしがベッドでご主人さまに深く愛されているすぐ下の、毛皮の敷物を敷いた床の上で、コロンが発情の火照りを、奈緒さんに張り形で慰められ、大きな声を出しています。
ご主人さまは一回のプレイ時間がとても長いので、一度終わるともう、おばさん犬のわたくしはクタクタです。まだ余力のあるご主人さまは、わたくしの回復を待っていられず、一度や二度、張り形でイカされただけでは満足できない発情中のコロンをベッドに上げ、旺盛な精力で再び元気な声を上げさせます。発情している時だけは、わたくしもコロンも譲り合うことにしているのです。だってわたくしたちは、とても仲の良い母娘犬なんですからね。
わたくしと奈緒さんは毛皮の敷物の上で休憩です。でもベッドの二人に刺激されて奈緒さんにおねだりをすると、優しいキスをしてくれます。身体を奈緒さんにまかせ全身を愛撫され、張り形が使われる頃には敷物をベトベトにしていて、わたくしはあとで叱られるのです。
わたくしはまだしばらくは、お庭で犬小屋暮らしです。もうすぐこちらに来て三ヶ月になろうとしているのに、なかなか座敷犬にはさせてもらえません。奈緒さんに言わせると、わたくしは羞恥心が強すぎて、思うように畜化が進まないそうなのです。
「でも時間の問題だからね。人のたくさん歩いている道の電信柱でオシッコが出来るようになったら、座敷犬にしてあげましょう」
奈緒さんにはそう言われています。その日がやって来るのは、そんなに遠くはないと思います。コロンももうすぐ十五歳です。いよいよ一番美しく輝く年代に近づきました。畜化も理想通りに進んでいるそうです。品評会を目指そうかと、ご主人さまと奈緒さんが話していたのを聞いたこともあります。
調教が一段落したら、刑務所に服役中の前の主人や、病気で伏せっている母に、母娘揃って会わせてあげようとも言われました。「お見せする時、私たちが恥ずかしい思いをしないよう、早く立派なしつけを身に付けなさい」と良く言われます。わたくしは今さら前の主人や母にお会いしても・・・、と思いましたが、コロンにとっては実の父親であり、祖母なのです。コロンの為にも頑張らなくてはなりません。
またいつか近況をお知らせする時が来るかもしれません。その時、わたくしは畜化の完了した、どこででもオシッコやウンチができる、可愛い女犬になっているでしょうか? それとも相変わらず庭の犬小屋で、アリさんと戯れているノロマなおばさん犬でしょうか?
それは解りませんが、ご主人さまに愛され続けている事だけは、間違いないと思います。もしかしたら、コロンと一緒にたくさんの仔犬を生んでいるかもしれませんね。それでは皆さま、またお話をお聞かせ出来る日が来るまで、ごきげんよう。
「第五章 みゆきと沙織の場合」 完
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